プレゼンにおける「構想を練る」価値とは?|5分でプレゼンの達人

会議や顧客とのミーティング、上司への提案など、形はさまざまでもプレゼンを行う機会は多いかと思います。

でも、いつでもプレゼンさえ行えば、先方が了承してくれるとは限りません。
相手の納得を引き出すプレゼンには、しかるべき手順があり、会議で聞き手を眠りに導くプレゼンには共通点があります。

このシリーズ「5分でプレゼンの達人」では、あなたをプレゼンの達人に導くための秘訣をお伝えしています。

つまらないプレゼンテーションの共通点は最初の行動にある

プレゼン相手のペルソナ分析は属性・知識・モチベーション

今回はプレゼン作成の土台となる構想について説明していきます。

世の多くのプレゼン本は、「準備」と「実行」ばかりにフォーカス

書店では、多くのプレゼンテーションに関する指南書を目にすることができます。
Amazonでもプレゼンというキーワードで3000冊以上 が紹介されています。

しかし、多くの指南書は「準備」と「実行」にフォーカスしたものです。

ですから、いかに見栄えのするスライドを作るか、いかに魅力的に話をするか、というテクニックについては十分語りつくされていると思います。

「どこから手をつければよいのかわからない」は構想が弱いから

一方、構想を練るプロセスは、その重要性は語られても、具体的な手順や思考方法については、あまり言及されることがありませんでした。

そのため「どのように提案を考えればよいのかわからない」「どこから手をつければよいのか」という人が多いのです。

「構想をじっくり練ること」が納得できるプレゼンを生み出す

それでは、プレゼン資料を作る前に何をすればよいのでしょうか?

「たっぷりと構想する時間」をとることです。
それまでは、パソコンの電源は入れてはいけません。

構想の定義を見直してみましょう。

これからしようとする物事について、その内容・規模・実現方法などを考えて、骨組みをまとめること。また、その考え。
引用:https://kotobank.jp/word/%E6%A7%8B%E6%83%B3-496247

つまり、主張をまとめ、第三者に対し てわかりやすく伝えられるように、1つの流れを作る作業。

この考える 時間をないがしろにして、いくら資料作成や見た目の演出に時間をとっても意味がありません。

構想する時間をたっぷりとろう。 そうでないと屋台骨が揺らぐことに……

プレゼンには構想が重要

ビジネスプレゼンテーションは家を作る作業に似ています。
豪華で見栄えのよい家であっても、土台や骨格がしっかりしていないと家としての機能を果たしません。

それと同じく、やはり最初のステップでしっかりした「骨組み」を作ることが大切です。
骨組みさえしっかりしていれば、家であっても、プレゼンであってもあとで揺らぐことはありません。

「文章で考え、文章で伝える」と抜け、漏れ、矛盾に気づかない

プレゼンの原稿を文章で書くタイプの人がいます。
しかし、説明を聞いていて、「んっ?」と首をかしげることがよくあるんですよね。

一見、論理的に見える文章でも、実際には、矛盾や抜け、漏れなどを含んでいるものです。

文章主体で考え、伝える方法では、事前に問題点を発見しづらいということになります。

聞き手としては、つじつまの合わない話を聞かされると、内容に納得できません。
それだけでなく、話し手に対して不信感さえ抱くことになるものです。

これではいけません。

「図で考える」と、自然とロジカルになる

もし、文章で考え、文章で伝えるのではなく、図で考え、図で伝えるとしたらどうでしょう?

実は図で考えると、プレゼン前に論理的な破綻や抜け、漏れがあればすぐに見つけることができます。

また、自分の考えを相手に伝える際にも、情報が整理されています。
図解やグラフィックを用いて、短時間で理解しやすいプレゼンテーションを行なうことができるでしょう。

図解思考とは元来、課題分析やアイデアの構築、物事の関連性を把握する際に「図で考え、描き、それを伝えること」です。

できる人は、会議中に「それって、こういうことでしょうか?」と自分の認識を図に描いて示すことができます。
できる人は、箇条書きのオンパレードのプレゼンスライドではなく、明快な図解で示すことができます。

