介護士の育児休暇と復職後の実態は?転職のメリット・デメリット

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出産や育児などライフステージの変化に伴い、仕事を続けるべきか、転職すべきか悩まれている方は、世の中にはたくさんいます。もちろん介護職も例外ではありません。

介護職で将来的のライフプランを検討しているという方は、是非チェックしてください。

育児休暇や復職に関する、介護職を取り巻く実態を紐解き、転職すべきかすべきでないのかメリットとデメリットをご紹介します

介護士の育児休暇と復職後の実態は?転職のメリット・デメリットの要約

3行要約
  • 介護士を取り巻く就業環境を把握する
  • 育休復帰のメリットデメリットを理解する
  • 復職だけじゃない転職という選択肢を考える

介護職における女性の活躍について


特に女性の介護職の方は、出産や育児などライフステージの変化に伴い、今後のキャリアはどうなるのか、気になるという方は多いです。今日の介護職における女性の活躍状況をご紹介します。

介護職における女性の活躍について

  • 介護職の男女比
  • 介護職の勤続年数
  • 介護職の男女比

    公益財団法人介護労働安定センターが発表した平成30年度介護労働実態調査の結果によると、回答労働者数22,183人のうち、72.0%(15,975人)が女性でした。

    非常に多くの女性が活躍している業界であると言えます。

    介護職の勤続年数

    厚生労働省が作成および発表した介護人材の処遇改善についてによると、以下の数字となっています。

    医療福祉業界人材の勤務年数

    • 介護職員 6.4年
    • 医師 5.3年
    • 看護師 7.9年
    • 介護支援専門員(ケアマネジャー) 8.7年
    • 全産業 10.7年

    介護職員や介護支援専門員(ケアマネジャー)は、一般の企業等と比べると勤続年数が短いと言えます。

    なぜ、介護士の勤続年数が短くなっているのか、次の章では転職や退職の理由についてご説明します。

    介護業界の退職例


    既に引用した資料「介護人材の処遇改善について」に、介護関係職種の前職を退職した理由も公表されています。

    この調査で取り上げられている代表的な転職退職理由を紹介していきます。

    特に注目したいのが、結婚や出産などライフステージの変化に伴った退職者や転職者がどの程度存在しているかという点です。

    介護業界の退職例

  • ライフステージ変化に伴う退職
  • 出産後も介護職を続けられない理由1:配置基準
  • 出産後も介護職を続けられない理由2:業務内容
  • ライフステージ変化に伴う退職

    介護職は女性が多く活躍している業界ということはわかりました。次に気になるのが、産休育休の取得状況です。

    男性の積極的な家庭への介入、女性の社会進出が進んでいます。しかし、家事や育児は女性が担当するというご家庭はまだまだ多いのではないでしょうか。

    そのため、働く女性にとって、出産や育児などライフステージの変化に対応できるかという観点は重要です。

    介護関係職種を対象としたアンケート(平成29年度介護労働実態調査)では、18.3%が「結婚・出産・妊娠・育児のため」退職を余儀なくされたという結果でした。

    内閣府が平成30年11月に発表した「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び出産・育児と女性の就業状況についてでも、出産・育児を理由とした離職率は9.2%という結果が出ています。

    以上のことから、介護職は出産や育児のタイミングで、退職や転職する方の割合が全体平均より高いことがわかります。すなわち、産前産後休暇や育児休暇を取得する割合が低い事が言えます。

    では、なぜ女性が多く活躍している業界であるにもか買わず、このような結果になってしまたのか。原因について解き明かします。

    出産後も介護職を続けられない理由1:配置基準

    平成30年版高齢社会白書によると、介護施設等の定員数推移が以下のようなデータが発表されています。

    国全体の介護施設の定員数は増加傾向です。

    施設別にみると、平成28年では、介護老人福祉施設(530,280人)、有料老人ホーム(482,792人)、介護老人保健施設(370,366人)等の定員数が多く、近年増加度が伸長しているという結果でした。

