持続可能な世界を実現するための「SDGs」への企業の取組み

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SDGsという概念は世界的に注目が高まっている取り組みです。日本でも国や地方自治体によって取り組みが行われており、企業でも取り組みが進んでいます。
今回の記事ではSDGsについて、その内容や先進的に取り組んでいる企業に関してご紹介していきます。

SDGsとは?

SDGsについて

SDGs(エス・ディー・ジーズ)は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年の国連総会にて全会一致で可決された『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』によって定められた世界共通の目標です。

2030年の達成を目標に、国連に加盟している193の国や企業・民間団体などあらゆる機関が連携して地球上に存在する様々な問題を解決し、持続可能な世界を実現するために設定されました。

SDGsが提唱された背景

SDGsが提唱された背景には、20世紀に人類が物質的な豊かさを求めて環境保護よりも経済発展を優先してきた反省があります。

先進国では第二次世界大戦以降、物質的な豊かさを求めて乱開発や環境破壊に繋がる開発行為を容認してきました。その結果、大気汚染、砂漠化の進行や水質汚濁、気温の上昇など地球環境に深刻な問題を抱えることになりました。

環境問題には世界の国々が協力して取り組む必要があるため、1992年にはブラジル・リオデジャネイロで行われた国際連合会議で「環境と開発に関するリオ宣言」が採択されました。
そして「リオ宣言」を機にSDGsでも使われている「持続可能性」という概念が普及するようになりました。

リオ宣言から8年後の2000年にはSDGsの前身であるミレニアム開発目標MDGs(Millennium Development Goals)が制定されました。
MDGsは2015年を目標として、主に開発途上国の貧困・教育・健康・環境などの問題を解決するための17のゴールと164が掲げられ、国連加盟国が協力して問題解決に向けた取り組みを行うことが採択されました。

MDGsの期限となる2015年には、開発途上国だけでなく先進国も含めた「持続可能」な社会を作るための目標設定が行われることになりました。これがSDGsです。

SDGsがこれまでの目標と違う点は、目標達成に向けた取り組みに先進国も取り組み、政府機関だけでなく企業や民間団体など、社会に関わる全ての人や団体が主体的に取り組むための目標を掲げている点です。

SDGsは「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」を理念としており、環境問題だけでなく貧困や教育、ジェンダーの問題なども包含しています。

開発途上国だけでなく先進国でも取り組みが必要な課題も含まれており、17のゴールと164のターゲットの達成を通して、世界のすべての人や地域が持続できる環境を作ることがSDGsの究極の目的です。

SGDsが目指すべき到達地点

大気汚染や気温上昇などの環境問題、貧困・教育・健康などの社会問題を、SGDsの「17のゴール」を達成していくことによって解決していき「持続可能」でクリーンな環境、住みよい社会に地球規模で変えていくこと。

SDGsで掲げられている17のゴール

SDGsは17のゴールと164のターゲットによって構成されています。17のゴールは以下の通りです。

SDGsで掲げられている17のゴール

    【1:貧困をなくそう】
    あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

    【2:飢餓をゼロに】
    飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

    【3:すべての人に健康と福祉を】
    あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

    【4:質の高い教育をみんなに】
    すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

    【5:ジェンダー平等を実現しよう】
    ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

    【6:安全な水とトイレを世界中に】
    すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

    【7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに】
    すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

    【8:働きがいも経済成長も】
    すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

    【9:産業と技術革新の基盤をつくろう】
    強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

    【10:人や国の不平等をなくそう】
    国内および国家間の格差を是正する

    【11:住み続けられるまちづくりを】
    都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

    【12:つくる責任つかう責任】
    持続可能な消費と生産のパターンを確保する

    【13:気候変動に具体的な対策を】
    気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

    【14:海の豊かさを守ろう】
    海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

    【15:陸の豊かさも守ろう】
    陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

    【16:平和と公正をすべての人に】
    持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

    【17:パートナーシップで目標を達成しよう】
    持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

