「地方×複業」の可能性を諦めず取り組むことが重要|キャリアニュース

「地方×複業」の可能性を諦めず取り組むことが重要

都市部で働きながら、専門性や経験を生かして地方の企業などでも活躍する「複業」の考え方を広め、熱海市を活気づけたいといった、地方発の複業サイトが開設したと静岡新聞が報道しました。

温泉地として知られる熱海での就業に関心のある人と事業所を結び「人材不足解消や活性化を支援したい」と意気込んでいるということです。ここでは、地方×都市の複業状況を解説し、今後の動向を紹介していきます。

熱海発「複業」のススメ 編集者・水野さん、経験基にサイト始動

4 都市部で働きながら、専門性や経験を生かして地方の企業などでも活躍する「複業」の考え方を広め、熱海市を活気づけたい―。自身も熱海と東京を行き来する編集者の水野綾子さん(34)が今夏、情報サイト「サーキュレーションライフ」の運営を開始した。

熱海での就業に関心のある人と市内の事業所を結び「人材不足解消や活性化を支援したい」と意気込む。
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解決策として注目されるのが「複業」

人口減少や高齢化で地方の人手不足が深刻になってきています。解決策として注目されるのが「複業」です。都市部で働きながら、地方でも働くという新しい複業のスタイルが広がっています。国が声高に進める「地方創生」の一翼を担うため、複業への期待感と役割は大きいのも事実です。

人口減少と東京一極集中が加速化し、現在、地方は衰退の一途をたどっています。

総務省が2019年7月10日に発表した、住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数の調査によりますと、日本の人口が1年間で43万人減少したと発表しました。

日本はで一番人口が少ない鳥取県の人口が56万人であることを考えますと、ひとつの県がなくなる勢いで人口が減少していることが理解できると思います。

人口が増えた都道府県は多い順に、東京(7.3万人)、神奈川(0.4万人)、沖縄(0.2万人)、千葉(0.2万人)、埼玉(0.1万人)で、それ以外の都道府県はすべて減少しました。

新聞報道のように、静岡県、熱海市を含め若い世代は都市部に出ていき、残っているのは高齢者世帯が多いのはどこの地方自治体も同じです。近年は、地域の集まりがあると「将来、この地域はどうなるのだろう?」と人口減少が話題に上がることが増えてきています。

また、地方企業にとっても最も深刻な問題となっています。私は時々、地元企業の経営者と話す機会があるのですが、「人手が足りない」や「後継者がいない」の切実な声が出ています。

これらの現状に、「将来、この地域はどうなってしまうのだろうか」、「このままでいいのか」と疑問を持つ人が増えているのです。

働き方改革で社員の副業・兼業を容認する企業は増加傾向

報道では、「熱海に限らず地方では若年層の減少が進み、人材不足に悩む企業が多い。

一方、働き方改革で社員の副業・兼業を容認する企業は増加傾向にある。「地方企業と『複業』を希望する人をつなぐ仕組みができれば、双方のメリットになる」とサイト開設を思い立った」と伝えています。

そこで、地方を軸にする働き方をどのような事が考えられるか探っていきます。やりたい仕事をしつつ、区や神社、公民館、消防団、町内会・自治会などの地域の活動にも参加できることがメリットと考えられます。

「地方が軸で、都市部の仕事をする」人が増えると、東京一極集中を解消しつつ、地域も維持できる一助になると考えられます。

実際に複業を始めた人は「もし、今の会社でも働きつつ、地元の会社でも働くことができたら、緩やかに、安心して地方に移住できると思います。

また、地方の会社が複業を始めたら、首都圏で経験を積んだ、移住を望んでいる人材と出会うきっかけになるかもしれません」と考える人が増えています。

都市部には、「地元や地域の役に立ちたい」と思っている人がたくさんいると言います。

一方、地方の企業は人材不足に悩んでいるのです。両者をマッチングできたら、お互いの困りごとを解決できるのと考え、熱海市の事例のようなサイトが立ち上がるケースが増えているのです。

