介護士の勤務形態の実情|収容人数が少ないホームの方が楽?

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高齢化に伴い、介護士の社会的なニーズは広がってきています。

働ける環境が増えれば、理想の転職先を見つけたいと考える、介護士も少なくないはずです。

転職活動において「収容人数が少ないホームの方が楽である」という噂を、一度は耳にしたことがある人も多いかもしれません。

この記事では、収容人数や施設形態の違いが、働く介護士にとってどのような変化があるのか解説していきます。

これから転職を考えている介護士の方は是非チェックしてください。

介護士の勤務形態の実情|収容人数が少ないホームの方が楽?の要約

3行要約
  • 介護士を取り巻く就業環境を把握する
  • 規模や施設形態の違いに伴う、働き方の変化を知る
  • 介護士の退職理由を理解する

介護士を取り巻く就業環境

良い転職先を探すためには、まずは介護士を取り巻く、就業環境の現状を理解することが重要です。

同じ仕事に従事する他の介護士と比較することにより、今自身が抱えている課題を客観的に捉えることにも繋がります。

把握しておくべき介護士を取り巻く就業環境

  • 施設形態別の就業状況
  • 規模別
  • 職員数
  • 求人倍率
  • 介護度
  • 施設形態別の就業状況

    厚生労働省が作成および発表した『介護人材の処遇改善について』によると、介護職員の就業先の内訳は以下の数字となっています。

    介護職員の就業先(平成28年)

    • 入所系 50.7%
    • 訪問系 28.0%
    • 通所系 17.6%
    • 小規模多機能など 3.5%

    以上のように、50%以上の職員が有料老人ホームなどの、利用者の入所を伴う就業先で働いていることがわかります。

    特に訪問系は、12年間で8.2%から28.0%へと大きく伸長しています。

    国は在宅介護、在宅医療を推進しているため、このような数字の変化につながりました。

    在宅医療介護の推進については以下から詳しくご確認いただけます。

    「在宅医療・介護の推進について|在宅医療・介護推進プロジェクトチーム

    規模別

    入所系施設の、規模別の構成を紹介します。

    厚生労働省が作成および発表した『平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況』によると、定員階級別施設数及び構成割合は以下の数字となっています。

    定員階級別施設数及び構成割合

    【介護老人福祉施設】

    • 1-49人 1,040施設(13.2%)
    • 50-99人 5,526施設(70.0%)
    • 100-149人 1,203施設(15.2%)
    • 150人- 122施設(1.5%)
    • 計 7,891施設

    【介護老人福祉施設】

    • 1-49人 498施設(11.5%)
    • 50-99人 1,759施設(40.7%)
    • 100-149人 1,831施設(42.4%)
    • 150人- 234施設(5.4%)
    • 計 4,322施設

    【介護療養型医療施設】

    • 1-49人 794施設(66.3%)
    • 50-99人 286施設(23.9%)
    • 100-149人 72施設(6.0%)
    • 150人- 44施設(3.7%)
    • 計 1,196施設

    上記の通り、施設の形態によって、規模の分布は異なるものの、定員100名未満の介護施設が大半を占めることがわかります。

    職員数

    厚生労働省が作成および発表した『介護人材の処遇改善について』では、介護職員と要介護支援者数の推移を公開しています。

    調査を行なった平成28年時で、介護職員は183.3万人でした。平成12年時では、54.9万人とされており、約3倍にも増加しています。

    一方、介護が必要な要介護支援者数は、平成28年時で622万人でした。平成12年時では、218万人でしたので、こちらも約3倍増加しています。

    要介護支援者数が増えた分だけ、介護職員が増えているように見えますが、そうではありません。

    次に有効求人倍率のデータを参照し、果たして介護職員の数が足りているのか見ていきます。

    求人倍率

    既に引用した『介護人材の処遇改善について』によると、介護関係の有効求人倍率は平成29年時点で対前年度0.48ポイントアップの3.5倍と公表されています。

    平成29年時点で、全産業平均が対前年度0.14ポイントアップの1.5倍、また失業率は前年度より0.3ポイントダウンの2.8%という結果と比較すると、いかに介護関係の有効求人倍率が高い水準であるかは明らかです。

