ハローワークで雇用保険を受給するために必要な書類と認定のポイント

失業後に雇用保険で受給する基本手当とは

失業とは

雇用保険でいう失業とは「働こうという意志と能力があるのに、仕事に就けないでいる状態」のことです。

自分の都合で退職して他の仕事を探している場合や、自分の働く意思に反して勤務先の会社が倒産して働き口が急になくなってしまった場合など、失業の理由にはいろいろなものがあります。

いずれにしても、失業すると、多くの人の場合には収入の心配が出てきます。

雇用保険の概要

雇用保険は政府管掌の強制保険で、労働者を雇用する事業に適用されます。

ただし、事業や規模によっては任意適用の事業所もあります。

また、65歳に達した日以後新たに雇用されている人、4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用されている人などは適用除外です.

すべての労働者が必ずしも雇用保険の被保険者であるとは限りません。

雇用保険は雇用に関して総括的な機能をもつ保険で、失業等給付と雇用保険二事業と呼ばれるものに分けることができます。

この二者のうち、失業したときに関わることが多いのが失業等給付の中にある求職者給付です。

求職者給付は「一般被保険者に対するもの」、「高年齢被保険者に対するもの」、「短期雇用特例被保険者に対するもの」、「日雇い労働被保険者に対するもの」の4つに分類されます。この4つの被保険者の内訳は以下の通りです。

1)一般被保険者

適用事業に雇用される人

2)高年齢継続被保険者

同一の事業主の適用事業に65歳に達する以前から引き続いて雇用されている人

3)短期雇用特例被保険者

季節的に雇用される者または短期の雇用に就くことを常態とする人

4)日雇労働被保険者

被保険者である日雇労働者で、日々雇用される労働者または、30日以内の期間を決めて雇用される人

また、雇用保険の被保険者になるためには必要な要件があります。

原則として、勤務開始から31日以上雇用される見込みがあること、雇用契約上の週の所定労働時間が20時間以上(残業時間や休憩時間は含みません)あることが必要です。

失業して雇用保険を受給するためには、雇用保険の被保険者であったことが必要ですから、まずは、自分が雇用保険の被保険者になっていたかどうかを確認してください。

雇用保険の保険料は事業主と労働者がそれぞれ負担しますから、給与明細などに「雇用保険料」として支払いがあるかどうか確認してみるのが簡単です。

基本手当(失業手当)のしくみ

雇用保険で受給する基本手当(いわゆる失業手当)は、失業等給付の中心的な存在です。

基本手当は求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を行いやすくすることを目的に、被保険者だった人が離職した場合で「働く意思と能力があって、求職活動を行っている状態なのに就職できない」時に支給されます。

基本手当は、受給資格に係る離職の日の年齢、雇用保険の被保険者であった期間と離職の理由などによって、90日~360日の間で給付日数が決められます。

なお、基本手当を受給するためには、離職前の2年間に被保険者期間が12ヵ月以上(倒産・解雇等の理由により離職した場合には離職前の1年間に被保険者期間が6ヵ月以上でも可)必要です。

ただし、被保険者であった期間のうち、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を被保険者期間1ヵ月として計算に入れますので、それ未満の日数の月は計算に入れられません。

基本手当を受給するまでの流れ

1)離職

自己都合退職や定年退職や解雇などで、事業主との雇用関係がなくなります。

在職中に「雇用保険被保険者証」の有無を確認しておきましょう。

事業所からハローワークに提出する離職証明書には離職前に労働者本人が自筆での署名か記名押印することになっていますので、記載されている離職理由の確認も行ってください。

