公務員から民間企業へ転職|後悔せず転職成功させるためのポイント

公務員から民間企業へ転職したいとお考えでしょうか?公務員になれば安泰といわれますが、実際は公務員を辞めたいと考える人も少なくありません。
この記事では、公務員を辞める理由や辞めることのメリット・デメリットなどを紹介した上で、転職を成功させるポイントや方法も解説します。
公務員から民間企業への転職を検討中の方にとっては実りある内容なので、ぜひご一読ください。
- 公務員から企業へ転職するメリット・デメリットをきちんと把握する
- 転職の面接では公務員を下げることは言わない
- 転職エージェントの利用がおすすめ
公務員から企業へ転職する主な理由
その安定性から、みんなに羨ましがられることも多い公務員。なぜ、その恵まれた待遇を自ら手放し、転職しようとするのでしょうか?
まずは、公務員から企業への転職で代表的な理由を紹介します。
公務員から企業へ転職する主な理由
- やりがいを感じられない
- 保守的な環境に嫌気がさした
- 力を発揮できる環境で働きたい
やりがいが感じられない
公務員の仕事はルーティンワークになりがちなので、やりがいが感じられないと悩むことは多いです。
一度仕事を覚えてしまうと、同じことの繰り返しに飽き飽きしてしまいます。
特に、申請に対する許認可の仕事は、毎日似た書類のチェックばかりで、つまらないと感じやすいです。
保守的な環境に嫌気がさした
官庁や自治体は、変化やチャレンジを嫌う傾向があります。
基本的に前例踏襲主義を採用しており、法律や条例に則って業務を進めていかねばなりません。
新しいことにチャレンジしたいと考える意欲のある人は煙たがられる、「出る杭は打たれる」文化が根付いているのです。
そのため、周囲の人間の意識の低さや、スキルよりも人間関係が重視される環境に嫌気を感じ、退職したいと考える人は多いです。
力を発揮できる環境で働きたい
公務員は、基本的に個人が力を発揮しづらい環境です。
企業のようなノルマが無いため、どうしてもまったりと働きがちです。
また、成果を挙げなくても給与や役職があがっていくので、一生懸命やるモチベーションを持続できない人も多くいます。
年功序列が強いので、若いうちは雑用しか与えられないことも多々あり、理想と現実のギャップに悩む人も多いです。
公務員から企業へ転職する3つのメリット
公務員から企業へ転職すると、働き方が大きく変わります。
組織に所属するのは同じでも、利益に貢献することが求められるので、今までとは仕事に対する意識を変える必要があるかもしれません。
公務員から企業へ転職するメリットは、以下の3つです。
公務員から企業へ転職するメリット
- 仕事で刺激を得やすい
- 働き方次第では公務員より大きく稼ぐことも可能
- キャリアの選択肢が増える
仕事で刺激を得やすい
仕事で刺激を感じる場面は増えるでしょう。企業に所属すると、利益を上げるために、さまざまな試行錯誤が求められます。
例えば、新規事業を掲げる際は、どういった市場をターゲットにするのか、どういった強みを持つ商品を開発すれば売れるのか、またマーケティング戦略はどうすべきかなど考えることはたくさんあります。
アイディアを出したり、市場調査を行ったりと自ら付加価値を与えねばなりません。
こうした経験を積むことで、自己成長が期待できます。スキルアップしている実感がわくと、大きなやりがいを感じることでしょう。
働き方次第では公務員より大きく稼ぐことも可能
商社や証券会社など高年収の企業に入社したり独立して成功したりすれば、公務員より年収が上がることも夢ではありません。
公務員は俸給表で、役職や階級ごとの給料が定められています。
勤続年数が長くなれば自然と給料が上がるのがメリットですが、一方、将来もらえる最高額が分かってしまうともいえます。用意されたレールの上を進むだけに思えて、目標を見失ってしまう人もいるのです。
また、一般的に公務員は高給与のイメージが強いですが、議員や大臣など特別職の公務員以外は、実際のところそれほど給与は高くありません。
特に、若手は手取りが20万円に満たない場合も多く、生活するだけで精一杯の公務員も多くいます。
その点、企業に入社したり独立したりすれば、安定性では劣りますが、年収1,000万に達することも可能です。
キャリアの選択肢が増える
公務員に比べ企業に所属するほうが、キャリアの道が広がります。
よく「公務員はつぶしが利かない」といわれますが、これは公務員では民間企業でも通用するスキルが身に付きにくいためです。上司の命令や法令に従うケースがほとんどなので、スキルを取得する場面があまりないのです。
副業も禁止なので、仕事以外でスキルを取得するのも厳しいでしょう。
特に公務員として出世して30代後半や40代になってしまうと、組織に染まってしまい、転職が難しくなります。
一方、企業であれば、どこでもアピールできるスキルや経験を積みやすいです。
身につけたスキルを武器に、キャリアアップの転職を目指したり、独立したりと選択肢が広がります。
公務員から企業へ転職する2つのデメリット
公務員から企業への転職は、デメリットも存在します。転職する前に、デメリットも考慮した上で判断しないと、後悔するリスクがあがります。