    また特別養護老人ホームや介護老人保健施設には入居者3人に対し、看護・介護職員合わせて1名以上必要という配置基準が定められています。

    介護施設はどんどん増えているものの、一方で採用側は配置基準を守るため、採用を強化する必要があるという業界の特性があります。

    介護職の有効求人倍率

    介護関係の有効求人倍率は平成29年時点で対前年度0.48ポイントアップの3.5倍。(全産業平均が対前年度0.14ポイントアップの1.5倍)
    ※平成13年時点では1.38倍と比べ、近年大幅に伸長

    採用がうまくいかない場合、産休者育休者の業務負担が軽減されず、勤続が難しくなる事象につながります。

    出産後も介護職を続けられない理由2:業務内容

    ネックになるポイント

    ・夜勤、土日祝日などシフトの問題
    ・腰痛など身体的な負担

    介護職にライフステージの変化に伴う退職者が多いのには、業務内容や環境が影響しています。

    1つ目は、シフトの問題です。介護施設の多くが24時間体制となるため、介護職で勤務する上で夜勤や土日祝日のシフトというのは付き物です。

    時短勤務や、夜勤なし、曜日指定など融通がきく勤務先も存在しているかと思います。

    しかし、一人だけ特別扱いできないなどの事情もあるため、実際交渉が難しくなることが予想されます。

    また、いくらシフトの調整ができても、日々の業務において突発的な残業リスクがあります。

    次に身体的な負担についてです。介護職は利用者の体を抱きかかえたりする機会も多くあるため、身体的な負担が大きい仕事です。妊娠時そのような仕事はもちろんできません。

    出産後もホルモンバランスの変化、慣れない育児と仕事の両立で心身への負担が大きく継続は難しいと考える人も少なくないです。

    参考:腰痛を持つ介護士の割合

    これまで、介護職の働く女性を取り巻く環境についてご説明してきましたが、これらの状況を改善をしようと努力している法人もあります。具体的な取り組み内容をご紹介します。

    介護業界の職場環境改善に向けた取り組み

    介護職は高齢化に伴い、どんどん需要が高まっています。そのため、一人の職員が長く活躍できる環境を整備するため、各法人が様々な取り組みを行っています。

    その一例をご紹介します。

    介護業界の職場環境改善に向けた取り組み

  • 産休育休取得推奨
  • うれしい福利厚生
  • くるみんマーク
  • 産休育休取得推奨

    全国1,000箇所以上の事業所を展開している介護のリーディングカンパニーであるSOMPOケアの採用ページでは、その取り組みを紹介しています。

    SOMPOケアの取り組み例

    • 2016年度実績:出産者163人中163人が育休取得(100%)
    • 2017年度実績:出産者252人中252人が育休取得(100%)
    • 育児休暇取得年数 3年
    • 出産前は妊婦健診時などで使える特別休暇や夜勤免除の制度もある

    以上のように、介護職員の出産や育児に手厚いサポートをしている企業もあります。

    うれしい福利厚生

    全国で様々なタイプの介護施設を運営するベネッセスタイルケアでは、他の企業にない魅力的な福利厚生が紹介されています。

    ベネッセスタイルケアの取組例(福利厚生)

    • 家族の医療費手当
    • ベネッセが運営する保育園の利用、保育手当
    • こどもちゃれんじゼミ受講料金割引

    このように、介護だけでなく教育など幅広い事業を展開しているベネッセだからこそ、提供できる福利厚生も多くあります。
    魅力的な福利厚生があると、ライフステージが変わっても勤続したいと思う職員も多くいるでしょう。

    くるみんマーク

    厚生労働省が、次世代育成支援対策推進法に基づいて達成条件をクリアした際、職員の育児と仕事の両立を支援している企業に「くるみんマーク」を認定しています。
    例として、介護サービスを提供しているニチイケアパレスでは、くるみんマークを取得しています。

