高卒者向けの転職活動と履歴書・職務履歴書のポイントを解説

転職を検討している人の中には、自分の学歴に自信が無いという人もいるかと思われます。
実際には高卒の人も転職活動を成功させている人はたくさんいるので、心配する必要はありません。
高学歴が転職活動において武器になるのも事実ですが、逆にいえば、適切な戦い方をすれば高卒でも転職活動を成功させることは可能です。
そこで当記事では高卒者の人に向けて、転職活動で抑えておきたいポイントをまとめました。
高卒者の人向けの転職活動の考え方・転職活動の方法、履歴書・職務履歴書の書き方などを解説しております。
これから転職活動に臨むけど学歴に自信がない、といった人は、ぜひ当記事を参考にしてください。
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高卒者向けの転職活動の考え方
高卒というと転職活動が不利になるイメージがあるかもしれません。
実際のところ、学歴も転職においては一つのアピールポイントなので、大卒よりは不利になることもあります。
大学を卒業することに対して時間を費やしているので、企業もその点を評価する傾向にあるのは事実です。
しかしながら、学歴だけが転職活動の決め手になるわけではありません。
高卒者の人にとって重要なのは、自分なりの転職活動の考え方を持つということです。
今から大学へ入学・卒業する時間も無いという場合は、高卒者としての転職活動の考え方を身に着けて、適切に転職活動を行いましょう。
こちらでは高卒者の人に向けて、「高卒者流の転職活動の考え方」について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
高卒者流の転職活動の考え方
- 重要なのは学歴ではなく「転職の軸」を作ること
- 高卒が理由で不利になるとは限らない
- 学歴より経験・経歴・マインドが重視される
- 「高卒」でも歓迎される職種
- 履歴書と職務履歴書のクオリティが重要
- キャリアアップも視野に入れる
重要なのは学歴ではなく「転職の軸」を作ること
転職活動において重要なのは学歴ではなく「転職の軸」です。
「転職の軸」というのは、転職活動における「目的」や「目標」などを指します。
収入を上げたい・残業時間を少なくしてプライベートな時間を確保したいなど、転職の目的は様々です。
そして、自分の転職を希望する企業がどういった企業なのか、目標を定めないと転職活動の方針がブレてしまいます。
高卒云々を気にするよりも、まずは転職の目的・目標を明確にして、転職の軸を作りましょう。
高卒が理由で不利になるとは限らない
転職の軸を作るのと一緒に、高卒というだけで不利になってしまうという考え方を改めましょう。
もちろん、医者や教員など、大学で資格を取得する必要がある職業などにおいては、高卒は不利になるといえます。
ですが、逆に考えれば、そういった専門性が求められる職業以外では、採用の決め手は学歴だけではありません。
ましてや転職ですから、学歴よりもそれまでの経験・実績・職場で身に着けた実践的なスキルの方が評価される職場も多いです。
転職活動をする際には、転職希望先の企業を明確にターゲットに据えて、適切なアプローチをする必要があります。
そのアプローチの方法には「学歴を示す」以外にも様々な手法があるのです。
転職の軸を定めるとともに、「高卒が理由で転職が不利になる」という考え方を改めるところからスタートすることをおすすめします。
「高卒」でも歓迎される職種
高卒者の転職の考え方の一つとしては「高卒者も歓迎の職種」を選ぶという考え方もあります。
日本には高卒の人をむしろ歓迎している職種もあるのです。
そういった職種に目を付けて転職活動をしていくのもおすすめといえます。
高卒者を歓迎する職種としては「実績重視の職種」と「高卒でも取得可能な資格が役立つ職種」の二種類が挙げられます。
経験、実績重視の職種
・事務職
・営業職
・WEB関連職
・接客
・エンジニア
・SEなど
これらの職業は大卒という学歴よりも、現場でどれだけ実績をあげられているかが重視されている職種です。
この場合、現場での経験やスキルなどが重視されるため、高卒の人も評価を受けやすい職種となっています。
特にWEB関連職などはベンチャー企業で大きく出世しようといった社風の会社も多く、挑戦し甲斐のある環境です。
それとは逆に、事務職は職場で働いた経験があれば、比較的様々な企業で安定した仕事につきやすい職種といえます。
高卒でも取得可能な資格が必要な職種
・技術職
・公務員
・運送
・介護スタッフなど
これらの職種には資格が必須というわけではありませんが、資格があると有利に働くことが多い職種といえます。
大卒でなくても資格があれば転職が有利に進むことが多いです。
公務員は資格というよりは公務員試験ですが、高卒者向けの公務員試験を通過できれば安定した転職が可能となっています。
以上のように、高卒でも転職しやすい職種はあるので、そういった職種への転職を目標に位置付けることもおすすめです。
