素人にまかせても大丈夫? | 思考の法則トレーニング⑥

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あなたのビジネスにとって最も大切なものは何でしょうか?
成功者の共通項目「5Aサイクル」で成功するために必要不可欠なもの | 成功者の法則

このシリーズでは、最初に2択の質問を出し、その後に解答と解説をしていきます。
このシリーズを読んでいくうちに、あなたのビジネスが求め続けている「何か」を見つけられるかもしれません。

素人にまかせても大丈夫?

仲間と会社を立ち上げたが、アイデアをかたちにするためには3カ月以内にプログラムを作らなければならない。
しかし、自分には経験も知識もない。ほかにやる人もいない。
外注する予算はもはや残っていない。
ほかの創業メンバーは、「おまえやってみろよ」と言ってくれているが・・・。
外注化をパーツに見立てた図

ここで質問です。
あなたはどちらを選ぶでしょうか。

質問

A しっかりプロに任せるべきだろう。
 そのために予算が足りなければ、まずは予算確保から。焦って作ってもうまくいかない。
B どれだけやれるかわからないが、挑戦してみる。
 内製できれば独自のノウハウになるし、実現させれば自分の大きな自信にもなるだろう。

素人集団の非常識な成功

あなたは、今まで経験のないことで成功するのは現実的でないと考えますか?
それとも成功と経験値の関係よりも、もっと重要な要因があると信じますか?

シチュエーションによるでしょうが、これから新しいビジネスをやろうとする人々が「経験がない」なんてことを気にしていたら、何一つ成し遂げられませんよね。

だって、過去を振り返ってみれば、大きな成功を成し遂げた人々の多くが、素人集団ですから。

経験不足であっても、むしろ中途半端な固定観念や先入観がないために、うまくいったという例は実に多いんです。

私の古巣のリクルートもまさに素人集団でした。
私が入社した時期はちょうど、リクルートが新規事業として通信とコンピュータの事業を始めたところでした。

それまで、就職情報や住宅情報といった情報誌ビジネス一色だったリクルートで、新米女子社員を含む素人集団が、企業のネットワークやコンピューターサービスを売りさばいたのです。

マスコミでは「女の子がアイスクリームを売るように通信回線を売っている」と言われたものです。

リクルートでは昔から新規事情提案制度が根付いていて、全社員がいろんなアイデアを持ち寄り、事業化してきました。
新しい事業は、多くの場合は誰もが素人です。

素人は、怖いもの知らずで、業界の古い慣習もお構いなしです。
私は素人であり続けるというのは、ビジネスを生み出す上で大事な素養だと確認しています

中途半端な経験は、実行する前から物事を否定したり、成長を阻害してしまいます。

リクルートの社是は「自らを機会を作り出し、機会をもって、自らを変えよ」でした。

素人プログラマが年商1460億の礎を築いた

楽天も、1997年に三木谷氏を含めた数人の素人集団が始めたベンチャー企業でした。

当時の会社名はエムディーエム。
彼らは100以上におよぶビジネスの可能性を検討した結果、当時まだ普及していなかった「誰でも使えるネットショップ構築・運営ツールをつくろう」となったのです。

3カ月後のサービス開始を目指してプロジェクトはスタートしました。

しかし、システム開発担当となった本城愼之介氏(元副社長)は、実はプログラムを組んだことすらなかったといいます。
ズブの素人プログラマーだった本城氏は『初めてのSQL』という本を片手に悪戦苦闘。
内心「無理だ」となんどもあきらめかけながらも、ついに期限までに、楽天市場のプラットフォームを作り上げたのです。

楽天はその後順調に売り上げを伸ばしていき、2018年度の年商は初の1兆円超え。
その基礎を築いたのは、素人だけど最後までやりきったプロ魂といえるでしょう。

大事な根幹部分を他人まかせにしない

素人が始めたとはいえ、実は、楽天が最初の開発から自前でやった意義はとても大きいのです。
たとえば、ITの聖地、シリコンバレーで外注を使ってシステムを運営しているベンチャー企業がどれだけあるでしょうか?

