ビジネス成功者に共通する「5Aサイクル」を詳しく読み解く

成功への道

時代を経るごとに加速していく熾烈なビジネスの世界で、成功を掴むにはどうすれば良いでしょうか。

下記リンク記事では、「ビジネスの成功者」が共通して持つ思考の法則について解説していました。
ビジネスゲームに勝つための思考の法則「5Aサイクル」

ここでは、成功者が共通して持つ法則「5Aサイクル」を詳しくかみ砕いて見ていきましょう。

成功者に共通して使う「5Aサイクル」

  1. 顧客が抱える問題の「認知」(Awareness)
  2. 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  3. アイデアのスピーディな「実行」(Action)
  4. 実行結果の「分析」(Analysis)
  5. マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

もしかすると、今のあなたに足りない「何か」が見つかるかもしれません。

「5Aサイクル」の1番目の要素「顧客の悩みを認知する」

成功者、成功する企業に共通する行動規範である「5Aサイクル」。
この各プロセスについてもう少し、詳しく説明しておきましょう。

ビジネスを創りあげる最初のプロセスは、問題と機会の認知(Awareness)です。

あなたがビジネスを創りあげるなら、まず市場機会を発見しなければいけません。
しかし、市場機会は何も、統計データやアンケート調査の中にはないのです。

市場機会を見つけるためには、直接、顧客に会い、どのような問題を抱えているのか、を知ることです。

本当の顧客のニーズは現場にしか存在しません。資料ばかり見て、顧客との一次情報にアクセスしない人に、成功の母は微笑んでくれません。

寺山修司の有名な戯曲に「書を捨てよ、街に出よう」というのがありましたが、まさに市場機会の発見は、街に出ることで得られます。

そして、人々をつぶさに観察し、その心を洞察することから始まります。

ビジネスチャンスは人々の不満の中に隠れている

日本のとある有名化粧品会社は、膨大な顧客からの「不安」「不満」「不便」などさまざまな「不」を集積した商品を開発することで、莫大な利益を生み出しています。

「不」自体はネガティブなものですが、人間というものは、ポジティブなものを増やすよりも、ネガティブなものを解消してくれるものにより多くの価値を感じるものなのです。

顧客の持つ「不」を発見するということは、金脈を発見するようなものです。

もちろん、ビジネスの内容が決まっていないうちは、顧客を定義すらできません。

しかし、そうした場合でも、市場機会を発見することはできます。それは、あなた自身の感じる「不」を発見することです。

あなたの日常生活や、家族や同僚との何気ない会話や風景の中にも市場機会は山ほどあるのです。

自分の感じた「不満」「不安」「不便」を解消して、億万長者になった例は数知れません。

たとえば、米国のとあるビジネスマンは自分自身に起きた面倒事を解決しようとして、北米有数のエンターテイメント配信会社を作り上げました。

そのビジネスマンの波乱万丈の人生に興味を持ったら、こちらの書籍をチェックしてみてください。

書籍「スティーブ・ジョブズ II」のAmazonリンク月日をかけて数十時間にもおよぶインタビューや写真によりその人生を克明に描き出した伝記「スティーブ・ジョブズ II」

また、アメリカがゴールドラッシュに湧いていた19世紀後半、帆船の布を売っていたある男は、金鉱堀りの男たちが作業中に破れない丈夫なズボンを欲しがっていることに気づいて、世界一のジーンズ会社を築きました。

書籍『『501XXは誰が作ったのか? 語られなかったリーバイス・ヒストリー』画像
『501XXは誰が作ったのか? 語られなかったリーバイス・ヒストリー』

チャンスは目の前にあるのですから、まずは、目を見開くことです。
そのためには日常の光景にひそむ問題、顧客の「不」を自分自身で感じ取る観察力、洞察力が必要です。

そして、普段からビジネスの機会を強く、強く意識して行動することです。

認知(Awareness)