この17の目標を達成するために、日本でも国を挙げて対策を行うことが決定されました。

国や地方自治体のSDGsに対する取り組み

国や地方自治体がSDGsに取り組む必要性

SDGsは世界共通の目標なので、国連加盟国である日本でもSDGsに対する取り組みを積極的に行なっています。しかし、例えば「安全な水とトイレを世界中に」という目標はほぼ全国の水道インフラが整っている日本ではあまり馴染みがありません。

一方で日本は、今後も世界全体の人口は増える傾向にあるものの先進国に特有の「人口減少」問題を抱えています。人口が減少すると労働力は減少します。今までの労働集約型の産業構造ではこれ以上の経済成長は見込めなくなり、高齢化の進行に伴い社会保障費の増加によって次の社会を担う世代への投資が減少します。

また地方では過疎化や農林業、地場産業の担い手不足が進行しており、地域社会の持続可能性を向上させることが至上命題となっています

このような課題を解決し、国や地方自治体の持続可能性を高めるためにもSDGsに積極的に取り組むことが有効だと考えられています。

国の取り組み

日本では国を挙げてSDGsに取り組む体制を構築するために、2016年に「SDGs推進本部」が設置されました。これは内閣総理大臣が本部長、官房長官と外務大臣が副本部長を勤め、他の全ての国務大臣が構成メンバーになることで、政府一丸となってSDGsの達成に向けた政策を実行する体制を作りました。

これによって全ての省庁は職務範囲の中でSDGsを達成するための方針を定め、政策を実施する環境が整いました。

地方自治体の取り組み

地方でも内閣府が選定した「SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業」によって、SDGsを切り口として地域課題を解決する取り組みを始めている自治体が存在しています。

例えば「SDGs未来都市」のモデル事業に採択された岐阜県ではSDGsを軸とした政策を立案し、県が行う公共事業の達成目標にSDGsのゴールやターゲットを取り入れています。

企業がSDGsに取り組む必要性

どのように企業はSDGsと向き合うか

国を挙げて行なっているSDGsの達成には企業の主体的な取り組みが欠かせません。日本では日本経済団体連合会(経団連)が2017年に行動企業憲章を改定し、「Society 5.0の実現を通じたSDGsの達成を柱として企業行動憲章を改定する」と宣言しました。また行動憲章のサブタイトルを「持続可能な社会の実現のために」とすることで、経団連加盟企業に対してSDGsの推進を強く促しています。

企業規模に関わらずSDGsに取り組むことは、社会の潮流といえるので、今後はより多くの企業でSDGsに取り組む必要性が出てくるでしょう。そこで、企業とSDGsの関係性についてご紹介していきます。

CSRとSDGsの違い

企業の多くはこれまで「CSR(corporate social responsibility : 企業の社会的責任)」という概念で社会貢献活動を行ってきました。CSRとは、倫理的な観点からボランティアや慈善活動への投資を行う活動で、本来の事業と関連性のない活動でも「社会貢献」という切り口から企業の持つ資源を投入する活動です。例えば企業が地元の学校に備品を寄贈することや、ゴミ拾いを行うのはCSRの最も分かりやすい事例です。

これに対してSDGsは企業活動を通して目標を達成することが重要だとされています。つまり事業活動によって得た利益を社会に還元するのがCSRで、社会的価値と経済的価値を向上させるように事業を改善していくのがSDGsといえるでしょう。

SDGsに取り組むメリット

企業がSDGsに取り組む最も大きなメリットは「企業価値の向上」です。成熟した社会では雇用の創出や利益の追求だけでなく、社会への貢献も企業の役割として求められるようになりました。

SDGsを目指した事業活動に取り組むことはステークホルダー(顧客・取引先・従業員・地域など)からの評価に繋がり、企業のイメージが向上します。企業イメージの向上は企業価値の向上につながり、ひいては企業が地域や社会で持続するための評価に繋がります。

SDGsは大手企業だけの取り組みか?