2)離職票をもらう

離職してからしばらくすると離職した事業所等(社会保険労務士事務所に委託している場合もあります)から離職票を受け取ります。

3)ハローワークへ行く

基本手当を受給したい人自身がハローワークで手続きを行います。

この手続きの時に、求職の申し込みと受給資格の決定がされます。

持参した書類などで受給資格の確認と決定が行われますので、書類を忘れないでください。

4)雇用保険説明会

受給資格者証など必要な書類を受け取ります。基本手当の受給手続きの進め方と就職活動についての説明がありますので参加してください。

5)待期期間

特定受給資格者(会社都合での失業)の場合、受給手続きを開始した日から7日間の待期期間があります。

自己都合での離職などの場合には7日間の待期期間の後に3ヵ月の給付制限期間(基本手当支給無し)があります。

いずれの場合にも、待期期間の7日間に何らかの仕事をすると待期期間とは認められなくなり、再度、7日間の経過を待つことになります。

6)失業の認定

4週に1回(原則)失業認定申告書を提出します。就労したかどうか、求職活動をしたかどうかの確認を受けて、失業の認定が行われます。

失業の認定日にはルールがあり、自分の失業認定日は「○型□曜日」のように指定されます。

ちなみに、離職票をハローワークに持参して求職の申し込みと受給資格の決定をされた曜日と基本的に同じ曜日になります。

職業訓練の日程などの都合で曜日の希望がある場合などには、ハローワークに初回の手続きに行く曜日に注意してください。

ただし、人数などの関係で、必ずしも希望の曜日になるとは限りませんからご注意ください。

7) 基本手当の受給

失業の認定を受けた日数分の基本手当が振り込まれます。

8) 基本手当の受給終了

基本手当を受給できる日数や金額は人によって違います。

基本手当の所定給付日数は、どのくらいの期間雇用保険の被保険者だったか、年齢、離職理由によって違います。

すべての失業者が受給できるわけではない

いざ仕事を辞めて失業状態になったからと言って、すべての失業者が基本手当を受給できるとは限りません。

雇用保険の基本手当を受給するためには、自己都合退職などの場合には、離職の日以前2年間に12ヵ月以上の被保険者期間が必要です。

離職の理由が倒産や解雇などの場合には、離職の日以前1年間に6ヵ月以上の被保険者期間が必要です。

ここで注意しなければならないのは、雇用保険の被保険者だった期間があったとしても、離職日から1ヵ月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎になった日数が11日以上ある場合を1ヵ月とするという規定があることです。

なお、短期雇用特例被保険者(4ヶ月以上雇用されるという雇用契約であって、なおかつ、一週間の所定労働時間が30時間以上の労働者)の場合には別の規定になります。

また、基本手当は再就職を支援するという目的のものですから、そもそも再就職の意思のない人には支給されません。

「就職したい」、「就職できる能力がある」、「積極的に求職活動を行っているのに、就職できない」という条件があります。

もし、雇用保険を受給できなかったとしても、「求職者支援制度」という制度がありますので、ハローワークで自分が求職者支援制度の対象になるかどうかを確認してみてください。

「求職者支援制度」というのは、雇用保険を受給できない人が職業訓練を受けることでスキルアップして、早期就職を実現することを目的にした制度です。
参考:求職者支援制度のご案内

国が支援する制度で、訓練期間は、1コース3ヵ月から6ヵ月までで、ハローワークと訓練実施期間が連携して行われます。

雇用保険を受給するために必要な書類とは

雇用保険の基本手当を受給する場合には、ハローワークでの手続きが必要です。

ハローワークで求職の申し込みと受給資格の決定を受けるためには指定された書類の提出が必要です。

この章では、基本手当の受給のために必要な書類についてご紹介します。

必要書類名の一覧と概要

非常に多くの書類が必要ですが、一度で手続きを済ませるためにも持参する書類に漏れのないように確認しておきましょう。

書類に不備があると、基本手当の受給手続きができませんのでご注意ください。

1)【必要書類】離職票-1

個人番号欄は住居所を管轄するハローワークに行ったときに、窓口で本人が記載します。


参考:雇用保険手続きのご案内 離職票-1

2)【必要書類】離職票-2

複数の事業所で仕事をしていた場合などで、複数の離職票がある場合には、仕事をした期間に関わらず全ての離職票を提出してください。


参考:雇用保険手続きのご案内 離職票-1

3)【必要書類】身元の確認書類(次の1と2の両方必要です。)

1.個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票の写し(住民票記載事項証明書)のいずれか) 

2.身元(実在)確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、写真付であり氏名、生年月日又は住所が記載されている官公署が発行した身分証明書・資格証明書、住民基本台帳カードなど(届け出の時点で有効なものか、発行・発給から6ヵ月以内のもの)