市場機会を認知するための確かな目を持ちましょう。
それは、ふとした日常の光景に紛れているため普段から特に強く意識する必要があるのです。

2番目の要素「異なる視点から問題にアプローチする」

顧客や自分自身の「問題」を発見したからといって、その解決案をかんたんに思いつくことはありません。

簡単でリスクの少ない方法があれば、多くの人がすでに実践し、問題は解決されているはずだからです。

だからといって、どうせ皆やっているに違いない、とあきらめないでください。
とても有効な問題解決法が残されているはずです。

それは問題解決のアイデアに、これまでとは「異なるアプローチ」(Approach)を組み合わせるということです。

異なるアプローチとは、これまでに検討されたことのない、異なる視点で、問題を解決し、新しい価値を発想するための手段やアプローチです。

誰もが問題は認識していても有効な解決策がないとあきらめていたところへ、「逆転の発想」「異種のヒント」などを組合せて、イノベーションを起こすのです。

従来は非常識と思われたアプローチも、現在は最新のテクノロジーや情報ネットワークなどを組み合わせることにより、実現可能となりました。

ビジネスの成功は思いがけない異なる視点から生み出される

米国のとある学生は、図書館の本を整理するためのノウハウをまったく別のビジネスに転用して世界有数の情報サービス業を生み出しました。

「図書館の本の整理法」というまったく異なる問題の解決方法を、別の問題解決に応用したのです。

あるアパレルメーカーでは、最新のコンピューター・ネットワークを駆使して、業界の固定観念であった余計な在庫というものをほとんどもたずに世界のグループ店舗5000店で最新のファッションを提供しています。

従来のアパレル業と逆のアプローチで、顧客が「今」欲しがっているデザインを、すぐにつくることのできる画期的なビジネスシステムを築いています。

解決すべき問題が明らかであれば、解決すべき方法もおのずと決まってきます。
ですから、アイデア自体は凡庸なものでも一向に構わないのです。

ポイントは、その「アプローチ」です。
普通のアイデア+非常識なマーケティング、普通のアイデア+非凡なビジネスモデル…。

同じ問題、同じアイデアでも、今までとは異なる視点から見ることができれば、そこに驚くような金脈が眠っていることに気づくはずです。

異なるアプローチ(Approach)

問題が明確になればその解決方法のアイデアを考えます。
しかし、従来のアプローチ法では光明は見えません。
これまでと全く異なる領域にあったアイデアにヒントを得てイノベーションを起こしましょう。

ビジネス成功の3つ目の鍵は「行動を起こすこと」

問題が認識され、それを解決すると思われる方法が思いついたら、次は何をするべきでしょうか? 
そう、「実行」(Action)です。

アイデアができた後に、悠長に市場調査をやっている暇はありません。
どんなに綿密な調査をやっても必ずしも答えは出てこないか
らです。

「実行しなければ、成功も、失敗もしない」とは、ユニクロ創業者、柳井氏の言葉です。本当に有効なデータとは、実行した結果得られたものだけ。

あなたが、より早く成功したいのであれば、極論、より早く失敗することです。

どんなに恵まれた環境と才覚が備わっていたとしても、失敗せずに、ストレートに成功することはできないのです。

逆に、失敗することで、成功に近づくための重要な示唆が得られます。

ユニークなサイクロン方式の掃除機で家電業界に革命を起こしたダイソン氏も、「成功の99%は失敗から。ミスを重ねるほど成功に近づける」と言っているくらいです。

サイクロン氏の波乱万丈な人生に興味のある方は下記の書籍をぜひ読んでみてください。
サイクロン式掃除機の発明者サイクロン氏の失敗続きの果てに掴んだ成功の物語書籍「逆風野郎ダイソン成功物語」

だからこそ「スピード」が重要。

結果がどう出るにせよ、誰よりも早く実行すること。
「スピード」は成功の母がもっとも好きな言葉です。

実際には事前の調査結果がかんばしくないと、実行されずに捨てられるアイデアも山ほどあります。

投資規模が大きいと、どうしても保守的な判断が頭をもたげてくるものです。
社運をかけて投資するようなビジネスで失敗は許されないため、なおさらです。

だからこそ、トライしたいのが、「小さな実験」です。
「小さな実験」はテストマーケティングとも呼ばれています

世界有数のコンピューター企業は、新製品の事前調査で失敗確実とされたプロジェクトを、小さなテスト販売を皮切りに、大成功させました。

日本を代表する宿泊予約サイトは、本当にホテルの予約がネットで入るのかを事前にヤフオクで試してからサービス開始に踏み切りました。

どちらも、「小さな実験」で得られた結果をもとに、さらに大きな賭けに出て成功したのです。

「最初からうまくやろう」と考えるから、うまくいかないのです。
許されない失敗ではなく、許される失敗、許容できる失敗を何度も試してみることです。

具体的には、試作品の制作、無料サンプルの配布、規模を小さくした販売実験、など「小さな実験」の手法はさまざまです。

そして、この小さな実験の結果得られる「生きた数字」を次のプロセスで活かします。

5Aサイクルに欠かせない要素「分析」

成功する人や企業に共通する行動様式「5Aサイクル」の4番目の要素は、「分析」です。

何事も、的確な分析なくして物事を改善していくことはできません。
ここでは、ビジネスの成果をぐんぐん上げていける分析の手法について紹介しています。

実行(Action)

