人手不足による影響で「需要増加への対応が困難」半数企業|キャリアニュース

人手不足による影響で「需要増加への対応が困難」半数企業

人手不足が深刻であることはすでに多くの人が認識しています。

町を歩いても、小さな商店街ではパート募集の張り紙もよく見かけますし、人手不足のために営業時間を短縮するお店も珍しくなくなりました。
もちろん、企業も同様に、人手不足のために常に募集をかけているところも少なくありません。

しかし、ある程度の規模のある企業となれば、人が足りないからと言って営業を停止するわけにもいかず、残った社員にしわ寄せがいっていることでしょう。

とりわけ今回のニュースでは、生産現場や営業など、どうしても人の手が必要な所で欠員が出ていることがうかがえます。

人手不足の部門・役割/2位「営業」3位「高度な技術を持つ従業員」

帝国データバンクは9月12日、「人手不足の解消に向けた企業の意識調査」を発表した。

従業員が「不足」している企業が半数超にのぼるなか、不足している部門・役割は、「生産現場に携わる従業員」(57.2%)が最も高く、「営業部門の従業員」(47.7%)、「高度な技術を持つ従業員」(37.0%)も高くなっている。

人手不足による影響は、「需要増加への対応が困難」が50.5%で半数を超えトップとなり、五輪関連などによる旺盛な需要が続く「建設」、荷動きが活発な「運輸・倉庫」などで高水準だった。
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人員が流動的な企業は未経験で現場に

たしかに、現在AIによる自動なども検討されていますが、そうしたツールを導入するには至らない企業も多く、まして、人のノウハウが必要な仕事では単純に自動化などはできないものです。

そのため、転職者にとって売り手市場の今、こうした分野であれば短期間で転職先が決まることが期待できますが、反面、人員が流動的な企業であれば研修などもままならないまま、未経験で現場に出され、結果的に企業の提供する商品やサービスの質が低下し、売り上げも低下するというスパイラルを誘発する危険性もあります。

同様に、専門スキルを必要とする仕事や、高度なスキルを持つ経験者についても人手不足とありますが、こちらも同様に、ある程度のスキルのある社員であれば転職に踏み切ることが少なく、応募者の母数が少ないと思われます。

最近は転職も珍しくなく、転職回数の多さが採用で不利になるようなことも少なくなっていますが、その反面、企業も社員の流出を防ぐために給与アップなどで彼らの足止めを図るところも多くなりました。

例えば、ブラック企業に通ずる点でもありますが、事務職などを大量採用した企業が社内での運営が思うようにいかず、採用者の勤務地や職種等を一方的に変えた結果、不満や不信感を煽り退職者が増えるという失敗は少なくありません。

その結果、転職情報サイトなどに内部事情を漏らされ、それを目にした人事担当者らが給与アップなどの対策を講じ、一時的に流出を食い止めるという方法があります。

採用する企業側の感度が低く、市場とマッチしていない

ある程度スキルを蓄えた社員を逃がすことは、企業にとってもマイナスになるため、育った社員は逃がしたくないというところが多いでしょう。

それゆえ、研究職や部門管理、経理、労務などのスキル保持者は採用が難しくなっています。

また、採用する企業側の感度が低く、市場とマッチしていない点も問題です。

例えば、いまだに大手企業の事務などは、残業が少なく土日もしっかり休めるからと、給与を17万円台で提示している企業があります。

もちろん、老舗企業や大手、業績が安定しているからこその自信と言えますが、今は事務職であっても社会人経験のある転職者を雇おうとすれば、不利な条件と言えるでしょう。

というのも、若い企業などは転職者が集まっている傾向があり、それゆえ転職市場の感度も高く昨今の空気を理解しています。

それゆえ、どの程度の条件であればほしい人材が確保できるのか目安を立てるのがうまく、ある程度魅力的な給与や待遇を提示できるのです。

自社の欲しい人材のアンテナに引っかかりそうな要素を上手にPR

実際には、遅い時間までの残業が続く仕事であってもフレックス制を導入している点をアピールしたり、IT関係であれば、リモートワークができる点を強調したり、小さなデザイン系の会社であれば、シェアオフィスで最新の設備の中で仕事ができる点をアピールするなど、給与のほかに、自社の欲しい人材のアンテナに引っかかりそうな要素を上手に盛り込んでいます。

それゆえ、若手は修行期間と思って給与への不満は漏らさないもの、という従来の考え方を貫いたがために、応募者は多くとも欲しい人材が来ない、というミスマッチが起こることもあります。

生産現場で人材不足な点としては、そうした従来の体質が時代と合わなくなっている点も挙げられるでしょう。

オリンピックに向けて人材不足が起きているといえますが、建設などの業界はかつてのハードワークを良しとした風潮があり、土日祝日も関係なく働き、代休も出社し、働きづめという上司が少なくありません。

そうした現場では、働き方改革が叫ばれる今は過去の価値観となりつつあります。

また、生産現場というと、古くからの老舗も多く、取引先が多い下請けとなれば、寧ろ大手企業の働き方改革のしわ寄せが行きやすい現場でもあります。

大手の不動産会社、資材会社、工場などがきちんと時間内に終えられても、納期は短く人手も足りないとなれば、結局は下請け業者がその分を埋め合わせるという形になります。

そのために、昨今の改革の空気などは流れ込みにくくなっており、それゆえ離職者も多いことは想像に難くありません。

転職者にとって売り手市場の今、企業も魅力的な条件を提示する傾向にありますが、やはり募集要項をよく見ると過去に比べ夏季休暇を掲示する企業が減っているのがわかります。

つまり、働き方改革導入により、有給消化率を上げるために社員の「夏休み」を削った形です。

以上の事からも、人手不足を補うために、好条件の募集を掛けつつも、実は社員をお得に使いたいという企業側の意図が透けて見えます。

私たちにとっては嬉しい売り手市場だからこそ、やはり企業選びの目は、より一層養わなければならない時代になったといえます。

この記事のライター

  • ひろの
  • 女性・32歳
  • IT企業広報

Career Growth 編集部

ニュース編集 担当

株式会社ショーケースと株式会社レーザービームが共同運営・提供しているCareer Growthの編集部提供コンテンツ。

主として第2新卒、20代前半から30代後半までを主とした、グローバルな仕事・就職・転職の情報を扱う。