上記2の確認書類がない場合は、次のア~ウのうち、2種類の原本を持参してください。
 ア.国民健康保険被保険者証又は健康保険被保険者証
 イ.住民票記載事項証明書(住民票の写しまたは印鑑証明書)
 ウ.児童扶養手当証書など

【必須】4)印鑑

スタンプ印は認められませんが認印で大丈夫です。

【必須】5)写真2枚

最近の写真、正面上半身、タテ3.0cm×ヨコ2.5cmのものです。証明写真などでも大丈夫です。

【必須】6)本人名義の預金通帳又はキャッシュカード

銀行によっては指定できないこともありますので、最寄りのハローワークに確認すると安心です。

失業の認定のポイント

基本手当の受給を受けるためには、ハローワークが定める所定の日に失業の認定を受けなければなりません。

先ほどお話ししたように、自分の失業認定日は「○型□曜日」のようにハローワークから指定されます。

曜日だけではなく時間も指定されますので、遅刻・欠席は絶対にしないようにしてください。

万が一、失業の認定の日時に指定のハローワークに行けなくなってしまう場合には、手続きを行ったハローワークに事前に連絡をして指示を仰いでください。

原則として、指定された認定の日時にハローワークに行かないと、その認定日前日までの失業の認定を受けられなくなってしまうので、その期間に関して基本手当の受給はありません。

ただし、事前に連絡をしておくと場合によっては認定日の変更が認められることもあります。

失業の認定に必要なもの

失業の認定を受けるためには、求職の申し込みと受給資格の決定をした際にハローワークで指定された失業認定日にハローワークに出向かなければなりません。
この失業認定日には、以下のものを持参してください。

1)雇用保険受給資格者証
2)失業認定申告書
3)印鑑

失業認定申告書には名称や収入の有無に関係なく、パートやアルバイトを含め仕事をしたかどうかの実績の申告を記入します。

就職・就労(原則1日に4時間以上のもの)なのか、内職・手伝い(原則、1日に4時間未満のもの)なのかに分けて申告しますから、虚偽なく申告してください。

収入があった場合には、具体的に収入があった日・金額・日数を希求して申告します。もし、虚偽の申告をすると不正受給として判断され処罰されます。

求職活動として認められるもの

失業の認定を受けるためには、認定対象期間(失業していることの認定を受ける期間)に原則2回以上の求職活動(最初の認定日に関しては1回以上)の求職活動の実績が必要です。

ハローワークで求職活動の実績として認められるものは以下のものです。

なお、下記は2019年6月時点での厚生省が公表している求職活動の実績からの抜粋に解説を追記したものです。

ハローワークなどのホームページなどで最新情報を常に確認するようにしてください。

1)求人への応募

ハローワークの軽油の有無に関係なく、実際に自分が求人に対して応募書類を送付したり、面接試験を受けたりした場合です。

知り合いに仕事の紹介をお願いしただけ、求人情報誌や新聞の求人欄を眺めただけというのもカウントされません。

2)ハローワークが行う職業相談・職業紹介等

ハローワークで小公卿相談をしたり職業の紹介を受けたり、あるいは各種の講習・セミナーの受講などもカウントされます。

3)許可・届出済の民間機関の講習を受講

許可・届出済の民間機関(民間職業紹介機関、労働者派遣機関)の職業相談・職業紹介等、求職活動方法等の講習等の受講等

ハローワーク以外の民間等が運営する民間団体のものでも、許可や届出を済ませてある民間機関のものに限り、上記のような受講もカウントされます。

よって、その民間機関が許可・届出済かどうかは必ず確認しておいてください。また、これらの機関に単に登録しただけというのはカウントされません。

4)公的機関等職業相談

(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社等が実施する職業相談等を受けたこと、各種講習・セミナー、個別相談ができる企業説明会等の受講、参加など

5)再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験

事務職の人がパソコン関連や簿記関係の資格試験を受験したり、国際関係の仕事に就きたい人が英語検定の受験をしたりした場合です。

以上がハローワークで雇用保険を受給するために必要な書類と認定のポイントです。

失業の認定を受けなければ雇用保険の基本手当は受給できませんので、離職票をもらったら、早めにハローワークに行って手続きをしてください。