SDGsは大手企業だけではなく、中小企業やベンチャー企業も積極的に取り組むべき目標です。SDGsを推進している企業とのパートナーシップを構築しやすくなり、新たなビジネスチャンスの創出に繋がります。

また、近年は投資家の間でESG(社会的責任)投資という概念が普及しつつあるため、資金調達を行う場合にも有利に働きます

それでは、実際の企業がどのようにSDGsに取り組んでいるのかをご紹介していきましょう。

先進的にSDGsに取り組んでいる企業とその事例

ANAホールディングス株式会社

ANAホールディングスはESG経営とSDGsへの貢献を通して社会的価値と経済的価値の両立を目指しています。航空会社はICAO(国際民間航空機関)で2021年以降は国際線の二酸化炭素排出量の排出量を増加させないことを採択しており、SDGsに対応した企業経営を迫られています。

この流れを受けて省資源機材の導入やバイオジェット燃料の開発、ダイバーシティに対応した設備やサービスの創出により企業価値を高めつつSDGsに対応した企業経営を実現しています。

ダイキン工業株式会社

空調設備のメーカーであるダイキン工業は事業を通してSDGsを達成するために

  • 地球に対する価値創造
  • 都市に対する価値創造
  • 人に対する価値創造

の3つのテーマで取り組みを行っています。

例えば、「地球に対する価値創造」では「環境負荷を低減する製品・サービスの開発と普及促進」と「冷媒の環境負荷低減」を掲げており、オゾン層の保護や温暖化抑制に繋がる製品・サービスの開発を通して利益の創出とSDGsの達成に向けて取り組んでいます

パタゴニア日本支社

アウトドアブランドのメーカーであるパタゴニアは「環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える」を理念に掲げて企業活動を展開しており、2017年の「Sustainability Leaders」で2位に選ばれました。そのパタゴニアの日本支社では

  • 消費の在り方
  • 自然保護
  • 農業の在り方
  • エネルギー転換

の4つの領域でSDGsの活動を展開しています。
消費の在り方については、国内で販売されるアパレルの新商品の約半数が廃棄され、購入された商品も短期間で使用されなくなることに対してキャンペーンを行っています。

「WORN WEAR®:新品よりもずっといい」というキャンペーンは修理や再利用によってパタゴニア製品を長く使い、また、修理が不可能になった場合にはリサイクルを推奨するキャンペーンで、このような取り組みを通してSDGsの達成を目指しています。

株式会社ユーグレナ

ユーグレナは東京大学発のベンチャー企業で、世界で初めてミドリムシの培養に成功した企業です。現在は健康食品や化粧品に利用されていますが、ミドリムシを活用した航空機用のバイオ燃料の実用化を通して持続可能な社会の実現を目指しています。

バイオ燃料は生産のための環境負荷が低く、二酸化炭素の排出総量を増やさないことから注目されており、既に海外では商用利用が進んでいます。しかし日本では実用化されていないため、ユーグレナと大手航空会社が実用に向けた検証を進めています。

株式会社ワンプラネット・カフェ

ワンプラネット・カフェは、SDGsの達成を目的として設立されたベンチャー企業です。アフリカのバナナ農家から廃棄されたバナナの茎を買い取り、バナナペーパーを現地で作成することで雇用を生み出しています。また、ソーラーランプの普及、マラリア予防のための教育などを通して現地の暮らしを支えています。

国内では、バナナペーパーの普及を通してエシカル消費(利用することで社会貢献に繋がる消費)を啓発し、SDGsに関心のある企業への講演やSDGs先進地域の視察ツアーも行っています。

SDGsは社会だけでなく、企業の持続可能性も向上させる

SDGsに取り組む企業は企業価値を向上させて新しいビジネスチャンスを創出しています。こうした時代の流れに沿った取り組みによって企業の持続可能性を向上させることも可能です。

SDGsは今後の社会において一般的な概念になると予想されます。このタイミングでSDGsを企業に取り入れることができるかで、数十年後に企業が存続できるかどうかが決まると言っても過言ではないでしょう。