「いままで、地方創生と言えば移住推進だったけれども、移住はかなりハードルが高い。それならば、地方で複業からはじめてはどうか?」と提案したいと考えています。

つまり、仕事を通じて「都市部のビジネスパーソンと地方の企業をつなぐ」ことが重要と思います。いきなり移住しなくてもいいと思いますし、「普段はリモートワークで、月に1回出勤」のようにすれば、定期的な人の流れができるのではないでしょうか。

問題点として考えられるのは、「片足だけ突っ込んだ地方での複業はあまり望まれていない」、「住民票を移してもらわないと住民税も地方交付税も入ってこないので、あまり意義はありません」など、否定的な意見もあります。

「地方×複業」の可能性を諦めず取り組むことが重要

しかし、「地方×複業」の可能性を諦めず取り組むことが重要と思います。地方の企業と都市部の人材をマッチングするためには、両者をつなぐ「仕組み」と「地方自治体の協力」が不可欠なのではないかと考えます。

なぜかと言いますと、個人が取り組もうと思うとリソースが圧倒的に足りない問題に直面します。地方創生は地域全体の課題であるからです。

ある企業が、利益のためだけに仕組みをつくるよりも、「地域みんなで」取り組む形にしたほうがウィン・ウィンの関係につながるのではないでしょうか。

そこで、熱海市のような取り組みが重要視されるのです。「副業」と言えば一般的に、本業以外で「稼ぐ」ことをイメージします。そして、労働時間や報酬など「条件に見合った仕事」を探そうとします。しかし最も大事になるのは、「条件のマッチング」ではないでしょうか。

「稼ぐ」ことが目的ならば、わざわざ地方で複業しなくても、都市部のほうが仕事はたくさんあると思いますし、金銭的な効率もいいのは言うまでもありません。

また、都市部のWebエンジニアが、地方企業のホームページを制作することは、別段、特別な話ではないように、都市部の人が「利益のためだけ」に地方の仕事をするのなら、わざわざ「地方×複業」なんて考えなくてもいいのです。

それでも、地方で複業に取り組むのは、「稼ぐこと」が第一の目的ではなく、「地元や地域の役に立ちたいという想い」が強いのではないでしょうか。地方×複業では、この「想い」がもっとも大切ということが理解できると思います。

これは、地方の企業にも言えるでしょう。都市部の人材を「単なる労働力」「単なる手足」のように見ているとうまく行かないのです。

地方の企業として、将来目指したいビジョンがあるなど、その「想い」の実現のために頑張っている人は大勢います。しかし、それを実現するためには、リソースや専門的な知識が必要となります。

「想い」をもった都市部の人材とつながるためには、企業にも、「将来目指したいビジョン」が必要になります。

また、行政機関や地域の人の意識の変革が必要になります。まずは、地域に関心を持ってくれた「想い」に感謝し、「この地域に関わってよかったな」と思っていただけるような、ファンになっていただけるような関わりが必要になってくるのです。

いかがでしたでしょうか。複業を進める上で、最も大切になることは、それは、地方の企業と、都市部の人材と、地方自治体の「想いをマッチングすること」と言えるでしょう。

都市部のビジネスパーソンと地方の企業、そして、地域を「想い」でつなぎ、そして、働く環境やツール、その上で機能するコミュニケーションやチームワークを整える。そうすれば「東京でも働きながら、地元や地域の役にも立つ」ことが実現できると思います。

そして、近い将来、人口減少は危機ではなく、自分がやりたい仕事をしながら、地域の役にも立つ働き方ができる機会に生まれ変わると考えると、複業を前向きに捉えることができるのではないでしょうか。

この記事のライター

  • JS
  • 女性・41歳
  • ウェブライター

Career Growth 編集部

ニュース編集 担当

株式会社ショーケースと株式会社レーザービームが共同運営・提供しているCareer Growthの編集部提供コンテンツ。

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