転職で収入増が過去最高、若手のキャリア志向の変化|キャリアニュース

終身雇用制度の崩壊と若手のキャリア志向の変化

以前の日本では、終身雇用制度を前提とした会社選びや年功序列に伴った賃金などが当たり前だったように感じます。しかし、ここ最近になって、転職をすることを前提とした就職活動や会社選びが目立ってきています。

これは、新卒採用の枠として、ベンチャー系企業などが手を挙げて良質な人材を探すようになってきたからではないか、と考えられます。

「転職で収入増」過去最高に 18年37%、人手不足映す

厚生労働省が21日に発表した2018年の雇用動向調査によると、転職に伴って賃金が増加した人の割合が前年に比べ0.6ポイント高い37.0%となり、比較可能な04年以降で最高水準となった。

転職後に賃金が1割以上増えた人は25.7%となった。

人手不足を背景に、企業が賃金を引き上げて必要な人材を確保する動きが強まった。転職しても賃金が上がりづらい状況から、労働需給を反映する市場に変わる兆しが出ている。
続きはー「転職で収入増」過去最高に 18年37%、人手不足映す|日本経済新聞

将来的なビジョンがそもそも転職を前提としている

自分が就職活動の際には、ベンチャー系企業の説明会ではほとんど転職を前提としたスキルアップとして、是非弊社を受けてくれといった表現が多数見受けられました。

また、自分の大学のOBやOGで、有名な広告代理店など活躍している人たちも、一度はベンチャー系企業に入った、もしくは一度起業をした後に転職をして今の会社に入った、など多数の会社経験を経ていることがわかりました。

このように、新卒採用において最初に入る会社を第一ステップとして、将来的には大手企業を目指すといった人たちが増えてきているのではないでしょうか。

こうした将来的なビジョンがそもそも転職を前提としている場合、転職に成功した際には大手企業に即戦力として入るため、新卒で入るよりも賃金が高くなる傾向にあります。

また、同時に最初に入る会社が中小企業であるケースがあるので、結果として賃金が高くなる統計が取れるのではないでしょうか。

また、会社によっては経営方針で新卒採用を一切とらないといった会社も存在します。

例えば、映画の配給会社では大手の東宝・松竹・東映などは新卒採用をしているものの、アスミックエースやギャガをはじめとした配給会社では新卒採用を行っていません。

同様に、広告代理店や名前は有名な会社があったとしても、採用のページは中途採用しか記載されていない、などもよく見かけます。

このようなある種の人気な業界は、新卒採用を行っていないケースが大半を占めているように感じます。しかし、中途採用の給与欄などを見ると一部大手と同じような賃金が書かれている会社も多数あります。

このように業界によっては新卒採用でそのジャンルに入れる会社が極めて少なく、結果として門が狭い場所も存在します。

その場合、前述の通り新卒入社を第一ステップに考えてしまう傾向に結果として出てきてしまいます。ただ、入ってしまえば給与は非常に満足のいく金額が出てしまう場所が多いので、統計上ではこのように反映されるのではないでしょうか。

20代の転職において賃金が高くなる傾向

ただ、新卒採用や中途採用など、近年の状況を見るのも重要ではありますが、今回のニュースで最大に注目をするべき点としては、20代の転職において賃金が高くなる傾向にあり、逆に50代以上の人たちは転職後に賃金が下がっている傾向にある点だと思われます。

20代が転職後に賃金が上昇するのは、前述の通り日本は終身雇用制度という概念がもはや薄まりつつあり、結果として転職があることを前提とした新卒入社があるから統計的にも賃金上昇に反映がされるということがわかります。

しかし、50代以降の減少に関しては時代背景が大きく影響を及ぼしています。

日本では現在、年金の支払い年齢が上昇する話や、老後2,000万円が必要になるなどの問題をはじめとして、まだ働ける高齢者のボーダーラインを少しずつ上げているように思われます。

老後資金をどうするかなど、50代と定年退職が近づいてきた社会人の方々は不安になり、結果として定年退職をしてもさらに働ける場所を探して転職をする傾向が今回の統計で出ているように思われます。

そのため、賃金が安くなっても構わないので引き続き働ける場所を探す人たちが増えた結果が今回のニュースに反映されている統計ではないでしょうか。

IT系の会社は引き続き労働需要と供給が一致していない状態

しかしながら、その一方でIT系の会社は引き続き労働需要と供給が一致していない状態が続いています。

特に、フリーランス系の仕事だと軒並みサイト経営など、IT系の依頼が出てくる傾向にありますので、依然として労働の手を欲しがっている業界であることがわかります。

もし、高齢者になっても引き続き働きたい・働けるという意欲があるようでしたら、賃金が下がっても働ける企業を探すべきか、フリーランスをはじめとして副業などで働くという新しい道を見つけるべきではないでしょうか。

もう一つ着目できる点としては、パートタイマーが転職後に賃金が上がる傾向にあることです。

これは、基本的にパートタイマーで働く人々にはいまだに主婦が多い傾向にあります。

しかし、主婦でも働く人が増えてきているということは、日本の概念として女は家を守るもの、男は働きに出ること、といった考え方が薄まってきているのではないか、と推測がされます。

特に主婦は子供や家計を支えるためにパートタイマーに出ている人たちが多いため、結果として転職をする場合、職場に対する不満なども退職理由になりますが、やはり賃金の上昇が見込めるならそちらに移動する、という考えになるのではないでしょうか。

このように、人材が流動的に動く世の中だからこそ、人材を確保したい企業が提示する賃金が高くなり、それに目がいった希望者がその賃金に魅力を感じて転職をする、というケースが今回のニュース・統計で考えることができます。

この記事のライター

  • ゆいか
  • 女性・25歳
  • 会社員

Career Growth 編集部

ニュース編集 担当

株式会社ショーケースと株式会社レーザービームが共同運営・提供しているCareer Growthの編集部提供コンテンツ。

主として第2新卒、20代前半から30代後半までを主とした、グローバルな仕事・就職・転職の情報を扱う。