ロケットスタートできれば、大きな強みになります。
あまり悩まず、誰よりも早く行動しましょう。
実行結果が失敗であってもそこから得られるデータの有益性は何にも勝ります。
リスクが高ければ許容可能な範囲で、小さな実験をしましょう。綿密な戦略よりも市場の反応は正確です。

成果を上げるために実行結果を分析する

分析(Analysis)で重要なのは、自分の仮説や想定した結果と実行結果の違いに着目することです。

実行結果が思いもよらぬ低い数字、低い効果、低い反響になることは少なくありません。

それ自体は、さほど驚く必要もないし絶望すべきものではありません。
重要なのは「想定していなかったもの」がどれだけ発見できたのかということです。

普通の人は一回目で成功するほうが、嬉しいかもしれませんが、逆に言えば貴重なデータが得られるチャンスが減るともいえます。

成功のためのデータは失敗からしか得られません。

ビギナーズラックで成功した人が長続きしないのは、よくある話です。
一方で、下積みの長い人は、成功した後、安定する傾向があります。

例えば、販売実験の結果はひどいものだったが、想定外の客層から熱狂的に支持された、想定外の反応や意見が相次いだ、などは大変貴重なデータです。

これらは、実行によって得られる一番の果実であり、ダイヤの原石といえます。

試行錯誤から生まれたデータは重要です。
しかし、そのデータの見方はもっと重要です。

単なる数字の塊からメッセージは出てきません。
商品の1つ1つ、販売店の1つ1つ、顧客の1人1人の定性的なデータをピックアップしていきましょう

書籍『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』

自分なりに仮説を立てながら、分析しないと大事な顧客のメッセージ(声なき声)を見失うことになります。

分析=統計解析と誤解している向きもありますが、問題の本質に到達するためには、こうした地道な定性的な分析が不可欠です。

分析(Analysis)

実行あるいは実験結果はどうだったでしょうか?
あなたの立てた仮設は正しそうでしょうか?
統計データや集計の数字からだけでは本質はよく見えてきません。
仮説を立て想定した数字と合っているか、数字の向こうに見える顧客の声を拾うことで、仮説を真実に近づけることができます。

5番目の要素は「顧客のニーズを見極め環境に適応する」こと

分析結果によって、進むべき方向性は当然ながら、修正されるでしょう。

修正の規模は、期待と結果の差異によってさまざまでしょう。細かな商品設計や販売方法の見直しで済めばOK。

しかし、場合によっては、主力事業自体を根本から見直す必要も出てくるかもしれません。

想定したとおりに進められるビジネスなんて、ほとんどないはずです。

だからこそ、環境に対して柔軟に「適応」(Adjustment)していくことが必要です。
顧客のニーズに合わせて、自分自身、そして提供するサービスも、変えなければいけない。

本来持っている理念やビジョンを大事にしながらも、スピーディに、大胆に自らを進化させるのです。
変えてよいところ、変えてはいけないところの境界線をよく理解していることが大事ですね。

ある大手のメーカーは、自らの業界がデジタル化によって斜陽になるのを見越して、一番の主力事業から撤退してしまいました。

社名に刻まれるような事業から撤退するというのは、古株の社員ほど激しく抵抗するはずです。

しかし、勇気ある撤退、そして経営資源を新しい分野に向けて変身することができたのです。

一方、同時期に栄華を誇っていたライバルは、その後倒産しました。
環境変化に追いつかなかった恐竜が滅びたように、適応スピードが遅いと命取りになることもあります。

市場が望む方向へ自らを適応させること、その勇気が必要です。

適応(Adjustment)

市場が求めるものが変われば、あなた自身も変わる必要があります。
時には自分自身を否定しながらも柔軟にその時々に適応した形に変化できることが生き残りの唯一の方法です。

参考図書