賃上げや労働条件の改善も成果給を念頭とした物に|キャリアニュース

賃上げや労働条件の改善も成果給を念頭とした物に

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2020年の春闘において、各社の労組の要求内容が徐々に明らかになってきている。

自動車労組では、賃金のベースアップ(ベア)要求を行わず、月額の賃金総額により賃上要求がトレンドとなっている。

自動車業界では、トヨタ・マツダが2年連続でベア要求を取りやめた総額方式の賃上げを要求に盛り込んだ。

さらに今年は、SUBARUがこれに続き、その他メーカーもベア要求の金額を減額させた。

年間一時金については新型コロナウィルスや米中貿易摩擦などの世相を受け多くの労組が前年比減の金額で要求を提示している。

20年春闘、自動車労組が要求書提出 賃上げ、広がる総額方式

闘相場をリードする自動車大手の労働組合は12日、2020年春闘の要求書を経営側に提出した。トヨタ自動車労組は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の具体額を示さず、ベアに定期昇給などを加えた月例賃金総額での要求水準を明示。統一水準にとらわれず、中小労組を含む業界内の賃金格差縮小につながるとして広まりつつあり、3月11日の集中回答日に向けて交渉が本格化する。
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総額方式の背後に潜む危機感

このニュースは2020年の春闘における自動車労組の要求書のトレンドを報じたものだ。

記事の骨子は、労組の要求が、ベアから総額方式の賃上げに変化している、というものだ。
ベアと総額方式はどちらも「給料を上げろ」という要求に変わりない。

しかし、労組がベア要求を取りやめるのは、過去の春闘の歴史から鑑みると極めて異例の事態なのである。

春闘は戦後の日本で毎年春に行われ、賃上げや労働条件の改善などを要求する取り組みだ。

長らく春闘の主要な要求事項は、一律の賃金水準の改善を要求するベースアップ(ベア)であった。

だが、2019年以降、ベースアップの要求がトーンダウンし、それに代わって総額方式の賃上げ要求がトレンドとなっている。

総額方式は、毎月の賃金資金の総額アップを要求するものだ。勝ち取った賃金総額は、各人の人事評価に基づき分配する。

従来の春闘では、労働組合は、企業の利益の中から労働者の取り分を最大化することのみを目的としてきた。

そのため、要求内容も、全労働者があまねく賃上げと待遇改善を実感できるベアが中心となっていた。

しかし、それが2019年以降、労働組合自ら企業の人事評価を受け入れ、働きぶりに応じた賃金を要求する方式に変化した。

さらに、今年は社会情勢を背景に年間一時金については減額要求を行っている。

2019年から始まった労組の新たなトレンドは、2020年さらに多くの企業に浸透しつつある。

今後の労組のあり方について占う意味でも、今年の春闘に注目が集まっているのだ。

年功序列ではもはや立ち行かない:迫る企業改革の必要性

春闘のあり方の変化の背景には、企業の経営側・労働者側ともに、現状の企業運営に対する危機感があるのではないだろうか。

日本経団連は、2020年の春闘について、終身雇用・年功序列といった従来の日本型の雇用制度の見直しの必要性を訴えている。

経団連の中西会長は、同時に、春闘における「総合的な処遇改善」が必要であるという意向も示しています。
参考:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200122/mca2001220500003-n1.htm

経団連のこれらの見解に対し、労働組合の全国組織である連合も理解を示している。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54922020Y0A120C2MM0000/

これは労使双方が、従来の日本型雇用の限界を認識し、企業の制度改革の必要性を痛感していることの現れである。

また、労使の危機感の背景には、グローバルな人事制度とギャプがある年功序列賃金の弊害と、企業の中で課題となっている中高年正社員の処遇があるのではとの分析もある。
参考:https://www.j-cast.com/kaisha/2020/02/04378512.html?p=all

年功序列賃金からの脱却を目指す動きはまだ始まったばかりだ。

先進的な企業の中には、すでに年功序列の賃金体系を排したケースも見受けられる。

しかし、トヨタを始めとする日本を代表する企業が、企業改革を推し進めることができるか、2020年の春闘はその先駆けという意味で注目が集まっている。

企業の高齢化にどう向き合うか

年功序列賃金からの脱却については、2019年頃から声高に叫ばれるようになった。

特に年功序列賃金の課題となっているのが、ベテランの社員に対する処遇である。

日本の年功序列賃金制度においては、勤続年数が評価のベースとなっているため、過去数十年間、給与のマイナス考課は行われていなかった。

そのため、50代以上のベテランの社員の給与は高止まりしている可能性がある。

しかも、高止まりしているベテラン社員の過半数は「平社員」つまり、若手社員と同じような働きをしているというのである。

自分たちと同じ、あるいはそれ以下の働きしかしていないベテラン社員が年功序列により、高い給与を取っていることは、企業の若手社員の中で不満の種となっている。

2020年春闘で注目されている総額方式には、勤続年数でなく働き方に応じた評価を行いたいという労使共通の願いが込められているのではないだろうか。

日本企業においては、熱意ある社員が全体のわずか6%しかいないという調査結果が報じられたこともある。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXLZO16873820W7A520C1TJ1000/

もちろん様々な原因が想定されるが、高給取りの平ベテラン社員がその一因となっていることは間違いないだろう。

2020春闘は、労使共闘で行われる企業の「高齢化対策」への打一歩であると言っても過言ではない。

この記事のライター

  • へこすけ
  • 男性・31歳
  • 会社員