雇い止めによる企業のブランド毀損と雇用リスク|キャリアニュース

雇い止めによる企業のブランド毀損と雇用リスク

契約社員や派遣社員が同じ会社に一定期間務め続けた場合、無期雇用になるルールが出来上がっています。

実際に施行されているものの無期雇用期間を前に雇い止めをするケースも相次いでおり、厚生労働省も対策に乗り出しています。

しかし、その中で東京地裁で雇い止めがあったことを無効とする全国初の判例が誕生しています。この判決は今後全国に影響を与える場合があり、働く側も雇用する側も意識しなければならないポイントになっているのです。

KLMの雇い止め無効、東京地裁 乗務員の無期転換認める

契約社員だった客室乗務員の女性3人が無期雇用に転換する申し入れを拒否された上、雇い止めにあったのは無効として、KLMオランダ航空に職場復帰と未払い賃金の支払いを求めた労働審判で、東京地裁が雇い止めを無効と判断したことが20日、分かった。3人が加入する労働組合が明らかにした。言い渡しは19日付。

 審判では訓練契約を含めた有期契約期間が5年を超えており、期間の定めのない契約が成立するとした。弁護団によると、無期転換ルールを巡り裁判所が雇い止めを無効と判断したのは全国初という。

続きはーKLMの雇い止め無効、東京地裁 乗務員の無期転換認める|Yahoo!ニュース

雇い止めはなぜ起きるのか?経営者は実態把握しているか?

まず、実際に裁判が起きている点に注目が必要です。裁判が起きると企業の名前やどのような問題があったかが報道などで明らかにされます。

企業側のリスクが大きいため、企業側はリスクがあることをしって慎重に対処する必要があるのです。

人事担当者や所属の上長が独断で行った場合などであっても、企業のブランドや信頼性に傷がつく恐れがあります。契約に関する認識の甘さが企業の経営リスクに直結しかねないのです。

現場の担当者だけでなく、経営者も含めて危機意識を共有して最悪の事態を避けなければならないのです。今までは大丈夫だったは通用しないこともポイントになります。

裁判の費用も考えることも必要です。雇用を争う裁判で企業側が敗訴した場合、裁判の費用なども企業側の負担になります。

訴訟が長引けば費用がかさみ、それだけ負担が増す可能性があります。訴訟は経営を圧迫する要因になるため、早め早めにトラブルを解決していく意識が必要です。

判断がつかない場合は早めに弁護士を雇って対応を行い、解雇自体を撤回するなど妥協が必要な場合もでてきます。重要なのは企業へのダメージを最小限に抑えることであり、プライドを守ることではないからです。

労働者の権利意識が高まっていることにも理解が必要です。労働者を雇い止めしようとしても、担当者よりも労働者側の方が法律などに詳しい可能性もある状態なのです。

人事担当者や法務関連の仕事をする人は常に最新の法律に対応するように知識のアップデートが必要で、アップデートが遅れればそのままリスクが増す可能性があります。

労働者側の法的保護知識は十分備わっているか?

労働者側の視点に立った場合、最新の法律を学んでいなければ対処が遅れる場合や、不当な解雇がありえる状態であることにも理解が必要です。

会社側が常に法律を遵守するとは限らず、一部担当者の独断で違法な判断や、グレーゾーンの判断が行われる場合もあります。自分の権利をしっかりと主張することは大切で、主張をしなければ自分の人生が台無しになる可能性もあるのです。

また、就職先や転職先を選ぶ上で法令を遵守する企業であるか、口コミサイトなどで悪い口コミなどがないかチェックするのも方法になります。

過去に労働者の保護意識の薄さから炎上した企業なども存在するため、事前に情報を収集することも大切です。

ニュースで見落とされがちなポイントもあります。

これは労働組合の存在です。企業に労働組合があるかは意外と重要で、企業側の相談窓口が機能していない場合は労働組合が交渉を代行してくれる場合もあります。今回のニュースでも雇い止めは無効という判決があったと公開したのは労働組合経由になっており、しっかりと機能していたことがわかります。

自分の身を守るために労働組合がある企業に就職する、所属するということも選択肢です。

労働組合が形骸化している企業も存在しますが、労働条件の交渉などに力を発揮してくれることは多く、働く人間の権利を守る組織があるかどうかも就職や転職に影響するのです。

今回のニュースであれば労働組合の働きを評価し、ある程度働く環境が守られている会社であると見ることもできます。

働く環境が守られている会社を選ぶ

実際にルールができる前に雇い止めを頻繁に行っていたかを確認するのも方法です。

こちらも口コミなどが中心になり、精度が低い情報になるものの、非正規社員の扱い方でその企業の体質が透けて見えることが多いからです。人材の採用に積極的で、中途採用も積極的に行っているならそれだけ働きやすい環境があると考えることができます。

同様にどの程度の人が定着しているかをチェックし、短期でやめる人がいない環境であれば企業としての評価もあがります。

逆に非正規の雇用に厳しく、人材が頻繁に流出している企業であればブラックではないかという疑惑が生じます。給料は高いのに常に求人がで続けている状態であれば、それだけ抜ける人が多いか、採用基準が厳しいのかという情報が見えてきます。

しっかりと人材のマッチングが行われている場合は求人が出る頻度も減るため、人の流れで企業の信頼性をチェックするのも方法なのです。

問題が発生した時ほど、企業体質や労働組合の力が見えやすくなります。実際は問題が発生する前にどちらかが問題を食いとめている場合や、企業を離れる人がいるのです。

企業などの組織に所属する場合は、自分に何ができるのか、その中で頼れる組織などが会社とは別にあるかが大切になります。

もし会社に問題があり、頼れる組織がない場合は弁護士や労働基準監督署に相談するなどの自衛の意識も重要です。

就職、転職前に問題がない企業かチェックしてリスクを回避することは労働者が身を守る上で重要な手段になっています。

企業側も厳しい視線で見られることを理解したうえで、イメージ戦略のために法務に対する意識を高めるなど工夫が必要な時代なのです。

この記事のライター

  • しらたま。
  • 男性・37歳
  • フリーライター