転職成功のキーはプレゼンにあり! 転職活動で自分を採用してもらう 図解思考でプレゼン上手な人になる

転職活動を成功させる要素として欠かせないのが、本番の「面談」ですね。
いくら企業に売り込めるスキルを持っていても、やる気があっても本番の面談でアピールできなくては、うまくいきません。
転職の面談は、自分を売り込むためのプレゼンと心得て、しっかり準備して挑みたいもの。
そして、よいプレゼンを行うために必要なのが「プレゼンの構想を練る(プロット作り)」作業です。
プレゼンにおける「構想を練る」価値とは?|5分でプレゼンの達人
ここでは、プレゼンに欠かせない作業である「プロット作り」を、シンプルな図解を使って分かりやすく、早く仕上げる方法を紹介しています。
それでは早速、図解を用いたプロットづくりに挑戦してみましょう。
転職活動の図解プロット
図解プロットの基本形を描いてみましょう。
題材は誰しも一度は経験のある転職活動。
あなた自身のこととして考えてみてください。
あなたは老舗の出版社を辞めて、国内有数のITベンチャー企業に転職しようとしています。
長らく人気雑誌の広告営業部門でメンバー10人を率いて、営業マネジャーとして活躍してきました。
しかし、電子書籍やデジタルコンテンツ配信が普及したため出版ビジネスは年々厳しい状態。
伝統的なビジネスは成り立たなくなってきました。
そこで、あなたはこれまでとはまったく逆の、最先端のITベンチャーへの転職を希望しています。
新しいビジネスを模索したいと考えているのです。
しかし、あなたにITの知識が全くなかったとします。
さらにIT業界はビジネスのスピード、考え方がこれまでとはまったく違います。
あなたは、どうやってこの転職の面談で自分を採用してもらうための効果的なプレゼンテーションを行なえるでしょうか?
STEP1:まずは現実、理想、提案の3つの要素を描いてみる
現実としての課題は、業界経験がなく、ITの知識も圧倒的に不足しているということ。
しかし、理想は、ITの知識を身につけることではなく、転職先企業において成果を生み出すことです。
営業部門であれば、メンバーを率いて売上と利益を会社にもたらして貢献することにあります。
転職面談はその意志を伝えるプレゼンテーションです。
そこであなたが提案すべきは、過去から現在までに培った強みをさらに強くして組織に貢献することです。
これまでの営業部門におけるマネジメント経験があなたの強みです。
それによる会社に貢献する利益を、新しい職場においても実現するという意思を強く表明するのです。
そこにはIT知識の有無や業界経験は意味を成さないのです。
マネジメントと成果についての関係は業界を問わないということを力強く示すことが必要なのです。
これらの現実、理想の関係性、そして提案の納得性を図にしたものがこの図です。
STEP2:自分の強みと弱みを整理して現実のドリルダウン
現在の自分をさらに詳しくドリルダウンしてみましょう。
自分を採用してもらう場合は、自己の「強み」を明らかにすることがポイントです。
業界経験のないことは弱みに見えても、強みと弱みは対立するものではありません。
弱みを裏返しすると強みになってしまうことだってあるのです。
さて、あなたは長らく古い体質の出版社に勤務していました。
そのため、新しいITベンチャーのスピードに、最初はとまどうかもしれません。
しかし、同じ会社に長らく勤務していましたね。
1つの会社に対して忠誠心が強いこともアピールポイントになるはずです。
また、広告営業部門でたくさんの営業マンを率いて実績を残したこと。
この経験は2つの理由でプラス要因になりそうです。
1つは、マネジメントはどんな業界であっても共通のスキルだということ。
組織の生産性を高めるためには技術的知識よりもマネジメントスキルのほうが重要なはずです。
もう1つは、業界は違えど、IT業界にも広告営業という仕事はあるはず。
広告主が商品の宣伝のために媒体出稿を検討するというプロセスに違いはありません。
それなりに従来の知見が活かせそうです。
STEP3:理想のドリルダウンでどのように貢献するかを示す
未来における理想的な自分をドリルダウンして、具体化しましょう。
採用担当者や経営者が一番重視するものはなんでしょう。
それは、あなた自身の経験値とポテンシャルによってどのような成果を生み出すかということ。
会社が経験のない自分を採用したとします。
あなたが入社したことにより、経験者以上に組織に貢献できることをアピールしなければいけません。
まず、長期にわたって組織に貢献すること。
前職でも長い間、組織に貢献してきた実績により、じっくり腰を落ち着けて働く意思を伝えましょう。
転職回数が少なく、勤務期間が長いのは重要なウリになるはずです。
また、営業部門での生産性向上、メンバーの育成、それによる企業利益への貢献も重要なウリです。
前職でのマネジメント経験を生かせることをアピールしましょう。
転職先の営業部門のプロセスを見直し、メンバーのモチベーションを高める。
さらに、効率アップを図ることを宣言すれば、あなたの価値はグンと上がるに違いありません。
STEP4:提案内容のドリルダウンで自分の価値と採用条件を示す
現在の自分と未来のなりたい自分とのギャップを埋めることが必要です。
そのために、自分の持っているスキルやノウハウを活かして、どのようなことをできるかをまとめてみます。
これはWhat?(自分自身の採用によって、相手にどのような価値を提供できるか)に当たる部分です。
現在の自分をドリルダウンしたときに、強みピックアップしました。
これを中心に、入社後、どのようなメリットを転職先の企業にもたらすことができるかを考えます。
マネジメントスキル、営業のノウハウ、顧客基盤などは転職後にも活用できそうな強みですね。
また、どのように採用してもらうか、つまり雇用条件をつめる部分はHow?に当たります。
次のような内容を明確にしておきましょう。
仕事の内容
肩書きやどの部門に配属されるのか
年収や諸手当の有無
就業可能予定日
遠慮は禁物ですよ。
STEP5:全体像をチェックし、見直しが済んだら完成!
さて、3つの要素のドリルダウンが済んだら、一度、ズームアウトして全体を俯瞰してみます。
ドリルダウンしたサブトピックがメイントピックの説明理由になっているかどうか。
現在の自分、未来の自分、そのための提案の3つの要素のつながりがわかりやすく、矛盾のない関係になっているか。
こういった内容をチェックします。
見直しが済めば、とりあえず構想図は完成です!