パソナグループ 就職氷河期世代支援で社員積極雇用へ|キャリアニュース

パソナグループ 就職氷河期世代支援を積極雇用へ

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昨年は「就職氷河期世代」が注目を集めた。そのきっかけは、兵庫県宝塚市が就職氷河期世代の人たちを正規採用するというものだった。その後、兵庫県の自治体を中心に就職氷河期世代の採用試験が各地で行われることが発表された。

この流れは霞ヶ関にも波及し、厚生労働省、総務省も同様の採用を実施することが明らかになった。

そして、12月に入り人材派遣大手の(株)パソナが「就職氷河期世代300人を正規採用する」と発表した。就職氷河期世代を「派遣」で使い捨てにしてきた企業が、大量正規採用。これは、社会に対する報いなのでしょうか。

パソナグループ 就職氷河期世代支援で正社員300人採用へ

人材サービス大手のパソナグループは、いわゆる就職氷河期世代の人たちを支援するため300人を正社員として採用することになりました。グループの拠点がある兵庫県の淡路島などで仕事についてもらう予定です。
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働き盛りの人たちをどう救済していくのか

 「就職氷河期世代」とはそもそも、日本のバブル経済が破綻し、90年代半ばから企業が新卒採用を縮小したことで、新卒正規入社が困難になった時期に、大学を卒業していった人たちを指しています。

「就職氷河期世代」の方たちは、大学・大学院を卒業したけど、正規での就職先がない。でも働かなければ暮らしていけない。ということで、時期を同じくして規制緩和された人材派遣屋契約社員といった非正規労働で働いていました。

本来、派遣社員・契約社員というのは専門的な知識を必要とする職業において認められていましたが、90年代後半から2000年代前半にかけて、規制改革の名のもとに、対象が無尽蔵に広げられ、いわば企業の人件費の調整弁として利用されていきました。

本当は正規雇用の仕事をしたくても、一度非正規の働き方をしてしまったら、そこから抜け出すことが難しくなっているのが今の日本です。

「新卒優遇」「少しでも若い人材」の中で、新卒正規が叶わなかった非正規労働者は、長きに渡り非正規雇用を続けます。

しかし、いつ契約を解除されるかわからない不安。歳を重ねるごとに正規雇用の道が難しくなっていく落胆。低賃金。

これらを解消しようと決断したのが、兵庫県宝塚市でした。本来は、規制緩和の被害者である就職氷河期世代は、国が表立って支援をしていくべきです。

そして、「民間でも支援をしていかなければいけない」と手を挙げたのが、(株)パソナでした。ですが、パソナは規制緩和の恩恵に預かり、就職氷河期世代を派遣労働者として使用してきた側です。

自分たちが苦しめてきた人たちを「支援します」と言われても。

働き方が多様になってきていると言いますが、安定した生活を送るためには、安定した働き方と待遇がなければいけません。

パソナが過去の自分たちの行ってきたことを振り返り、本当に支援しようというのであればいいのですが。

就職氷河期の支援の一方で公務労働の非正規化の拡大

就職氷河期世代を積極的に採用していくことは、労働者にとっては安定した働き方ができ、安定してお給料がもらえる安心感、自治体・国にとっても労働者一人あたりの所得が増えれば所得税・住民税の税収が増加するといういい面がどちらにもあるので、いい流れだと思います。

しかし、2020年4月から、行政職では「会計年度任用職員」という新たな制度が始まります。簡単に言えば4月から3月までの1年単位の「契約職員」です。

現在も行政職員の非正規雇用率は相当高いのですが、この非正規雇用の方たちは基本的に、時給月給、ボーナス無しという待遇で、一時話題になった「官製ワーキングプア」の温床になっています。

これを解消させる、また2020年度から始まる「同一労働同一賃金」制度との整合性を取るために、非正規だけど、ボーナスを支給します、公的な休暇も付与します。という制度です。

一見仕事内容が今と変わらなければ待遇が良くなるのでは?と思うかもしれませんが、結局は「雇用の調整弁」役の名称を変えただけです。

非正規労働からの脱却を公民ともに掲げ始めている裏で、公が大手を振って非正規を拡大していく。雇用を壊しているのは行った誰なのでしょうか。

「就職氷河期世代」だけではない

宝塚市、パソナなど公民ともに、話題性のある取り組みをしたことで「就職氷河期世代」だけがクローズアップされていますが、働き方で困っているのは、一部の人だけではありません。

雇用の調整弁として、派遣・契約社員が当たり前の社会になり、社会人のスタートを派遣・契約社員でスタートしてしまった人は、なかなか非正規雇用のループから抜けだせません。

「それは、本人の問題だ」という人もいますが、今の30代前半から20代にかけては、自分たちが働き始める頃には、働き方が壊されていたんです。

自分の意志で非正規を選択している若者もいますが、自分たちにはどうすることもできない中で、非正規のループにはまってしまっている若者もいます。

これは、就職氷河期世代を含めそれ以上の年代のかたちがつくってきた社会のせいであり責任です。

多くの人達が自分の望む働き方ができる社会にするために、これからは行政だけでなく個人の働きかけが重要になってくるのではないでしょうか。

この記事のライター

  • 藤原 明生
  • 男性・32歳
  • 会社員