キャリア組の国家公務員すら人材難?働き方改革|キャリアニュース

学歴を揶揄するのは差別的発言か?学歴差別とは?

国家公務員総合職、いわゆる「キャリア」と呼ばれる公務員を志望する学生の数が減少しています。

前身の国家公務員一種試験のころのピーク時の志願者数と比べても、半数以下となっています。
学生の深刻な公務員離れが顕著になっているのです。

この現象のポイントは大きくわけて2つあります。

国家公務員離れ 有為な人材確保へ対策を急げ

キャリアと呼ばれる国家公務員を志す学生の減少が止まらない。原因を分析し、多角的な対策を講じるべきである。

今春の総合職試験への申込者は約1万7000人にとどまり、前年度より1割減った。前身のI種試験ではピーク時に約4万5000人の応募があった。公務員離れは深刻だ。

最近の好況を反映し、採用意欲の高い民間企業に学生が流れている側面はあるが、中期的な要因にも目を向ける必要がある。

官僚組織は戦後の経済成長をリードしたが、1990年代以降は汚職や不祥事が相次いだ。国民の視線は厳しい。多くの学生は、公務員に将来のやりがいを見いだせないと感じているのだろう。
続きはー国家公務員離れ 有為な人材確保へ対策を急げ|読売新聞

景気の回復による民間企業の人気の上昇

まず1つ目は、「景気の回復による民間企業の人気の上昇」です。

民間、とくに大手総合商社や外資系銀行などの1年目の給料は、国家公務員の数倍あります。

若手時代、激務と薄給に耐えながら仕事を覚えて、後に国の政策に大きく影響を与える立場を目指すよりも、商社や外資で若い頃から高収入をもらいながら、グローバルでダイナミックな仕事を行うほうが合理的且つ楽しい、と判断する学生が増えてきたからです。

景気の上昇は公務員人気の下降を意味しています。

働き方や価値観の多様化

2つ目は、「働き方や価値観の多様化」です。

以前は東京大学に入る、国家公務員総合職試験に合格する、事務次官等国の中枢機関の要職に就く、ことはまぎれもないエリートコースでしたし、現在でもエリートコースであることは間違いありません。

しかし、エリートだから人生が幸せであるか、と問われた際必ずしもそうであるとは限りません。
テレビなどでたまに放送されますが、官僚の仕事は国会答弁の作成や、政策の立案など非常にハードで責任の重いものばかりです。

1日の仕事が終了する頃には終電に乗ることはできない、と言われています。

これほどきつい思いをしてまで、なぜ働くことができたかというと、自分たちが国を動かす大事な決定をしているのだという「自負心」と日本という国をより良くしたいという「使命感」があったからです。

しかし今は、物質的に豊かになり、SNSなどの普及で簡単に他者とつながりを持つことができるようになったことから、多様な価値観にさまざま形で触れられるようになりました。「ある程度稼いだら、あとは自分の好きな趣味などを行い、人生を楽しむ」という考え方が一般化してきました。

その様な傾向が東大をはじめとした、国内のエリート大学に通う学生たちの間にも浸透してきているのです。

昔のように、猛烈に働いて組織内で徐々に頭角を現していき、最終的に富と権力を得る、という働き方はある種の「ハングリー精神」が伴うものでした。

もはや日本国内では猛烈に働く必要などなく、ハングリーさもさほど必要ではありません。
特別な贅沢をしなければ、何をしても生きていける社会になったのです。

公共性の高い仕事ですから、公明正大でなくてはならないとは思いますが、少々度を越した非難がなされることもあります。
犯した罪や不祥事そのものではなく、官僚制そのものの批判も見受けられます。

このように、過剰な批判を受ける恐れが常にあるのいであれば、最終的にキャリアや他の公務員になろうとするものが減っていくのも当然の結果です。

私は現在40歳代で、普通の会社員をしていますが、地方でも明らかに公務員の人気は落ちてきたと言えます。
20年前、国内の就労環境は明らかに供給が需要を上回っており、「就職氷河期」と言われていました。

このときの就職先として、大人気だったのがキャリアをはじめとした公務員でした。

安定した給料や充実した福利厚生、不祥事や犯罪を犯さない限りクビになることがない、などその当事の民間企業の待遇から考えれば破格ともいえる労働環境を求めて、多くの
学生たちが殺到しました。

よって、優秀な学生達も数多く公務員を目指し、倍率も数十倍、数百倍といった非常に狭き門でした。

若くて優秀な学生がキャリアを目指すような方策を打ち出す必要

しかし、世間の過剰な公務員叩きや民間企業の景気の回復で公務員人気がなくなってきたことに、個人的には非常に強い危機感を感じています。
国の中枢を担う立場で働く人は、絶対に頭脳明晰でなくてはなりません。

場合によっては己の利益を度外視してでも、国の利益を考えて行動できる、まさしく「全体の奉仕者」になることのできる人が必要なのです。

よって、若くて優秀な学生がキャリアを目指すような方策を打ち出す必要があります。

キャリアに優秀な人材が集まらないと、優れた政策を打ち出すこともできない、適切な予算配分ができない、諸外国との折衝ができないなど、結局は、私たち国民に
とって不利益になるのです。

自分の好きなことを好きなだけしながら生きていけるのは、安定した国家体制が出来上がっているからです。

キャリアの給料を上げる、労働時間を短くして負担を減らすなどの昨今の働き方改革に沿った労働環境を整備して、少しでも多くの優秀な人材が集まるようにしないと、いつか
国そのものの機能がうまく作用しなくなる恐れがもうそこまで来ています。

この記事のライター

  • tk
  • 男性・44歳
  • 学生

Career Growth 編集部

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株式会社ショーケースと株式会社レーザービームが共同運営・提供しているCareer Growthの編集部提供コンテンツ。

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