履歴書・職務履歴書のクオリティが重要
転職活動なので、学歴関係なく履歴書・職務経歴書のクオリティが求められます。
特に高校卒業後の職歴の部分は重要視されるので、履歴書・職務経歴書はしっかりと作りましょう。
当記事では履歴書・職務経歴書の作成方法についても解説しますので、そちらも参照してください。
どうしても自信が持てないのならキャリアアップも視野に入れる
高卒ということがコンプレックスで、どうしても転職活動に踏み込めない人は資格をとるなどしてキャリアアップをするのもおすすめです。
働きながら、転職に有利になる資格取得を目指してみましょう。
下記のような資格が転職活動において有利になりやすくなっています。
転職活動に有利になりやすい資格
・宅地建物取引主任者(宅建)
・TOEIC(700点~)
・ファイナンシャルプランナー(FP)
・普通自動車免許、大型自動車免許、フォークリフト免許
・マイクロソフト系認定資格(MOSなど)
・日商簿記検定
・不動産鑑定士 など
資格取得をするうえで注意すべきなのは、不要な資格をとるのは避けるということです。
不動産業で働く意思がない人が、資格取得に長時間の勉強が必要な宅建を取る必要はありません。
ここでも重要になってくるのが「転職の軸」です。
転職の軸を定めれば、必要な資格についても自ずと明らかになるので、まずは軸を固めましょう。
こちらでは高卒者向けの転職活動の考え方について解説しました。
特に重要なのは「転職の軸作り」です。目的・目標を明確にしてから転職活動に取り組みましょう。
高卒者向けの転職活動の方法
考え方を身に着けた後は、具体的にどのような方法で転職活動をしていけばいいかを抑えましょう。
高卒者向けの転職活動の方法として4つの方法を解説します。
高卒者向けの転職活動の方法
・転職エージェントに登録する
・転職求人掲載サービスを利用する
・転職フェアに参加する
転職エージェントに登録する
転職活動を利用する際には、転職エージェントサービスに登録するのがおすすめです。
転職エージェントには、通常ですと非公開の求人なども多くあり、有利な転職先を見つけやすくなっています。
また、利用者に担当者がつくので、キャリアカウンセリングなども受けることができ、転職のことを相談しやすいです。
高卒の人に対しても、好条件な転職先を紹介してくれるため、転職活動する際にはぜひ利用しましょう。
dodaやリクルートエージェント、マイナビエージェントなど大手エージェントサービスに複数登録して、比較して選ぶことをおすすめします。
転職求人掲載サービスを利用する
転職エージェントだけではなく、転職求人掲載サービスを利用するのもおすすめです。
こちらのほうが自分主体で転職活動を進められるため、転職の軸が明確なら、こちらの方法の方が向いているかもしれません。
自分で探すだけでなく、企業側からのスカウト機能もあり、思わぬ転職のチャンスに巡り合える可能性もあるのです。
リクナビNEXTやdoda、マイナビ転職など大手サービスなどを比較して、自分に適した条件を見つけましょう。
転職フェアに参加する
大手転職サービスは転職フェアや合同説明会を定期的に開催しています。
色々なコンセプトのフェアがあり、大企業だけでなく、中小企業やベンチャー企業などが参加しているものもあります。
そういった転職フェアに参加して、自分に適した職業を探してみるのもおすすめです。
本当に自分にあった職種がないか、まだ転職の軸が定まっていない人にもおすすめの方法となっています。
ハローワークの職業訓練を受ける
ハローワークが斡旋している職業訓練を受けるのも高卒者の人にとってはスキルアップのチャンスです。
中には給与を貰いながら職業訓練ができるプランもあります。
高度な専門技術を実践的に学ぶことができるので、後々の転職活動にも役立ってくるのでおすすめです。
職業訓練校が就職先を紹介してくれることもあるので、そのまま転職する可能性もあります。
以上の4つが高卒者の人におすすめの転職方法となっています。
転職活動を成功させるためにも、高卒者の人はぜひ参考にしてください。
高卒者の履歴書の抑えておきたいポイント
高卒者に限らず、転職活動においては履歴書はとても大切なアイテムです。
企業にとって、求職者の最初の印象は履歴書で大きく左右されます。
そして、高卒者の人はもうわかっているかもしれませんが、「学歴」は履歴書に書く項目の中でも特に目立つのです。
ですが、ご安心ください。履歴書は要所を抑えてしっかりと書けば、決して大卒にも負けない履歴書を作成することができます。
こちらでは高卒者の履歴書において抑えておきたいポイントについてまとめましたので、ぜひ参考にして履歴書を作成してください。
高卒者の履歴書の抑えておきたいポイント
・書式を整え、見やすい履歴書にする
・写真撮影はプロに依頼する
・学歴欄の書き方
・重要なのは「志望動機」における自己アピール
・免許・資格は転職先で役立つものをアピールする
書式を整え、見やすい履歴書にする
