在留資格「特定技能」の導入で変革が求められる日本 

日本経済は高齢化社会の影響を受け、若年層の労働力不足が顕著になってきています。

この問題の解決に向け、日本におけるさまざまな業界において、労働力不足が予測される中、2019年4月には特定技能が新たな在留資格として導入されました。

また政府発表のデータによると、2018年末での在留外国人は273万1,093人であり、過去最高の数字を記録しています。

参照サイト:平成30年末現在における在留外国人数について

今回の記事では、日本企業の外国人人材受け入れに対する取り組みと、増えつつある外国人を受け入れる側となる日本の問題を取り上げた、海外記事を紹介していきます。

スーパーホテルは清掃業務従事者の育成のための学校を設立

日本のホテルチェーン、スーパーホテルはミャンマーで学校を設立しました。

現地のミャンマー人を対象にホテル業務や清掃作業のトレーニングを行い、日本での就職を目指すための学校であり、人材不足解消のために、4月に実施された外国人労働力に対する規制解除を受け設立したものです。

ミャンマーにおける商業の中心地ヤンゴンで開校し、スーパーホテル社の子会社となるスーパーホテルクリーン社が運営しています。

第一期生となる39人の生徒は10代から30代で構成され、日本語を学びながら3か月から半年かけて、清掃やベッドメイキングを学びます。

同社が経営する137のホテルでは、ミャンマー人、中国人、ベトナム人が、清掃スタッフの半数以上を占めています。

今回開校した学校では、現在180人の受け入れが可能で、半年ごとに500人の人材を日本に送る予定です。

現在の生徒である28歳女性のWin Thu Mawさんは「日本のホスピタリティーを学び、将来はミャンマーのホテルビジネスのために人材の育成をしたい」と豊富を語っています。

スーパーホテル以外にもにも介護、運送、建設など複数の業界が外国人人材の受け入れに注目して、スーパーホテルの取り組みのように、現地の大学と提携を行うなど様々な動きを見せています。

また、政府もこの取り組みを後押しすべく、今年に入り、バングラディシュ、スリランカ、ベトナム、インドネシア、モンゴル、フィリピン、カンボジアなど複数の国と在留資格「特定技能」に係る協力覚書(MOC)を交換し、悪質業者の排除に努めています。

参照:平成31年・令和元年のプレスリリース

受け入れる側となる日本人、意識の準備はできているか

制度としての外国人受け入れは、制度としては整備されました。

受け入れる側となる日本は、準備が整っているのでしょうか。

各企業単位では、受け入れのためのプログラムや施策の実施を開始していますが、受け入れる人材である外国人が生活する社会ではまだ準備が整ったとは言えないようです。

対外国人意識などを研究する早稲田大学の田辺俊介教授によると、日本に住む多くの人々は、外国員居住者が増えることで、治安が悪くなると考えていると言われています。

また、こういった考えは、新たに日本に移住した外国人に対する差別にもつながりっています、

東京に拠点を持ち、教師、学生、NGO組織で働く人々で構成された特定非営利活動法人 反レイシズム情報センター(ARIC)が実施した調査によると、留学生を含む340人中167人の外国人が、差別的言動に苦しんだと訴えているという結果が出ています。

日本のニュースを海外で報じる「the Japan Times」では、日本社会はまだ外国人を受け入れる準備が整っているとは言えず、状況改善のためには、政府による中学・高校の教育システムの改革を進める必要があると提言しています。

同一性を厳しく求める日本の中学・高校

問題の根源は、差別などが当たり前であると考えるような、現在の中学・高校の教育システムにあるようです。

日本の教育システムは、同じ行動や考えを植え付けるものであり、教科書やカリキュラムを通じて、政府は教育に対する強い権限を持っています。

カリキュラムによると、文部科学省は幼稚園から高校卒業までのすべての学年の、教材を管理統括しています。

このような政府による強力な管理を通して、文部科学省は社会的規範に従う従順な学生を育てるようにしています。

日本の教育システムは、個性の形成ではなく、厳格に学力にフォーカスしたものであり、中学になるとは外見や行動についての厳しいルールを持っています。

学生は必ず制服を着用し、厳しい校則に従わなくてはならなくなります。

また、海外に住んで帰国した日本人でさえ、差別の対象になる可能性もあります。

帰国子女を対象に行った調査では、50人中3分の2の回答者が、英語の能力、日本の知識の不足、そして海外での経験のためにいじめられていたと答えています。

この結果は将来日本人が、日本に住む外国人に対しても差別を行う可能性を示唆しているかもしれません。

政府による教育システムの改革が個々の意識が必要

今回のthe Japan Timesの記事では、以下のように総括しています。

外国人の受け入れを推進する政府は、中学、高校における、厳格な規則を軽減し、過度に皆が同じであることを強いるのではなく、多様性を受け入れることを教えるべきであり、自分と違う人々に対する不当な扱いが無くなるべく、教育システムを改革実行に取り掛かる必要があるのです。

以前の記事で紹介した、HSBC実施の駐在員の意識調査でも日本は最下位グループであったように、日本の閉鎖性や教育システムに不満を持つ外国人が多いという結果は出ています。

外国人が見る日本での暮らしやすさは最下位グループ HBSC駐在員意識調査結果

教育システムを変更したとしても、日本全体の意識が変わるまでには時間がかかるでしょう。

まずは、一人ひとりが現在の日本社会における外国人人材の必要性を認識することから始めることで、より良い社会の実現につながるかもしれません。

参照記事
https://mainichi.jp/english/articles/20190904/p2g/00m/0bu/082000c
https://www.japantimes.co.jp/opinion/2019/09/11/commentary/japan-commentary/create-immigrant-friendly-japan-start-education-reform/#.XXvRzCj0nIV