スライドのラフを描いてプレゼンの全体像を把握する|5分でプレゼンの達人

スライドのラフを描かずに、パワポやワードでいきなり提案書を作っていませんか?

何事も、アウトラインを固めてから作業に移ったほうが、最終的に効率がよくなるものです。

ラフスケッチ(下描き)は、ハイクオリティな提案資料づくりに欠かせないスライドの設計図です。

本記事では、スライドのラフについて解説していきます。

スライドクオリティを高めるために「いきなりパソコン」の習慣をやめる

カフェで構想を図解でまとめたら、すぐにオフィスに戻ってスライドを作成したいところ。

でも、ちょっと待ってください。

オフィスに戻る前にスライドのラフを描き終えておきましょう。

ラフを描くというと、なんだかひとつ手間が増えるように思えますが、実は逆なんです。

資料のクオリティを高め、資料の作成時間を短縮する上では、構想と同様に手描きが大きな威力を発揮します。
書籍『デザイナーのラフスケッチ』画像書籍『デザイナーのラフスケッチ デザインのアイデアを形にする過程 』

資料作成の生産性を高めるなら、まず「ラフは手描き」が鉄則です。

ラフを手描きで作る理由は3つある

1つ目は、自由度。

どんなにプレゼンソフトの操作に習熟していても、フリーハンドの自由度に勝るものはありません。
操作に気をとられると、「どのようなメッセージを入れるか」という一番重要な部分に頭が回らないのです。

2つ目は、ラフだと詳細が気にならないという点です。

プレゼンソフトを直接操作してしまうと、ディテールにがそがれてしまいます。
レイアウト、色、テキストのフォントやサイズ、写真の配置などを気にしてしまいがちです。

3つ目は、手描きでラフを描くと分割作業ができるという点です。

時間のない中、大量のプレゼン資料を作成する場合は複数人で分担することもあるでしょう。
このとき、タイムラインに沿ったラフがあれば、その後の作業を同時並行で行なうこともできます。

つまり、ラフを描くことで、どのようにメッセージを伝えるかに「集中」することができます。
見栄えの処理はその後で十分です。

プレゼン資料を手描きで作る3つのメリット

手描きプレゼン資料3つのメリット

プレゼンにどのくらいの時間をかけるべきか?

この質問に対する答えとして、有名な「10・20・30ルール」というものがあります。

「プレゼンを成功させるためにはスライドは10枚以内時間は20分以内、文字サイズは30ポイント以上でなければならない」

アップル社の元エバンジェリストで現在はベンチャーキャピタリストのガイ・カワサキ氏が提唱しています。

聞き手の集中力は長くは持ちません。

休憩なしに持続できる集中力はたかだが15分程度です。

私の著書『結果を出して定時に帰る時短仕事術』でも、こう解説しています。


永田豊志著『結果を出して定時に帰る時短仕事術』
最短の時間で最高の成果を上げる方法を説いた
『結果を出して定時に帰る時短仕事術』

そうした意味でも、この20分というのはあながちはずれた数値ではないと思います。

プレゼンを成功させるための10・20・30ルール

  • スライドは10枚以内
  • 実施時間は20分以内
  • 文字サイズは30ポイント以上

1時間のアポなら20分×3部構成を目安に

また、アポイントの時間は多くの場合、1時間です。

その中で、提案内容を説明し、デモやケーススタディを披露し、質疑応答を設けるとしたら、20分×3部構成くらいが適当かと思われます。

そうした意味でも、この10・20・30ルールは理にかなっているように思われます。

人間は短期記憶にとどめておける情報量が少ないので、スライドは数が少ないに越したことはありません。

必ずしも図解プロットの1トピックを1枚のスライドにする必要はありません。

課題で1枚、理想とのギャップで1枚、提案で2枚というようにまとめても構いません。

どうしてもスライドが多い場合は、聞き手の記憶にとどまりやすい工夫をしてください。
全体を3部構成にして少しインターバルを入れるなどもよいでしょう。

とにかく、連続して1時間も話すことだけは避けてください。

聞き手の理解力・集中力を考慮した10・20・30ルール

プレゼンテーションの10・20・30ルール

スライドラフで、プレゼンの全体像が把握できる

スライドのラフと言っても、それほど細かく描きこむ必要はありません。

後から実際にスライドを作成する場合に、どのような要素を入れるべきかを、自分が理解できる程度でよいのです。

フレーズをすべて描く必要もありません。
強調したいキーワードくらいが入っていれば大丈夫です。

ラフというと結構、しっかりイメージが描き込まれているように思われています。
けれど、私の考えるスライドのラフはサムネイルに近いもの。

広告代理店のクリエイターが描くような、かっこいいラフスケッチではないのです。

人物の写真を入れる、組織図をツリーで示す、売上の推移を棒グラフで示すという程度の情報で十分なのです。

情報量の過密な部分は、贅肉をそぐか、巻末に回す

スライドのラフは、説明の流れに沿って描いていきます。

PowerPointベースで作るのであれば、タイトルとメイン要素の組み合わせとなります。
メイン要素にはキーフレーズと写真、グラフなどが含まれます。

小見出しなどは、スライド作成時に考えても問題ありません。

とにかく、この時点で固めたいのは、見た目の全体像です。

タイムラインに沿って描いたスライドのラフを眺めたときに
「特定の部分だけスライド枚数が多かった」
「一部の話題だけ情報密度が高かった」
など気付く場合があります。

その際には、一番大事なものだけを残して後は口頭で補足する、あるいは、詳細データは巻末に資料として添付するなど工夫が必要です。

本編がスムーズに流れるようにしましょう。

プレゼン資料のラフ例(サムネイルパターンとざっくりパターン)

サムネイルタイプのラフ
サムネイル対応のラフ
ざっくりタイプのラフ
ざっくりタイプのラフ

参考図書

永田 豊志

株式会社ショーケース 代表取締役社長

永田豊志(Toyoshi Nagata)
知的生産研究家、株式会社ショーケース 共同創業者・代表取締役社長。

リクルートで新規事業開発を担当し、出版事業の立ち上げに参画。その後、コンピュータ系雑誌の編集長や、キャラクター版権管理ビジネス会社社長などを経て、2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケースを共同設立。

新規創業9年目で東証マザーズへ上場、その1年半後には東証一部へ上場。現在は、商品開発やM&Aなど経営全般に携わっている。

また、ライフワークとして、ビジネスパーソンの知的生産性研究に取り組んでおり、そのノウハウを広めるべく執筆活動や講演などを行う。