人手不足倒産とAIによるリストラ危機の矛盾|キャリアニュース

人手不足倒産とAIによるリストラ危機の矛盾

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企業の「人手不足」による倒産が、過去最高を更新しました。

帝国データバンクがまとめたデータを、MONEYzineが報道しています。

人手不足がそれだけ深刻であれば「企業は積極的に採用をするだろう」と多くの人は考えるもの。

しかし、現実は「採用ペースを落とす企業」が増える見込みです。なぜ人手不足なのに採用をしないのか。

この理由を知れば、私たち個人が「どんな人材になれば必要とされるのか」も見えてきます。

この記事では「企業の人手不足の最前線の情報」と、「この時代に私たちが目指すべき人材像」をまとめます。
手遅れと言わざるを得ません。

人手不足倒産が過去最高を更新も、採用ペースを落とす企業が増加する見込み

 帝国データバンクは1月9日、従業員不足による収益悪化などが要因となった倒産(個人事業主含む、負債1000万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と定義し、2019年1~12月に発生した倒産について集計・分析した。

 この期間、人手不足倒産は185件(前年比 20.9%増)発生し、4年連続で過去最多を更新した。増加率は前年(44.3%増)より縮小したものの、右肩上がりでの推移が続いている。 負債総額も326億8800万円にのぼり、過去最大を更新している。
続きはー人手不足倒産が過去最高を更新も、採用ペースを落とす企業が増加する見込み|Yahoo!ニュース

「自分の業界・職種は大丈夫か」を皆知りたがっている

「人手不足による倒産が過去最高」というのは、それ自体が大きなニュースです。

しかし、さらに注目すべき点は「それでも企業が採用ペースを落とす見込み」ということでしょう。

もちろん「ペースを落とす」というのは「しばらく増加していた」ためです。

その増加が一旦止まり、企業が様子見をする段階に入ったと、転職サービス大手のdoda(デューダ)は分析しています。

帝国データバンクの統計からMONEYzineが注目したのは「どのような業界・職種では、まだ採用が増加しているのか」という点です。

これは、多くの読者が「自分の業界・志望業界は大丈夫か」ということを知りたいためでしょう。

このテーマは、AI化が進む現代では「人間でなければできない仕事は何か」という切り口で、しばしば話題にのぼります。

たとえば「自動運転によってタクシー運転手が要らなくなる」という話は、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。

確かに、将来的にはそうなるでしょう。

しかし「当分先では?」というのが、多くの人の率直な感想であるはずです。

こうした未来予測は重要ですが「実際、2020年の今この瞬間には、どんな人材が必要とされているのか」という点が、多くの人の知りたい点でしょう。

そして、帝国データバンクは発表した「現実」と、就職・転職のプロであるdodaの「実践的な分析」を交えて紹介しているのが今回取り上げたMONEYzineの記事です。

遠い未来の壮大なことを考えるより、今実際に必要とされる人材になりたい―。

そう考える方のヒントになるような分析を、当記事でも行っていきます。

AI・ロボット化の時代に、建築・土木で人手不足という現実

帝国データバンクの発表によれば「建築・土木」の分野は、採用ペースが増えています。

これは「予想どおり」と思う人が多いでしょう。

長年建設現場では人手不足が続いていましたが、オリンピックを間近に控えて、それに拍車がかかっています。

ラストスパート段階の2020年1月現在では、死亡事故が報じられるほど、現場の方々が忙殺されているほどです。

死亡事故については本当に悲しいことですが、このデータは「時代は急には変わらない」ということも物語っています。

建築や土木は「最もロボットに任せやすい」作業の一つです。

実際にクレーンなどの特殊車両が長年活躍を続け、年々進化しています。

それにもかかわらず人手不足が起きているのは、やはり「人間でなければできない仕事」が、こうした分野でも「まだまだある」ためです。

そして、もう一つこのデータから言えることがあります。

それは「人がやりたがらない仕事をできる人は、いつの時代も需要がある」ということです。

「建築・土木で人手不足」と聞いて、「やりたがる人が少ないだけでは?」と思う人もいるでしょう。

実際、現場の作業員の方の平均年収は高いとは言えません。

やりがいはあっても事故による死亡・高度障害などのリスクを考えると「割りに合わない」と考える方も多いでしょう。

そのような仕事でも「喜んで」やれることは一つの才能ともいえます。

ブラック企業で我慢して働き続けることは、そのような企業を助長させてしまうため、良くないでしょう。

しかし『バカの壁』で有名な養老孟司先生は「自分に合った仕事など探すな」とあらゆるインタビューや書籍の中で言われています。

「仕事とは、社会に開いている穴を埋めることだ」という考え方です。

AIの時代でも、昔ながらの仕事である「建築・土木」で特に人材が必要とされている―。

この現実は、養老先生が指摘されている「穴を埋める大切さ」を、ある程度裏づけているとも考えられます。

80%現実に適応し、20%未来を考える人材が必要とされる

今回のニュースを見てあらためて実感されることは「現実を見る」ことの大切さです。

ユニクロの柳井会長が書かれた『現実を視よ』というタイトルの書籍がありますが、何が正しいかは「現実が教えてくれる」のです。

「AI時代に必要とされる仕事、なくなる仕事」については、さまざまな場所で論じられています。

たとえば、オクスフォード大学が発表した「10年後になくなる仕事」というデータは有名です。

ここでは「バーテンダーがコンピューターにとって代わられる確率」が77%となっています。

77%の業務は、確かに自動化できるかもしれません。

しかし「いろいろな作業を機械でやっているお店」ではなく「あえて全部人間がやっているお店」を好む人も多いでしょう。

実際、プレジデント誌は「AI時代でも消滅せずに稼げる職種10」として、バーテンダーを挙げています。

結局「一つの答えがある」わけではなく、「人による・やり方による・状況による」ということだと、筆者は考えます。

養老先生の「穴を埋める」という考えも、柳井会長の「現実を視る」という考えも、根本は共通しています。

「妄想ではなく、実際に起きていることを信じなさい」ということでしょう。

未来予測や、未来に備えて手を打つことも大事です。

しかし、それはGoogleの「20%ルール」のように、あくまで「20%」の力でやるべきです。
80%の力は「今、目の前の現実」に配分すべきといえます。

そのように「現実に適応しながら、毎年20%ずつ未来に適応していく」という人材は、おそらくいつの時代でも必要とされるでしょう。

この記事のライター

  • 藤井誠二
  • 男性・35歳
  • 会社経営者・フリーライター・イラストレーター