リクルートキャリア問題で転職者の個人情報保護が問われる|キャリアニュース

リクルートキャリア問題で転職者の個人情報保護が問われる

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政府の個人情報保護委員会は、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアがインターネットの閲覧履歴などを使って内定辞退率を算出し、契約先企業に販売していたと発表しました。

このことで問題なのは、リクナビとリクナビに内定辞退率の算定を依頼した企業双方が、閲覧履歴などの個人情報の利用を学生に知らせなかったことです。

今回、個人情報保護法による行政処分を受けたのはトヨタやホンダの子会社であるホンダ技術研究所などの37社でした。

リクナビの内定辞退率問題、トヨタやデンソー、ホンダ技術研究所など37社を行政指導、〔新聞ウォッチ〕

政府の個人情報保護委員会は、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアがインターネットの閲覧履歴などを使って内定辞退率を算出し、契約先企業に販売していたと発表しました。

このことで問題なのは、リクナビとリクナビに内定辞退率の算定を依頼した企業双方が、閲覧履歴などの個人情報の利用を学生に知らせなかったことです。今回、個人情報保護法による行政処分を受けたのはトヨタやホンダの子会社であるホンダ技術研究所などの37社でした。
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就活市場の変化に伴う採用難

内定辞退率情報提供のサービスは2018年3月にスタートしました。

リクナビ利用企業3万社のうち、38社のみのテスト段階のサービスで、登録学生の閲覧履歴から内定辞退率を5段階評価で算出し、その5段階評価を就活生の名前に紐つけて販売していました。

値段は他のサービスと合わせて、1シーズンあたり400万~500万です。8月1日に日本経済新聞がリクナビの内定辞退率販売について報道した時は、本人の同意取得について改善の余地があるとしてサービスの一時休止に留まっていました。

しかしその後、7983人分の同意取得ができておらず個人情報保護法に違反する恐れがあることが判明したことと、就活学生に対する配慮が欠け、サービスそのものの在り方に問題があったと結論づけたため、内定辞退率予測情報の販売は廃止になりました。

現在は少子化と好景気による就活市場における採用難で内定を出しても断られることは多くの企業で日常茶飯事です。

特に新卒市場でこの現象は顕著です。

1シーズン400万~500万円かけてリクナビを利用しても優秀な人材を採用することが難しいため、企業が学生に直接オファーを出すダイレクトリクルーティングや、社員の人脈を使ったリファラル採用、口コミサービスの利用などリクナビの利用以外の方法で優秀な人材の確保を検討する企業も出てきました。

リクルートキャリアが「内定辞退率予測の販売」という完全に企業向けのサービスをしたことも、このような市場変化に関係があるようです。

信頼を失ったリクルートキャリア

内定辞退率予測の販売について、リクルートキャリアは「内定辞退率はあくまで、就活生のつなぎ止めのために使うもので、採用の合否判断には使わないと企業と約束した」(担当者)と話していますが、約束自体に強制力はないので、本当に採用の合否判断に使われないという保証はありません。

そのためリクルートキャリアに対して、個人情報を外部へ提供する際に本人に同意を得ていないことと、就活生の内定辞退率の予測を企業に売るというサービスそのものに対して、「今回の件はどう見ても倫理的にアウト」「利用者が不利になるように働きかけて儲けるって、とんでもない裏切り行為。」などといった強い批判が出ました。

就活生からは、「怖い、不安、裏切られた」という声が上がっています。

リクナビの内定辞退率予測の算出にはAIが使われましたが、人材業界ではプロファイリングやデータ活用にAIを活用することが増えてきています。

そのため、今回のリクルートの問題を受けて人材業界各社には企業や大学から問い合わせが殺到しました。

就活支援サービスの関係者は、「弊社では内定辞退率の予測などは行っていません。大前提として個人情報は個人が保有する資産であり、大切に扱うべきという認識」「個人データの取り扱いは相当センシティブなところで、ユーザーの同意には相当気を使っている。ただ、リクルートの件が他人事ではない会社は他にもあるのでは」と話しています。

AI時代の個人情報保護

近年の就活市場は採用難で、企業には厳しい状況になっています。

そのような背景がリクナビによる内定辞退率予測情報の販売を引き起こした訳ですが、企業はそのようなデータ収集に頼るだけではなく、学生に内定を出した後に辞退されないように、待遇面や企業好感度などの改善をする必要があります。

また、今回の問題でAI時代に合った個人情報保護を考える必要があることが浮き彫りになりました。

個人情報保護法は個人の権利利益を守ることが最大の目的です。

それなのに本来なら学生を守るべき立場にあるリクルートキャリアが、個人情報保護法は誰を守るための法律なのかを考えずに、企業側の利益になるようなデータを販売していたのです。

この問題は、データ活用が大きな存在感を持ちつつある現代社会に、そのモラルとリスクのあり方を突き付けています。

AIを使ってウェブ閲覧履歴から個人の特徴や行動を予測・評価する情報処理をプロファイリングと言い、人事系の行動履歴分析サービスを「HRTech」と呼びます。類似のサービスにタレントマネジメントサービスがありますが、これは従業員の休職・退職リスクをAIで予測するものです。

これらの技術は人の役に立つ一方、私達の個人データが想像もつかないところで、想像もつかないような使われ方をするリスクがあります。

どんなデータが何に使われているかを開示する透明性の確保や情報の正確性に関して個人が関与できるような仕組み作りなど、個人情報保護法の改正も視野に入れたルール作りが必要になっています。

この記事のライター

  • M
  • 女性・41歳
  • 自営業