新卒の意識、定年まで同じ会社は6割にとどまる|キャリアニュース

新卒の意識、定年まで同じ会社は6割にとどまる

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日本において終身雇用制度が雇用の基本であった時代、就職と言えばその企業に生涯勤めることが前提でした。

しかし、転職があたりまえのようになった昨今では、事情はかなり違います。

民間調査によると就職活動段階で、将来は転職する可能性を考慮しているような調査結果が報告されています。

就活中の学生(大学生・大学院性)のうち、定年まで同じ会社で働きたいと願っているのは56.3%と6割に満たないことがわかりました。

日本の雇用制度に対する意識の変化が垣間見られる調査結果です。

「同じ会社で定年」就活生の6割希望、転職も視野

就職活動に臨む大学生や大学院生のうち、同じ会社で働き定年を迎えたいと希望する人は56.3%にとどまることが9日、民間調査で分かった。就活生の多くが、就職前から転職も視野に入れている実態が浮かんだ。

調査は人材派遣会社パソナグループのパソナ総合研究所(東京)が昨年9~10月、大学生や大学院生を対象にインターネットで実施。407人から回答を得た。
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雇用制度や雇用形態の変化

昭和のバブル経済崩壊、その当時の日本は高度経済成長の終焉と長期間の不況からの脱出が見えない時代でした。

それまでの日本の企業は終身雇用制度を採用しており、新卒で就職したら定年まで同じ会社で勤めることが当然とされ、長年勤めれば誰もが昇進できる年功序列昇進によって企業へのロイヤリティーを高めるタイプの経営組織が上手くいっていました。

当然のことながら中途採用(新卒から定年までが常識だったゆえに「中途」と呼ばれる)が大変珍しかった時代で、転職というのは特殊な話でした。

しかし、年功序列昇進は企業が右肩上がりの拡大を前提としており、事業規模を拡大できない状況、または事業規模縮小の事態においては昇進ポストを次々と生み出すことができず維持できないものです。

またこのことは年功序列昇進によってモチベーションを高めていた終身雇用制度にも少なからず影響しました。

それ以後、日本の企業は終身雇用や年功序列に代わる雇用形態を欧米に求め始めました。

雇用=安定という概念が成り立っていた当時の日本では終身雇用制度の否定は不安定を意味するもので、就職活動においても暗黙のうちに終身雇用を求める考えが一般的でした。

このニュースでは企業側の意識調査ではなく就職活動をしている学生側の意識として、4割以上が終身雇用ではなく転職を前提に就職を考慮している実態として、日本の雇用環境や認識の変化がここまで来ていることを示したものと言えるでしょう。

雇用形態の多様化と転職支援サービスの台頭

終身雇用制度の衰退と欧米型経営組織の採用は社会の構造的変化を伴いました。

雇用形態に正社員や契約社員など非正規雇用が増え中途採用を行う企業が増えるとともに転職支援サービスが活発化するなど、転職しやすい環境になったことも、意識の変化を助長する要因となっています。

このような意識の変化に拍車をかけているのはインターネットの普及と、それによる情報量の増加と言えます。

転職支援サービスは多くの場合、WEB上で行われており、スマホやパソコン等から気軽に閲覧や利用ができる環境にあります。

このようなオンラインコンテンツの気軽さは、ネット通販サイトの利用増や書籍の電子化、SNSなどのソーシャルコンテンツなど、人々の生活に大きな影響と意識の変化をもたらしています。

職業への意識もこうした情報の波の中で大いに変化してきた(または変化しつつある)とみることができます。

ただ、その一方で5割強の学生には、1つの企業に安定した職を求めたいとの考えがあることがわかります。

これほど転職が一般化していても、半数以上を占めていることは注目すべきことです。

転職を視野に入れて就職活動している向きと終身雇用的希望で就職活動をしている向きが半々の状況ということ。

上昇志向か?安定志向か?ここには就職をめぐる根本的な考えの違いが垣間見られます。

キャリアアップを期待する上昇志向の転職

定年まで一つの会社に留まるつもりはないと答えた43.5%の学生に、その理由を求めた結果は興味深い結果となっています。

「キャリアアップのための転職:87.0%」や「起業を考えている:17.5%」などのように上昇志向の職業観が顕著になっています。

また、企業側の動向としては、年功序列昇進制度や終身雇用制度を維持する企業は少なくなることが予想されます。

経済界からはそのような経営組織制度や新卒採用などの慣行を改めたいとの要望が多数上がっており、終身雇用制度への回帰は期待できそうにありません。

つまり、全体的にみると企業側も「我が社にずっと留まって欲しいとは思っていない」ということになるわけです。

しかし、就活において、面接などで「終身雇用制度は必要ありません。御社に入社した後、転職するつもりです。」と言えばどうなるか。
これは決して良い結果にはならないでしょう。

終身雇用制度を取りやめていくのは、企業にとって良い人材へと社員を入れ替えたいことが狙いで、労働者のキャリアアップのためではありません。

つまり就活側と採用側の要望が一致してきているわけではなく、互いに狙いは別のところにあるということです。

また転職が簡単にキャリアアップに結び付くとは限らないことにも注意が必要です。

転職は企業との勝負という側面があることを肝に銘じておくべきでしょう。

これから必要とされるスキルを身に着けている、また価値のある実績を訴えることができるなど武器を持った転職を心掛けたいものです。

この記事のライター

  • B.Walk
  • 男性・45歳
  • ライター