図解思考を使えば、プレゼンを成功させるための核となる「構想力」「アイデア力」「効果的に伝える力」を大いに向上させることができるのです。

図にすることで頭の中にあるぼんやりした情報に輪郭を与える

会議をしているときに、できる人は必ず自分の理解やアイデアをホワイトボードなどに絵や図として描く傾向があります。
情報を整理して見える化することで、抜け漏れを防ぎます。

できる人は図で考える

文章で考え、文章で伝えるコミュニケーションは危険です。
人によって言葉の定義やフレーズの受け止め方は千差万別だからです。

しかし、図にすることで、そのギャップは埋められます。
図で考え、図で伝える習慣は、プレゼンを含む、あらゆるビジネスコミュニケーションスキルを高めます。

文章のコミュニケーションは危険

コラム:パソコンやスマートフォンを置いて、カフェに行こう!

プレゼンテーション作成に必要な図解の解説に入る前に、一旦本題を離れます。

プレゼン技術向上に役立つトピックを、著者(永田豊志)のコラム形式で紹介します。

実はPowerPointで原稿を作っている

皆さんはMicrosoftのアプリケーションPowerPointを使いこなしていますか?
ご存じかとは思いますが、プレゼンテーションに必要な機能がたくさん詰まったソフトです。

マイクロソフトPowerPoint
プレゼンテーションに必須のアプリケーション
Microsoft PowerPoint

自分で言うのもなんですが、私自身かなりパワポは使いこなしているほうです。

例えば、実は私の著作はすべてパワポで書いています。

パワポのマスタに、「扉」「本文」「コラム」などのマスタスライドを作ります。
そして、それをもとに、レイアウト、文章の作成、図解の挿入などすべてを行なっています。

本の仕上がりイメージを確認しながら、文章や絵を描けるので大変便利な方法だと思っています。
出版社にはパワポで全ページのデータを作成した上で、入稿しているのです。

ほかに同様の入稿をやっている作家は見たことはありません。

パワポの呪縛

一方で、パワポの限界やツールの呪縛もよく理解しているつもりです。
パワポは優れたプレゼンテーションツールだと思います。

使いこなせばDTPなどに用いるInDesignなどを使わずとも、手軽に自由なレイアウトを作成することができます。

AdobeのDTPソフトInDesign

しかし、それはスライドを作成 するときの話です。
プレゼンの本質であるアイデアやコンセプト、提案の骨子などには、まったく役に立ちません。

むしろ、ツールを目の前にすると、いち早くかっこいいスライドを作りたくなる衝動に駆られてしまいます。
まさに、百害あって一利なしです。

うちの会社でも、スタッフに「企画書できました」と言われて、チェックしてみることがあります。
スライドのデザインにこだわりが見える一方で、中身がまったくないことも多いのです。

これは、プレゼン=スライド作成と勘違いしている証拠です。

いきなりパワポに向かって仕事をするという過ちに気づいていないからです。

真っ白なキャンバスに自由に描く

プレゼンに限らずですが、構想を練るときには、パソコンは終了させてください。
ネ ットもつながらないような環境に移動して、真っ白な紙に構想を描きましょう。

単純な図解やシンプルなキーワードで、自分の持つアイデアやコンセプトを研ぎ澄ませていくのです。
スライドの見た目や体裁にはこだわらずに、構想部分に思考能力のすべてをフォーカスさせましょう。

私の場合は、これをオフィスでは行ないません。
というか、できないのです。

周囲にパソコンもネットもあるし、電話もかかってくるし、スタッフの相談に乗らなければならない。

私の場合は、構想を練る時間は周囲から隔絶した空間が必要です。
愛用の文庫本サイズの無地の手帳と消せるボールペン(フリクションボール)と小銭だけを持って、 近くのカフェに移動するのです。

ネットもつながらないし、電話もかかってこない世界でアイデアをまとめます。

そして、オフィスに戻ってから、構想をスライドに落とし込んでいくのです。

この方法は、一見、無駄のようで、結果的には効率がよいことが多いのです。

本来、アイデアを練るプロセスとスライドや文書を作るプロセスは別もの。
しかし、環境が同じだと自分でも区別がつかなくなります。

プロセスを明確に分けるために、環境も分ける、というのが私のオススメです。

合言葉は「プレゼンテーターよ、カフェに出でよ!」です。