ニュース論議|「理系新卒1000万円」理系バブル?それとも時代の必然?

「理系新卒1000万円」理系バブル?それとも時代の必然?

この記事のライター

  • なおき
  • 男性・35歳
  • 営業職

理系新卒1000万円。理系バブルと言っても過言ではないようなニュースが飛び込んできました。

もちろん入社した全員がもらえるわけではありません。

しかし新卒1000万円の響きはこれまでの理系分野における年功序列型賃金制度に一石を投じるものになるでしょう。

NEC新野社長「新卒年収1000万円、世界では必然」

NECの新野隆社長は10日、社外の評価を反映して若手研究者の報酬を決める制度を2019年10月から導入する背景を語った。「グローバルでの競争を戦うには、国内の制度を変えていく必要がある」と話し、人工知能(AI)などの優秀な人材の獲得を巡る世界的な競争に対する危機感をあらわにした。

詳しくはー「NEC新野社長「新卒年収1000万円、世界では必然」 日本経済新聞をご覧ください

また、他の企業にもこれに追随する動きがあるようです。

さて、気になるこの新卒1000万円の条件ですが、新卒の研究職のうち
①著名な学会で論文を発表
②すでに起業をしていて成果を上げている、

の二点が評価対象になるようです。

いずれも簡単な条件ではありませんが、NECは単にエリートが欲しいというわけではなく新たな市場を戦っていけるだけの野心とアイデアを持つ社員が欲しいように見えます。

まず初めに、このニュースには二つの側面があります。

一つ目は、将来的にテクノロジー分野が大きな市場になることが見込めるので、そこに向けての優秀な人材を確保する需要。

そして二つ目は、その目的を達成するための理系カテゴリーにおける給与体系の見直しです。

一つ目のテクロノジー分野についてですが、この新卒1000万円の背景には、AIやIoT分野におけるIT人材確保が大きな狙いにあるようです。

AIについてはご存じの方も多いと思いますが、人工知能による自動車の自動運転の試みなどが有名です。

IoTについてはInternet of Thingsのの略語で、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。

モノのインターネット – Wikipedia

モノのインターネット(物のインターネット、英語: Internet of Things:IoT)とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。

それによるデジタル社会(クロステック)の実現を指す。現在の市場価値は800億ドルと予測されている。

経済産業省が推進するコネクテッドインダストリーズやソサエティー5.0との関連でも注目を集めている。近年ではIoTに次ぐ技術として、ヒトのインターネット(Internet of Human:IoH = ヒトがインターネットと繋がる)、能力のインターネット化であるIoAが言われている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/モノのインターネット

地球上にあるさまざまなモノをインターネットでつなぐことにより、より便利な社会にしていこうとする試みです。

工場の管理や農場のモニタリングなどでの市場拡大が見込まれています。

これらのテクノロジー分野は世界的に注目されていて、例えば昨年のフランスではマクロン大統領がAI分野の開発支援に15億ドルを支出すると発表しました。

次に、二つ目の給与体系についてですが、今回の変更では新卒ではなくすでに入社している研究職、技術職も基本給が引き上げられボーナスの上限が撤廃されています。

個人の営業利益が数字として出てくる文系就職では実力主義の給与体系の導入は比較的容易でした。

しかし、理系の場合は短期的に赤字でも中長期的に見れば大きな利益を出すような研究もあるため、給与体系の実力主義化はなかなか簡単には構築できないものでした。

しかし、今後は日本の企業も世界基準に従って理系の給与体系を実力主義化していくのではないかと思われます。

すでにアメリカのインテルやエヌビディアなどは実力主義型の給与体系になっていて優秀な研究職は大金を稼いています。

プロスポーツ選手のような引き抜き合い合戦も見られます。

また、社員の多国籍化も進んでいて各国の優秀な研究者がアメリカに集まっています。

日本の企業も近い将来そういう状況になっていることは想像に難くありません。

以上NECの給与体系の変更について説明しましたが、一言でいえば、長年にわたって守り続けてきた給与体系を変えるぐらいテクノロジー分野の市場はうま味があるということです。

これらの分野を専攻している方や就職を考えている方にとってはとても喜ばしいニュースだったのではないでしょうか。