    くるみんマークの条件例

    • 計画期間において、男性従業員のうち育児休業等を取得した者が1人以上いること。
    • 計画期間において、女性従業員の育児休業等取得率が、70%以上であること。

    引用:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/26a_004.pdf

    上記の条件をクリアし、仕事と育児の両立の支援に積極的にと取り組む企業が、くるみんマークの認定を受けています。

    くるみんマークの認定だけでなく、職員の長期的な活躍を視野に入れた取組については、法人よってに大きな差があると言えます。

    次に復職をすべきなのかすべきでないのか、見極めるためにもメリットとデメリットを見ていきましょう。

    育休からの復帰メリット

    育休取得後、職場復職するメリットは複数あります。

    育休復帰メリット

  • 安定した経済力の確保
  • スキルをキープできる
  • 日勤のみなど融通がきくケースがある
  • 安定した経済力の確保

    出産すると家族が増えますので、その分出費も増えます。出産後、仕事をするしないでは経済力に大きな差が出ます。

    2018年にソニー生命保険が実施した「子どもの教育資金に関する調査2018」によると、子どもが小学生から社会人になるまでに教育資金の平均予想額は1,348万円であり、昨年より154万円も増加しているという結果が出ています。

    金額は近年増加傾向にあり、子どもの教育に多くの資金が必要になると予想している親が多いということがわかります。

    こういった調査結果からも、以前に勤務していた職場に復職することで安定した経済力を見越せることは重要なメリットと言えます。

    職場の託児所を利用できる

    病院などに多い福利厚生で、職場に託児所があり、仕事の間こどもを預けることができます。看護師がメインで利用されています。

    病院同様、も託児所が併設されている介護施設は数多く存在します。

    育児休暇から復帰する上で一番ネックになるのが、子供をどこに預けるかという点です。エリアによっては待機児童という課題もあります。

    託児所を利用することで保育園探しなどの手間を取られないのもメリットです。勤務先と預け先が一緒ですので、面倒な送り迎えからも解放されます。

    スキルをキープできる

    せっかく出産前に身に付けたスキルです。せっかくであれば維持したいという方も多いです。

    退職し、長期的に仕事のブランクがあると、いざ復職となった際、採用活動でスキル面が不安材料になるケースもあります。

    育児休暇を取得後に少し腕が鈍ってしまう可能性はありますが、以前と同じ職場に復帰することで、仕事の感覚を取り戻すのも早いのではないでしょうか。

    日勤のみなど融通がきくケースも

    育児休暇取得後、同じ職場に戻ることで「夜勤なし」「午前中のみ」など勤務条件における交渉ができるかもしれません。

    すでにご紹介したSOMPOケアは、育休後時短勤務で活躍されている職員の事例を、就活サイトのリクナビに掲載しています。

    育児短時間勤務制度自体は法律で定められた労働者の権利です

    しかし、こういった制度を使う前提の転職活動となると、なかなか内定がもらえません。なぜなら採用側は、即戦力・勤務の制限がない方を求めているからです。

    一方で、育休後に同じ職場に復職する場合なら、即戦力として勤務でき、長期的に働いて欲しいという企業側の思惑もあり、シフトの調整ができやすいという結果にもつながります。

    育休復帰デメリット


    こまで、復職のメリットをご紹介しましたが、とは言っても復職がデメリットにつながる場合もあります。

    育休復帰デメリット

  • 人間関係の悪化
  • 突発的な休みやシフト調整の面で苦労する
  • 日勤のみなど融通が効かないケースもある
  • 体力の負担が増加する
  • 人間関係の悪化

