人は訪れても需要を取り込むのに失敗した?長崎市の事例|キャリアニュース

人は訪れても需要を取り込むのに失敗した長崎市

この記事のライター

  • しらたま。
  • 男性・37歳
  • フリーライター

人口の減少が進む日本では、いかに訪日客を呼び寄せ観光産業を発展させるかが重要な課題となっています。

国土交通省内管轄で観光庁が設立されるなど政治の力も入っている分野であり、自治体が誘致を進めて地域の活性化に結びつける先進例も誕生しています。

需要の拡大を見込んで人材を集める企業などがある一方で、あてが外れる例がでているのもポイントになっています。

豪華客船にお金持ちは乗って来なかった~クルーズ船寄港地の憂鬱

「百害あって一利なしだ。」長崎市であった中小企業経営者のある集まりで、地元の中小企業製造業経営者が厳しく批判するのは、海外からのクルーズ船の寄港だ。

別のサービス業経営者も「これ以上、税を投入して国際航路のバースを大型化するなどというのには疑問を持っている」と批判的だ。

続きはー豪華客船にお金持ちは乗って来なかった~クルーズ船寄港地の憂鬱|Yahoo!ニュース

長崎市の例はただ観光客を呼べば地元にお金がおとされるわけではないという例になっています。

長崎県では2009年に長崎県クルーズ振興協議会が設立され、豪華客船を中心としたクルーズ船の誘致に成功しています。

長崎港松が枝地区旅客船ターミナル整備事業の成果もあり、2010年頃には10万人未満だった乗客数も、2017年に77万人、2018年には70万人と大幅な増になっているのです。

しかし、長崎市内、特に中小企業は恩恵がほとんど受けられない現状が浮き彫りになっています。

ポイントになるのは、クルーズ船で訪れた訪日客のほとんどはバスツアーで大型の観光地に行ってしまうことです。

免税ショップなども人気で、寄航した町でお金を落とすとは限らない状態になっているのです。

クルーズ船さえくれば後は消費が上向くというあてが外れた形であり、人は訪れても需要を取り込むのに失敗した形が浮き彫りになっています。

一方で、訪日需要をうまく取り入れているのがハウステンボスといった大型の観光施設です。

ハウステンボスの決算書はオフィシャルサイトで確認できますが、年々売上高は増加しています。同じ観光地でも明暗が分かれる形であり、ただ誘致するだけでは偏りが生じることを示唆する事例にもなっているのです。

記事中でも触れられているのが、市内観光で収益をあげたいのであればどの程度しないの中小企業にプラスになる優遇策を打ち出せるかが重要になります。

ただ誘致しても魅力の打ち出し方が弱ければ一部の施設などに利益が偏る可能性があるからです。

また、中小企業側も訪日需要を掴むための方策をどれだけ打ち出せるかが課題になります。

中国からの訪日客であればキャッシュレス化が進んでいることなどにも理解が必要です。特に「支付宝(アリペイ)」を利用した決済網や送金網が普及しているため、決済方法から工夫をしないと訪日客を取り込めない可能性があるのです。

鍵になるのが日本政府もキャッシュレス化を推進していることです。中小企業が電子マネーの決済に二の足をふむのは、数%という利用手数料を負担に思っているからです。

何処まで普及するかは自治体や中小企業も含めてどこまで真摯に需要にこたえられるかが影響しています。

そのため、様々な補助金を用意するなど政府側も課題解決のための方策を打ち出しているのです。

働く側が気にしたいのは、自分が所属する企業がキャッシュレス化に対応できるかです。

新しい経済の形を作らなければ企業の生き残りにかかわる可能性が高くなります。キャッシュレス化に対応するためのノウハウがお金になるのもポイントで、提案ができるかどうかでも人材としての評価がかわる恐れがあります。

地域経済で考える場合は個人や一社の話だけでなく、複数の人を巻き込んでいく必要があるのが鍵です。

地域経済でビジネスをしたい、地域の観光で働きたいという場合は、政策や民間の観光誘致だけでなくその先の需要を掴めるかまで考える必要があります。

Career Growth 編集部

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株式会社ショーケースと株式会社レーザービームが共同運営・提供しているCareer Growthの編集部提供コンテンツ。

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