みるみる値下がりする商品の売り方 | 思考の法則トレーニング⑪

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ありとあらゆる種類のサービスやアイデアが、すでに市場に出回ってしまったように見える時代に、どうすれば新しい何かを見出し、ビジネスで成功を掴むことができるでしょうか。

答えは、成功者が自然と行っている「5Aサイクル」の中に見つかるかもしれません。

成功者に共通するビジネスプロセス「5Aサイクル」

  1. 顧客が抱える問題の「認知」(Awareness)
  2. 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  3. アイデアのスピーディな「実行」(Action)
  4. 実行結果の「分析」(Analysis)
  5. マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

このシリーズでは、最初に2択の質問を出し、その後に解答と解説をしていきます。

みるみる値下がりする商品の売り方

中古車店を経営しているあなた。業者オークションで買った車を展示場に並べて売っているが、どうしても売れないものが残る。
売れない車は、どんどん値段を下げていかないと売れない。
時には逆ザヤになる場合もある。
最初から、売れる車だけを仕入れることはできないだろうか?
値下げ商品のイメージ画

ここで質問です。
あなたはどちらを選ぶでしょうか。

質問

A 人気の車をなるべく仕入れるなどの工夫を。
一定期間売れなければ、なるべく早くディスカウントして、不良在庫を持たないように処分すべきだ。
B 確実に取引が成立するのは業者オークション。オークションで販売できるように、逆に、その価格より安く仕入れる。

中古車は生鮮食料品のように値下がりする

テレビで「あなたの車を買います!」「バイクを売ってください!」というCMを目にしない日はありませんよね。

でも、普通に考えると、中古車は販売しなければビジネスにならないのでは・・・と思いますよね。
なぜ、買取専門が成立するのでしょうか?

典型的な中古車屋さんをイメージしてみてください。オークションで人気の車を競り落とし、キレイにメンテナンス、洗車して、展示場に並べる。

幸運にも買い手がつけば、売値と仕入れ値の差額が利益として懐に入ります。

しかし、売れなければ、値段を下げ、プライスカードを派手に演出し、あるいは知り合いに手当たり次第に連絡をして車が欲しくないか聞いてみることになります。

下手すると、仕入れ値よりも安い金額で売らなければいけません。

これはたしかに、売れ残った車の処理方法としては間違いではないかもしれませんが、採算割れになる中古車販売という問題に対して抜本的な解決になりません。

中古車ビジネスの一番の問題点は「中古車は生鮮食料品のようなもの」だということです。

食料品のように腐るわけではないですが、売るまでの時間がたつほど売るのが難しくなるという特徴があります。

一定以上の時間経過すると、販売すらできなくなることもあるでしょう。

中古車を「売る」から「買う」へ逆転の発想

この問題を「逆転的アプローチ」によって解決したのが中古車買取専門というビジネスモデルです。

中古車買取専門としてはアップル(コンピュータのアップルと別の会社です)やガリバーが知られています。

彼らは、一般利用者を「販売先」ではなく「仕入れ元」と考えました。
そして、業者オークションを「仕入れ」ではなく、「販売」の場ととらえたのです。
業者で仕入れて、一般客に販売の流れとまったく逆のビジネスをやったのです。

利用者相手の販売では前述のように時間経過によるリスクがありますが、業者オークションであれば、相場近辺の金額で確実にさばくことができます(生鮮食料品のような値下がりリスクを回避できる)。

商売のポイントは、いかにオークション相場よりも安い金額で大量に一般客から仕入れるかどうかです。

だから、テレビコマーシャルで大々的に「買い取ります!」と宣伝しているわけですね。

販売できる見通しが確実であれば、直前に同じ車種を仕入れられれば、販売価格との差額はそれほど大きくとる必要はありません。

中古車屋にとっては、時間経過や販売できないかもしれないというリスクを取り除くことができ、車を手放すオーナーにとっては、時間経過リスクがない分、高く買い取ってもらうことができます。
まさに、Win-Win 状態!