    平成13年時点では1.38倍であったことを考慮すると、要介護支援者数が増えた分、介護職員も増えているが、不足感は高まっていると言えます。

    配置基準

    平成30年版高齢社会白書』で、介護施設等の定員数推移が以下のようなデータが発表されています。

    国全体の介護施設の定員数は増加傾向です。施設別にみると、平成28年では、介護老人福祉施設(530,280人)、有料老人ホーム(482,792人)、介護老人保健施設(370,366人)等の定員数が多く、近年増加度が伸長しているという結果でした。

    また特別養護老人ホームや介護老人保健施設には入居者3人に対し、看護・介護職員合わせて1名以上必要という配置基準が定められています。

    介護施設はどんどん増えているものの、一方で採用側は配置基準を守るため、採用を強化する必要があるということが有効求人倍率高騰の要因とも言えます。

    これまで見てきた数字が示すように、介護職は社会的なニーズが高まり、選べる求人の幅は非常に広い職種だと言えます。

    しかし、いくらどこでも働けるからといって、自分に合わない職場を選んでしまうとストレスになってしまいます。

    施設形態別の業務内容


    自分にあった職場を見つけるためにも、施設形態別の働き方や定員数の大小によって発生する事項について解説します。

    施設形態別の業務内容

  • 【入所】特別養護老人ホーム
  • 【入所】介護老人保健施設
  • 【入所】有料老人ホーム
  • 【入所】介護療養型医療施設
  • 【訪問】訪問介護
  • 【通所】デイサービス
  • 介護士が活躍できるフィールドは、「入所系」「通所系」「訪問系」に大別されます。それぞれの代表的な施設における就業環境の特徴を紹介します。

    【入所】特別養護老人ホーム

    • 50~59人程度の定員の施設が多い
    • 配置基準は入居者3人に対して介護職員1人
    • 要介護度3以上の高齢者で、比較的重度の方が多く、認知症でも入所も可能
    • 介護職のみの夜勤(医師や看護者はオンコール対応)

    特別養護老人ホームは、入居希望者が多いため、入所待機が長期化しています。また、入所後は看取りまでサポートするケースが多い介護施設です。

    利用者の看取りまでケアできる点から、終末期ケアのスキルを身につけることができます。

    一方、寝たきりの利用者も多くいるため、利用者とのコミュニケーションの機会は、有料老人ホームなどと比べると少なくなる傾向にあります。

    【入所】介護老人保健施設

    • 100~109人程度の定員の施設が多い
    • 配置基準は入居者3人に対して介護職員1人
    • 病院で急性期ケアを終えた患者が、在宅復帰、リハビリを目指し入所
    • 夜勤あり(医師・看護師も常駐)

    介護老人保健施設は、病院から退院後、在宅復帰までの受け皿という役割を地域でになっています。

    そのため、病院と同法人の系列であるケースも多いです。経営面の安心材料になるかもしれません。

    在宅復帰という目標に向けた、前向きにリバビリをがんばる利用者をサポートできる職場と言えます。

    【入所】有料老人ホーム

    • 高級感のあるホームからアットホームなホームまで施設によって、特色があります
    • 介護付き有料老人ホームの場合、配置基準は要介護者3名に対し1名以上
    • 住宅型有料老人ホームの場合、法的配置基準の定めはなし
    • 介護職のみの夜勤(施設によっては看護職の夜勤者がいる場合もある)

    近年、最も施設数が増えている形態です。ベネッセやa href=”https://www.sompocare.com/”>SOMPOなど大手企業も事業を展開しています。

