地方公務員の内定辞退率高く、人口流出と人生設計の難しさ|キャリアニュース

地方公務員の内定辞退率高く、人口流出と人生設計の難しさ

雇用が流動的になり、定年まで働ける企業が見つかりにくいとなれば安定性を求めて公務員を目指す人が増えてもおかしくない状況になります。

しかし、地方の一部では大卒予定の上級職事務職の内定辞退が増えるなど間逆と思われる現象が起きています。

就職氷河期世代の採用で数百倍を超える倍率になった自治体とはどんな違いがあるのか。

数字だけではなく年代やキャリアに関する考え方が変化しており、世代間のギャップのもとになっていることを知っておく必要があります。

熊本市の政令市移行後、上級職事務職の内定辞退が最多 昨年度から急増、要因不明

熊本市の本年度採用試験合格者で、上級職事務職(大学卒業程度)の内定辞退が18人に上り、政令市になった2012年度以降、最多となっていることが分かった。辞退者は18年度から急増しており、市は要因を測りかねている。

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人口流出が続く地域では公務員になった後のキャリアが描けない

熊本市で上級職事務職の内定辞退が相次いだように、他の地方でも内定辞退者が最多を記録した地域が存在します。秋田県でも県職員採用者の辞退が相次いでいて、県単位で辞退者が多くなっているのです。

県職員採用、合格者の3分の1辞退 07年度以降で最多

https://this.kiji.is/568969240539202657

ポイントになるのが、地方の人口流出とキャリアデザインの難しさです。

人口が流出する地域では経済的な成長が見込みづらく、仕事が安定してもそれ以外の生活の不便さが気になるようになります。

人生設計をするにも経済の見通しは重要で、結婚や老後の医療などの不安まで伴うのがネックになります。

キャリア増が描けないのもマイナスです。公務員として出世ができても、他の選択肢をとることが難しくなるためです。副業禁止で地域に仕事を縛られるとなると、どうしてもためらう人が増えてしまいます。
売り手市場で若者が自分の働く場所を選ぶ主導権を握りやすくなっているからこそ、比較の上で魅力を感じないという層が増えているのです。

就職氷河期などチャンスがない層とのギャップが大きくなっている

地方自治体の就職事情といえば、宝塚市の就職氷河期世代を対象とした求人が話題となりました。日本全国から定員の600倍を超える応募が殺到し、先進事例の一つとなっています。

最新の情報では宝塚市に採用された4名の内2名が無職であったことが報じられています。

宝塚市 採用内定の「就職氷河期世代」4人のうち2人は無職

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191118/k10012181991000.html

同じ地方自治体の公務員採用でありながら大きな差になっているのが年齢です。

20代であればキャリアチェンジを含めた転職の自由と選択肢が多いものの、年齢を重ねるほどチャレンジが難しくなります。

無理に正社員を目指さずに派遣社員などをした方が給与が高くなることも珍しくなく、結果的に生涯収入が上がらないといった問題に繋がりかねないのです。

非正規雇用の待遇改善が進む一方で、転職や就職の自由度といった面では年齢を重ねた人間ほど不利になります。

チャンスが多い人と、逃せば次のチャンスがないかもしれない人では意気込みや熱意に差が出るのです。

就職や転職のための選択肢が多ければ企業や自治体が選ぶ側ではなく、自分が選ぶ側になれます。

選ぶチャンス自体が与えられなかった人のための救済制度の一つが就職氷河期限定の採用であり、今後民間企業にも広まっていく可能性があるのです。

意識的にキャリアを磨かないと選択肢が絞られていく

地方自治体の内定辞退者の増加は、そのままキャリアの選択肢や人口の増減といった問題につなげることが可能です。

人口が減っていく地域では将来の見通しを立てるのが難しく、商業面だけでなく公共料金や交通期間といった生活に密接に関わるインフラにも影響を与えます。

行政側が思い切った対策などに踏み切らなければ先細りが続く可能性もあるのです。

働く場所や選択肢が限られる中でキャリアを考えるのは難しく、都市部に移住するといった選択肢が魅力的に見えてきます。

大切なのは、自分がどのような環境に置かれているかを把握することです。

漠然と就職したい、転職したいと考えても、その後働き続けられるかは考える必要があります。

自分の理想の仕事についていても、自分の理想通りに成長できているかと考えると疑問符がつくケースもあります。

経済や人口など、仕事を取り巻く環境は常に変わっているため、都度見直しをしていかないと現実的ではなくなってしまう可能性もあるのです。

副業が解禁されて働き方の幅が増える職業が増えているからこそ、自分にとっての最適なキャリアや働く環境を考えるのも重要になっているのです。

容易に転職ができない場合は、副業をする、副業が難しい仕事であれば貯蓄の一部を投資に回すといった選択肢も現実的になります。

たとえば、内定辞退者が多い地方自治体に就職し、株式や不動産といった投資で収益を補うといった方法もあります。

公務員でもまったく副業ができないわけではなく、本業に支障がない範囲であれば許可されている投資なども存在するのです。

副業が禁止でも勉強が禁止されているわけではないため、いざという時の転職に役立つスキルを身につけておくことも可能になります。

意識的にキャリアを見つめなおし、時に修正することは重要です。急激な経済の構造変化や、法律の改正などに翻弄される業界も多いからこそ、意識的に情報を収集し、対応していくことが重要なのです。

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この記事のライター

  • しらたま。
  • 男性・37歳
  • フリーライター

Career Growth 編集部

ニュース編集 担当

株式会社ショーケースと株式会社レーザービームが共同運営・提供しているCareer Growthの編集部提供コンテンツ。

主として第2新卒、20代前半から30代後半までを主とした、グローバルな仕事・就職・転職の情報を扱う。