    育児休暇中に人間関係が変わり、以前接していた方との空気感が違うという話をよく耳にします。

    また最近では「マタニティハラスメント」や「育児ハラスメント」など、理解のない方からの言動に傷ついてしまうといった事例もあるようです。

    仕事と育児を両立するという、新しいチャレンジの中、職場の人間関係のストレスを感じてしまうと、復職したことに対して後悔してしまうかもしれません。

    復職について検討する際には、過去に育児休暇から復職した同僚の話を聞いてみたりすると良いかもしれません。

    突発的な休みやシフト調整の面で苦労

    育児と仕事の両立において、どうしても発生してしまうのが子供の体調不良など急なトラブルです。

    トラブルが起きた際、家族の誰かが対応しないといけないので、もし自分しか対応できないとなると職場に迷惑がかかる可能性があります。

    前述していますが、介護施設には配置基準があります。

    配置基準ぎりぎりの人材で営業している場合、一人の欠勤も職場に大きな迷惑をかけることになります。また、穴埋めを見つけることも容易ではありません。

    シフトの交代などにより、特定の職員に負担がかかってしまう場合は、人間関係悪化につながる可能性もあります。

    日勤のみなど融通が効かないケースもある

    育児と仕事の両立を目指す中で、どうしても勤務時間の制限が発生します。

    例えば、「夜勤ができない」、「保育園の都合上、土日祝は働けない」などが考えられます。

    しかし、職場は全ての職員の希望を希望通りに実現できるわけではありません。一人だけ特別扱いできない、またシフトの余裕がないためです。

    いくら福利厚生の制度があるとは言え、暗黙の了解で、時短勤務など労働条件の交渉ができない場合があります。

    このような職場の場合、産前産後休暇・育児休暇取得の際も早期の復職を迫られるなどの兆候があるかもしれませんので、注意が必要です。

    体力の負担が増加する

    仕事をしながら、帰宅後は家事や育児に取り組むことは容易ではありません。

    また介護の仕事は、立ち仕事や力仕事も多く体力を使う職場です。育児や家事を怠りたくないと考えても、どうしても帰宅後は疲労してしまいがちです。

    仕事で疲れきってしまっていることに、さらにストレスを抱えてしまい、悪循環へと陥ってしまいます。

    今の職場では育児休暇取得後、復職しても仕事と育児の両立は難しい、けれども働きたい介護職の選択となるのが「転職」です。

    転職という選択肢


    転職することが全てメリットにつながるわけではありません。そこには、デメリットも存在します。育児休暇取得後、転職する際のメリット・デメリットを理解することで正しい選択につながります。

    介護職にとっての転職という選択肢

  • 転職のメリット
  • 転職のデメリット
  • 転職のメリット

    • 勤務時間や業務内容の制限を前提とした職場を選定できる
    • ゼロから人間関係を構築できる
    • 自分と同じような境遇の職員に恵まれた場合、急なトラブルなどにも助け合える

    転職のデメリット

    • 人間関係や信頼関係ができてないため、最初は急なシフトの変更などがしにくい場合がある
    • 働いてみて育児との両立の厳しさを感じるケースがあり、慣れない環境だとさらに増幅してしまう
    • 勤務する上での勤務時間や業務内容の制限が多い場合、内定獲得が難航する

    あくまで一例を紹介しました。これらのメリット、デメリットは人によって捉え方はそれぞれです。また職場や御家族のサポート状況により、大きく異なるということを理解した中で、どうすべきか選択しましょう。

    仕事と育児に対する考えを整理


    育休復帰後、転職後後悔しないためにも、まずは自身の置かれた状況を十分に理解することが大切です。

    復職・転職の選択は、ご自身のキャリアだけでなく、子供や家族にも影響する重要な事項です。

    検討すべきポイント

  • 育児と仕事の両立に対してパートナーや実家などの家族のサポートがあるのかを把握する
  • 育児と仕事に対する譲れないポリシーを定める
  • 転職することも選択肢。考えの幅を狭めすぎない
  • 今回の紹介内容を読み、ご自身のキャリア・家族の意見に適した選択をしましょう。

    介護職の転職については以下の記事でも紹介していますので、参考にしてください。

    介護士が低賃金・悪条件を避けて良い転職先を探す方法

    介護士の勤務形態の実情|収容人数が少ないホームの方が楽?