    医療的ケアが必要な方も受け入れ可能だったり、入居費用が高額で高級ホテルのようなサービスを受けることができるホームなど、それぞれのホームに特色があります。

    自立している利用者、要支援・要介護度が低い利用者が多く、日々のコミュニケーションを取りながら、介護業務に当たることができる職場です。

    【入所】介護療養型医療施設

    • 10~19人程度の定員の施設が多い
    • 病院の充実した医療設備の環境から、重度の要介護者を受け入れる施設
    • 配置基準は、利用者6人に対し、看護職員、介護職員が1人以上
    • 2023年には撤廃する施設形態です

    病院のため、医師が常におり、医療機器等も揃っている環境ということから、医療的ケアが必要な重度の要介護者を受け入れることができます。

    国の指針により、2023年には撤廃する方針です。介護療養型医療施設が担っていた役割は、介護老人保健施設などで賄うことになります。

    医師や看護師といった医療のスペシャリストが常にいることにより、介護士としても介護業務に集中できる職場です。

    【訪問】訪問介護

    • 居宅での介護支援や家事の援助を行う
    • 地域のケアマネージャーや看護師、かかりつけ医との連携が必要
    • 入浴を専門とした訪問入浴という形態もある
    • 職員のうち、非正規職員が圧倒的に多い
    • 基本的には日中のみの業務(夜間はオンコール対応)

    既に引用した『介護人材の処遇改善について』によると、訪問系事業所の職員のうち、約70%が非常勤などの非正規職員というデータでした。一方で、入所系の施設は60%近い職員が正規社員というデータです。

    訪問介護は、配置人数の定めがないことや、訪問1件ごとや時短勤務といったフレキシブルな働き方ができるため、このような結果に繋がっています。

    【通所】デイサービス

    • 1日型・半日型があり、サービス時間に合わせて利用者を送迎する
    • 介護職は入浴介助、食事介助、レクリエーション、機能訓練などを行う
    • 施設によっては、宿泊に対応するショートステイやお泊まりデイといったサービスを展開
    • 配置基準は、利用者の数が15人までは1名以上、15人を超える場合、超過分を5で割った数に1を加えた介護職員が必要

    仕事と介護を両立できない、利用者家族のにニーズを叶える介護サービスとして、デイサービスは成り立っています。

    また、利用者にとっても決まった時間に、地域の方と触れ合う機会にもなり、生きがいにつながる場合もあります。

    比較的自立した利用者が多く、レクリエーションなどにも精力的に取り組み、職員は元気で活発な時間をともに過ごすことができます。

    以上のように、介護職が活躍できる施設形態には、それぞれ特徴があります。自分の仕事へのモチベーションやストレスにつながる制限などを考慮して、納得の職場を見つける必要があります。

    介護職の退職・転職理由


    施設についてみてきましたが、仕事の大変さは本当に定員数の大小で決まるのでしょうか。

    介護職の転職、退職理由に焦点を当てていきます。

    介護職のよく挙がる退職、転職理由を探ることで、定員数の大小が影響しているのか明らかになります。

    厚生労働省が作成および発表した『介護人材の処遇改善について』に、介護関係職種の前職を退職した理由が公表されています。

    介護職の退職・転職理由

  • 人間関係
  • 腰痛など身体への負担
  • 結婚や出産といったライフステージの変化
  • キャリアアップ
  • それぞれの理由を見ていきます。

    人間関係

    調査の回答者のうち、20%が職場の人間関係問題を選択しています。

    チームワークが重要な業務だからこそ、人間関係に求める非常が高くなる傾向にあります。

    人間関係は属人的な物でもあるため、転職してしまえばクリアできるケースもあります。また施設内での連携が少ない、訪問介護などに転職すると不安要素を取り除くことができます。

    腰痛など身体への負担

    平成30年3月に独立行政法人労働者健康安全機構による『社会福祉施設の介護職職員における腰痛の実態調査、画像診断と予防対策に係る研究・開発、普及』では、介護士と腰痛の関係についてのアンケートを実施し、考察しています。