基本的なことですが、履歴書は「見やすい履歴書」にするのが重要です。
書式などをきちんと整えて、キレイな履歴書を作ることに力を尽くしましょう。
よく「PCか手書き、どちらがいいか」という点で悩んでいる人がいますが、「見やすい履歴書」になっていればPC・手書き、どちらでも構いません。
基本的な書式をきちんと守って、キレイな字になっていれば相手に悪い印象は与えないので、PCでも手書きでも構わないのです。
まずはこの点を抑えて、下記で説明するポイントを抑えておきましょう。
写真撮影はプロに依頼する
企業にとって、履歴書の写真は求職者の印象を大きく左右する写真です。
そのため、写真撮影はプロのカメラマンに依頼するようにしましょう。
スピード写真などですと、暗い印象を与えてしまう恐れがあるので、ここはきちんとお金をかけたいところです。
予約時などに服装の相談なども出来ますので、履歴書の写真はプロに依頼してクオリティの高いものを用意してください。
学歴欄の書き方
転職活動を行う上では、最後に卒業した学校部分から書くのが一般的です。
つまり、高卒者の人たちは「高校入学・高校卒業」から書くようにしましょう。
また、学校名は正式名を書く必要があります。学科名なども省略せずに書いてください。
高卒の人の中には、大学中退をした結果、高卒になった人もいるかと思われます。
その場合、大学中退を省略し、そのことがバレてしまうと採用担当者の心証が悪くなってしまうので、中退についても記載しましょう。
中退と書くと印象が悪くなることを恐れて、「卒業」など虚偽の記載をすると学歴詐称になってしまうので、正確に記入してください。
重要なのは「志望動機」における自己アピール
履歴書において重要なのは「志望動機」や「自己アピール欄」です。
企業側にとって、志望動機は求職者の人間性を感じられる欄のため、ここで適切なアピールをすると採用の可能性が高くなります。
アピール方法としては「企業理念」に同意した旨を記入するのがおすすめです。
企業の持つ理念についてホームページや説明会などで企業理念が説明されているので、その理念に共感した旨をアピールしましょう。
免許・資格は転職先で役立つものをアピールする
先ほど紹介したような転職に役立つ資格を取得している場合は、その資格ついても履歴書に記入しましょう。
特に、転職先で役立つ免許・資格については履歴書に記入し、転職先の企業に役立てることをアピールしてください。
学歴面よりも免許・資格が採用の決め手になることもあるので、正確に記入するようにしてくださいね。
以上のポイントを抑えて、転職活動の履歴書を作成しましょう。
高卒者の職務履歴書で抑えておきたいポイント
履歴書と同様に、転職活動では職務経歴書のクオリティも重要視されています。
特に、高卒者は職歴面のアピールによって、大卒者とも戦えるようになるのです。
こちらでは高卒者の人向けの職務経歴書において抑えておきたいポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
盛り込みたい項目
職務履歴書に盛り込みたい項目
・職務内容
・職務の中で身に着けた知識・経験・スキル
・自己PR
職務内容は、これまでの職歴に関する情報をまとめる項目です。
「期間」「どの部門で」「何をしていたか」という点を簡潔にまとめます。
知識・経験・スキルについては、どういった経緯で身に着けたか、そして応募職種に関連するものをアピールすることが重要です。
最後に、自分がどれだけ転職先の企業に貢献できるかといった点を自己アピール欄でアピールしてください。
以上の項目を盛り込んだ職務経歴書を準備して、採用面接に臨みましょう。
転職先の企業に合わせて作る
履歴書もそうですが、職務経歴書についても転職先の企業に合わせて作るようにしましょう。
同じものを使い回ししてしまうと、企業側に手抜き感が伝わってしまいます。
自己PRなども企業によって適切なアピールをするようにしてください。
採用面接の材料になることを前提に作る
職務経歴書は採用面接のベースに使われる資料です。
そのため、職務経歴書は採用面接の材料になることを前提にして作成するようにしましょう。
職務経歴書に書かれている内容について、スムーズに回答ができないと
「この人は職務経歴書を適当に作っているのでは?」
という誤解を受けかねません。
職務経歴書は質問される内容などを想定しつつ、内容をしっかりと把握して作るようにしてください。
高卒でも自信をもって転職活動をしましょう
当記事では高卒者向けに転職活動の考え方や方法、履歴書・職務経歴書の書き方などについて解説しました。
繰り返しになりますが、高卒という学歴だけで転職活動の成否は決まりません。
高校卒業後の職歴や、その職歴の中で身に着けた経験・実績・スキルを重要視している企業も多くあるのです。
高卒者の人も、自分のこれまでの職歴などに自信をもって転職活動をするようにしましょう。
まずは転職の軸を作り、その軸にそって転職活動の方針を打ち立てるところから始めてみてください。