今回の就職氷河期支援では今ある危機を救えない|キャリアニュース

今回の就職氷河期支援では今ある危機を救えない

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2019年12月23日、政府では「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」が決定され、「就職氷河期支援対策室」が設置されるなど、氷河期世代への具体的な就職支援が動き始めようとしています。

政府によると対象となる就職氷河期世代は、だいたい1993〜2004年にかけて大学を卒業。
現在、大卒で37〜48歳、高卒の場合で、33〜44歳と定義しています。

就職氷河期世代支援に関する行動計画2019が決定されたことにより、年末年始から、様々な支援が動き始めていますが、どのような対策が予定されているのでしょうか。
また、その支援は、本当に就職氷河期世代の就職支援に繋がるのかどうかも具体的に見ていきましょう。

45歳以上の正社員化は困難…この国の「氷河期世代支援」を問う

2019年12月23日に「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」が関係府省の会議で決定され、氷河期世代への支援の気運が高まってきている。

 年末年始にかけては、就職氷河期支援対策室が設置されたおひざ元の内閣府や厚生労働省でも氷河期世代を対象に12月25日から1月10日を締め切りに中途採用が募集されるなど、いよいよ具体的な支援が動き出そうとしている。
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氷河期世代就職支援に関する具体的な施策

「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」の対象となるのは、全ての氷河期世代ではありません。

「正社員の仕事がない」という理由で非正規になってしまった50万人、そして家事や通学をしていない非労働力の中の無業者40万人、合計約100万人が対象となります。

政府は、この支援によって今後、3年間で30万人を正社員にすることを目標としています。

具体的な支援内容は、まずハローワークの新規事業として「専門窓口」の設置が挙げられます。

この窓口では、相談だけでなく教育支援・就職までを切れ目なく支援することが目的です。

さらに、就職氷河期世代に向けた短期で資格などを習得できるコースを創設。

特に、深刻な人員不足で悩むIT・農業・建設・運輸などの団体に委託する形で、1〜3ヶ月の期間で資格を取得できるようにし、職場体験も行うことで「出口一体型」の訓練を行います。

さらに、全国16箇所の都道府県労働力に、民間事業者が2〜3ヶ月の教育訓練・職場実習を行う場合には、「訓練にかかる費用10万円」を支給する施策も実施。

なお、就労者が就職後、継続して6ヶ月辞めずに働いた場合には、民間事業者へ「委託費50万円」の支給

6ヶ月定着した場合には、成功報酬として「委託費10万円」が支給される予定です。

また、先行して大阪・愛知・福岡・熊本では「就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム)」が設置され、行政・経済団体などが「支援」について、それぞれの都道府県の企業に周知していく取り込みを行っていますが、2020年年明けより、さらに10箇所でスタートし、来年度中には全国での設置完了を目指しています。

氷河期世代への支援は本当に効果があるのか

「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」によって、ハローワーク専門窓口や、就職氷河期世代活躍支援プラットフォームの設置などで氷河期世代への就職支援が期待される中、疑問の声も上がっています。

今回、ITなどの資格を取得・職場体験や就職に結びつける「出口一体型」の支援を業界の団体に委託することについては新しい取り組みとなりますが、資格取得の促進などについては、若年層・シニア層にもこれまで行っていた既存の事業となります。

そこに、氷河期世代を含んでいるという形になるので、決して氷河期世代に特化した政策ではないのです。

また、「行動計画2019」では、業界団体に委託して資格取得・就職に結びつける「出口一体型」の支援が掲げられていますが、その業界団体はIT・農業・運輸・建設業界が挙げられています。

さらに、観光業・自動車整備業・船舶・舶用工業などの新規就労者を増やす事も挙げられていますが、どれも常に人手不足の業界なのです。

人手不足の業界に氷河期世代が就職すれば一石二鳥のように思われますが、氷河期世代が就職活動を行っていたころも、これらの業界は人手不足であり十分雇用はあったのです。

しかしながら、常に人手不足の状態が続いており早期退職も多かったのです。

つまり、「行動計画2019」を実施して、人手不足の業界・職種に氷河期世代を送り込んだとしても、結果的には安定した就労になるとは言えない状況なのです。

行動計画2019には、まだ課題が残る

氷河期全体の非正規社員は約600万人にもなります。
そのため、「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」にて決定したハローワークの専門窓口設置、民間企業と協力した出口一体型はとても効果があるように思われます。
ただし、これまでにも出口一体型の支援は、若年者やシニア層など、全ての世代に向けられて行われていたもので、氷河期世代に特化した支援とは言いがたい現実があるのです。

さらに、出口一体型の支援を行っている業界は、どこも深刻な人手不足に陥っている業種・職種ばかりです。

もちろん、人手不足が深刻化している業界に氷河期世代の人たちが就職できれば一石二鳥です。

ですが、出口一体型の支援を行っている業界はかつてより人手不足に陥っており、氷河期世代の人々が就職活動をしていたときにも十分に求人はありました。

にも関わらず、深刻な人手不足により、長く仕事を継続できる人が少なかったのです。

そのため、今回の支援で、多くの人々が人手不足の業界に就職できたとして一時的に問題が解決したように思えても、長い目で見ると雇用が安定しないといった状況に陥る可能性が高いと見られています。

現在、氷河期世代はだいたい35〜49歳の人々です。

しかしながら、これらの支援でさえ、44歳までが主に対象とされており、氷河期世代の約半分(226万人)を占める45~49歳の非正規社員に対しては具体的な支援が示されていないのです。

今回の支援によって、一部、氷河期世代は救われることとなりそうですが、最も就職支援が必要である45歳以上の正社員化は困難になると見られますので、本当の意味で解決をするためには、さらに深い施策が必要になるのではないでしょうか。

この記事のライター

  • M_Y
  • 女性・37歳
  • WEBデザイナー