    以下の結果が公開されています。

    腰痛を持つ介護士の割合

    ・腰痛症状のない介護士 10.6%
    ・腰痛症状はあるが業務に支障はない介護士 60.3%
    ・業務に支障を及ぼした経験がある介護士 29.6%

    多くの介護職員に腰痛の症状があり、約30%の職員は業務に影響を及ぼしていると状況です。

    特に、入所型の施設の場合、利用者の体を抱きかかえたりする機会も多くあるため、介護職員の腰痛からヒヤリ・ハットにつながるリスクを念頭におく必要があります。

    ヒヤリ・ハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知をいう。文字通り、「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」である。
    引用:Wikipedia|ヒヤリ・ハット

    このような場合、介助業務の機会が少ない、自立した利用者が多い有料老人ホームやデイサービスに転職することにより、不安要素を軽減できます。

    結婚や出産といったライフステージの変化

    18.3%が「結婚・出産・妊娠・育児のため」退職を余儀なくされたという結果でした。

    介護士は全介護労働者22,183人のうち、男性は4,562人(20.6%)、女性は15,975人(72.0%)という、女性が多く活躍している環境です。

    介護士の男女比は以下に詳しく記載されています。

    平成30年度「介護労働実態調査」の結果|公益財団法人介護労働安定センター

    身体的な負担の影響、夜勤や流動的なシフト勤務、突発的な残業リスクなど、介護士を取り囲む就業環境が関係しているため、介護士の出産後の離職率、転職率は高いと言えそうです。

    仕事と家庭の両立を考えると、時間や曜日を決めてフレキシブルに働きやすい訪問介護などに転職することにより、不安要素を軽減できます。

    キャリアアップ

    現職では実現できない仕事や、閉鎖的なキャリアパスにストレスを感じ、転職する介護士もいます。そのため、介護関連職種の11.5%が「新しい資格の取得」という理由で退職しています。

    介護福祉士やケアマネージャー、作業療法士など実務経験や研修を通じて、資格を取得することができます。その資格取得に伴い、活躍の場を変えたり、収入を上げたりと、自身が望むキャリアアップを実現することができます。

    介護関連資格で唯一の国家資格である「介護福祉士」は、業務の領域が広がったり、特定処遇改善加算で収入アップを実現できる資格です。

    キャリアアップを目指し、全国に展開している高級有料老人ホームなどに転職し、施設業務にとどまらず、管理業務にチャレンジする介護士もいます。

    以上のように、定員数の大小が介護職員の負担につながっている訳ではありません。介護職員にとって、働く上でのストレスや不安要素が起因していると言えます。

    最後に、これまでの内容を踏まえて、介護士が転職先を選ぶ上で重要なポイントを解説します。

    職場選びのポイントは、自分の仕事観の理解と配置人数に対する余剰人員

    自分の仕事観の理解

    「利用者とのコミュニケーションをベースに働きたい」、「ワークライフバランス最優先」など自身のモチベーションに繋がる要素を実現できる職場を選びましょう。
    一方で、自分がストレスと感じる「腰へのダメージ」、「ひとりの不安な夜勤」などの業務ができるだけ、発生確率が少ない職場を選びましょう。

    どの仕事もそうですが、楽な仕事はありません。でも楽しいと感じる場面があったり、精神的にきついと感じる場面が少ないだけで、働くモチベーションは維持できるものです。

    配置人数に対する余剰人員

    余剰人員がいることにより、有給休暇が取りやすいことやシフトの柔軟な対応など、勤務者にとってメリットとなるケースが多いです。

    基本的に採用枠も少なく、人気の求人となるためライバルも多いことが予想されます。面接への対策をして、内定を勝ち取れるよう努力しましょう。

    定員数の大小に捉われず、介護士それぞれにフィットしたキャリアを描くことが重要です。

    介護士の転職については以下の記事でも解説していますので、参考になさってください。

    介護士が低賃金・悪条件を避けて良い転職先を探す方法