実際に、このビジネスモデルは大成功し、今ではいろんな品目で「中古買取専門」というビジネスが生まれています。

販売見込みが確実で、在庫を長期にかかえることも不要になったのだから、買取=利益の確保となります。

これが「買取専門」の宣伝を毎日のように私たちが目にする理由なのです。

あなたのビジネスに逆転のアプローチを加えてみよう

物事の抜本的な解決を行うときに逆転のアプローチ、業界慣習の逆を行くというアプローチは非常に効果的です。

筆者の新規事業の発想セミナーでは、かならず参加者に「自分の会社や業界で、当たり前、とされている固定観念や慣習」をあげてもらっています。

その上で、まったく逆のアプローチが成立しないか、考えてもらうようにしています

まずは、現在の業界慣習や仕事の流れを思い起こしてください。

そして、ビジネスモデルを描いて、その逆が成立しないかを考えてみてください。

例えば、営業の手間が大変なら、こちらから出向くのではなく顧客に来てもらうことはできないでしょうか?
多くのオンラインビジネスは営業店や営業マンを持たずに、LPサイトやSEO対策などで、顧客のほうから「問い合わせ」をもらってビジネスを行なっています。

また、営業時間を昼夜逆転してみるというのはどうでしょうか?
例えば、シンガポールのナイトサファリは、営業時間が夜7時過ぎから深夜0時までとなっています。

このナイトサファリ、世界初の夜行性動物のための動物園として、1994年に設立されました。

園内には約130種類、1,000頭を越える夜行性の動物たちがいます。
昼間の動物園では、猛獣もぼーっとしているものですが、ここでは夜行性動物ならではの生き生きとした生態が見られるとあって大人気です。

あるいは、品揃えを増やすのではなく、最小限の品目数に絞れないでしょうか?

一般的には品揃えは多いほうが顧客満足度は高いと信じられていますが、人間は選択肢が多すぎると何も購入しないという傾向があると言います。

そのため、一部の百貨店やディスカウントストアでは、あえて「オススメ商品ですよ」ということをアピールして、1品を大量展示して販売に結びつけているところもあります。

ITアプリ業界では、複製コスト、提供コストが非常に安く済むために、成果に応じて成功報酬が課金されるモデルが普及しています(LINEなど)。
これも「従来の納品時に支払い→提供は無料で成功報酬を後からもらう」という逆転の発想の1つです。

アプリ内課金とは、スマートホンや携帯電話で利用するアプリケーションソフトにおいて、コンテンツや各種サービス、追加機能などに課金する仕組み。
ゲーム中で用いるアイテム購入の場合はアイテム課金ともいう。
引用:コトバンク

問題となる対象が動かせないものであれば、別のものを動かすほかありません。

中古車買取の生まれた背景には、中古車の販売価格が時間とともに低下していく事象は誰も変えることができない、という前提があったので、ほかの要素を組み替えて、アプローチ方向を変えたのです。

このように、アイデアを思いついたら、それを実行し成功させるためのキーファクターが何になるのか、を考えます。

先の中古車買取の例でいえば、いかにオークション相場よりも安い金額で、安定的に一般客から中古車を買い取れるか、ということが成功のキーファクターです。

そのため、リアルタイムの相場情報と連動したスピーディな買取査定システムが必要になるはずです。

当然ながら、これらをつなぐテクノロジー、システム構築も重要となってきます。

あなたは、業界慣習や固定観念にとらわれずに「逆」を行くことができますか?

金融相場でも、常に勝てる人は、周囲が見放したものを買い集め、相場が熱くなると売ってしまうような人です。

もちろん、他人の逆を行くのには、多少の勇気が必要です。

しかし、だからこそまだ、未開拓の利益が眠っているのです。それを信じて、ぜひ最初の一歩を踏み出してください。

ビジネス構想力のヒント

自分をとりまく固定観念、業界慣習を考え、今のやり方に対して「逆」のアプローチを考えてみませんか?
逆転の発想は、最初は奇異に映るかもしれないし、周囲は嘲笑するかもしれません。
しかし、皆が反対すればするほど、実は大きな利益の期待できる未開のマーケットが残されている可能性が高いのです。

ビジネスに役立つキーワード「逆設定法」

ビジネスキーワード・逆設定法図