ほとんど、ありませんよね。

たしかに外注は安心できる面もあります。
しかし、自らのビジネスに必要なプログラムはずっとメンテナンスしなければならず、その更新スピードの速さや絶えまぬシステム改善が生命線。

外部に発注すればずっとコストがかかり、スピードやノウハウを他人に依存してしまいます。
これは長期的に見れば、大きなリスクです。

何も、内製化をオススメしているわけではありませんよ。

ビジネスのコア・コンピタンスになる部分を他人にまかせてはいけないということです。
面倒なものはアウトソーシングが流行りの世の中ですが、コアな部分はかならず自分たちで磨き上げなければいけません。

書籍『コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略』画像『コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略』

アウトソーシングの組み合わせだけで、ビジネスができるなら自分の存在価値がありませんからね。

このケースでは、オンラインショッピングのプログラム開発というのは、ビジネスの根幹中の根幹です。
宣伝用の広告作成だったら、外注でもいいのかもしれません。

しかし、コア・コンピタンスは、ほかのライバルに負けないための優位性の核となる部分。
楽天にかかわらずオンラインビジネスを行なう事業者にとって、エンジニアリング関連のノウハウはコア中のコア部分。
自分たちのノウハウを磨き、蓄積しなければいけません。

絶対に、そこを他人に依存しては生きていけないのです。

プロとは経験量ではなく、コミットメントできるかどうか

ド素人なのにプログラムを完成させた楽天の本城氏の努力は大したものです。

楽天では、このような仕事で成果を出すためのプロ意識を非常に重視しています。
楽天の三木谷氏によれば、人間には2つのタイプしかいない、といいます。

1つは、’BEST EFFORT BASIS‘ 最善を尽くす、といえば聞こえがいいですが、つまるところ現状に満足し、ここまでやったからと自分自身に言い訳する人間。

これは、ちょっと耳が痛い話ですね。

そして、もう1つは、GET THINGS DONE つまり様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する人間。

一言でいえば、結果を出す人。

楽天では、一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要で、それができる人こそが「プロ」であるとしています。

本城氏はプログラマーとしてはアマチュアだったかもしれません。
しかし、ビジネスマンとしては、れっきとしたプロフェッショナルだったのです。

結果を求められる=コミットメント

少し前の話になりますが、潰れかけていた日産にカルロス・ゴーン氏がきたときにも、自分も含めた様々な責任者にプロ意識を求めました。
ゴーン氏は管理職に「コミットメント」を求めたのです。

経済学においてコミットメント(commitment)とは、その行動しかとれないようにするような実効性のある仕組みをつくることを意味する[1]。つまり、単なる口約束ではなく「自分の行動を縛る具体的な仕組み」をつくらなければコミットメントではない。
引用:https://ja.wikipedia.org/?curid=2981648

「コミットメント」とは単なるお題目としての目標ではなく「必達目標」です。
達成できなければ責任をとる、それが約束できなければ、去る。
厳しいようですがプロフェッショナルの世界とはそういうものです。

しかし当初は、この意味がわからない管理職が多かったといいます。また、もし達成できなかったら困るから、むやみに約束しないという姿勢の人も多かったでしょう。

しかし、ビジネスの世界はレベルが高くなればなるほど、結果しか見られません。
プロと呼ばれるのは結果を出す人のことであって、過程の努力は関係ありません

もし、あなたが今でも、何かができなかった言い訳を並べているようであれば、即刻、そのアマチュア意識は修正すべきです。

あなたは「最善を尽くす」タイプですか?
それとも「結果を出すタイプですか?

ビジネス構想力のヒント

  • 経験豊富であれば成功するというのは、誤った考え方です。むしろ、素人集団ほど固定観念にしばられない自由な発想で、イノベーションを起こすことができます
  • 重要なのは経験値や実績など過去の資産ではありません。プロであれば、未来への約束ができるかどうかが問われるのです

プロフェッショナルとアマチュアの違い

プロフェッショナルとアマチュアの違い図

ビジネスで成功するには

  • 新しいビジネスを始める際に「経験がない」ことを気にしていたら何一つ成し遂げられない
  • ビジネスのコア・コンピタンスになる部分を他人にまかせない
  • 様々な手段をこらして何が何でも目標を達成すること