公務員から企業へ転職する代表的なデメリットは、以下の2つです。
公務員から企業へ転職するデメリット
- 福利厚生面が悪化しやすい
- 解雇のリスクもはらんでいる
福利厚生面が悪化しやすい
有給の取得しやすさや特別休暇制度など、公務員は福利厚生制度が充実しています。
大企業なら福利厚生は整っていることが多いですが、中小企業やベンチャーを選択すると、福利厚生面は悪化する可能性が高いです。
公務員は90日の病気休暇が認められていますから、大きな病気にかかったとしても安心です。産後休暇や育児休暇も長くとれますから、特に女性にとって働きやすい環境といえるでしょう。
ただ、公務員といってもピンキリで、忙しい部署に配属になってしまうと有給休暇がなかなか取得できないケースもあります。
また、年金に関しても公務員の共済年金は優遇されていると批判を浴びたため、厚生年金に一元化されました。このため、社会保障面でのメリットは無くなったといえます。
解雇のリスクもはらんでいる
企業では、結果を残せないとクビにされることもあります。
公務員なら、不祥事を起こしたり回復不能の難病にかかったりと、余程のことがなければ解雇されることはないため、この点は大きなデメリットといえるでしょう。
特に公務員の経験が長いと、公務員の働き方が染みついているため、企業の仕事の進め方になかなか馴染めません。戸惑っている間にクビにされる可能性も十分あります。
そもそも、企業自体の業績が芳しくなく、倒産してしまうこともあるでしょう。
このように、公務員から企業に転職すると、安定性という面では確実に不利になります。
ただ、優秀な人材であれば、そこまで不利に感じない特徴でもあります。
転職の前に、自分の市場価値を正しく把握するのが大切です。
公務員の転職で失敗・後悔する3つのケース
公務員からの転職で失敗・後悔する3つのケースをご紹介します。ここで紹介する例に該当すると失敗する確率が高いので、一度考え直すことをおすすめします。
公務員の転職で失敗・後悔する3つのケース
- やりたいことを決めないで退職する
- 仕事がつまらないから退職する
- 人間関係に不満があって退職する
やりたいことを決めないで退職する
やりたいことがないまま、退職するのはまずいです。企業選びの軸が定まりませんから、転職活動が長期化しやすくなってしまいます。
また、やりたいことがないと、志望動機を伝える際に意欲が伝わらず、内定がなかなか得られません。
「やりたいことがあり、それは公務員では実現できないことだ」という理由での転職がベストです。
実際は、公務員の労働環境への不満もあるでしょうが、転職の面接はそういったネガティブな発言は好ましくありません。
ポジティブさや意欲をアピールするためにも、やりたいことを明確にしてから退職すべきです。
仕事がつまらないから退職する
仕事がつまらないから退職するのもよくないパターンです。
公務員がつまらないと感じやすい環境なのは確かです。しかし、仕事というのはどの職業でも良いことばかりではありません。
民間企業では刺激を感じやすいかもしれませんが、その分実力がない人には厳しい環境です。
そして、公務員にも安定しているという強烈なメリットが存在します。
仕事がつまらないという理由のみで転職を考えている人は、公務員のメリットにも一度目を向けてみることをおすすめします。
辞めたいと考えていると、どうしても現職のデメリットばかりに目がいきがちです。フラットな視点に立ち、客観的に物事を捉えましょう。
人間関係に不満があって退職する
人間関係に不満があって退職するのも、失敗しやすいパターンのひとつです。
人間関係というものは、公務員に限らずどこの職場にも存在するものです。そのため、転職先でも人間関係に悩んでしまうケースも多くあります。
人間関係がうまくいかない場合、自分自身にも問題があることが多いです。
今までのコミュニケーションの取り方を振り返り、悪い点が無かったか思いを巡らしたほうが良いでしょう。
公務員から企業への転職を成功させるコツ
デメリットを考慮した上でも、転職する強い決意があるのであれば、転職活動を開始しましょう。
公務員から企業への転職では、成功させる特有のポイントがあります。
公務員から企業への転職を成功させるコツ
- 専門職の公務員は転職しやすい
- 資格を取得する
- 公務員を下げることは言わない
専門職の公務員は転職しやすい
専門職の公務員のほうが専門的な知識が身につくため、転職しやすいです。
例えば、国家なら国税専門官や労働基準監督官、地方なら社会福祉士や管理栄養士などが挙げられます。「国税専門官から税理士事務所職員」というように、専門的知識が活かせる職場なら、十分即戦力になるでしょう。
一方、行政職の場合、転職に役立つスキルが身につきにくいため、転職成功率が下がります。
ただ、もちろん不可能ではありません。ポータブルスキル(コミュニケーション力などどんな仕事でも必要となるスキル)や熱意などをアピールすれば成功率はあがるでしょう。
資格を取得する
転職先で役立つ資格を取得しましょう。資格があれば、一定のレベルの知識を備えている証明になりますし、意欲を示す根拠にもなります。
税理士や社会保険労務士など資格が無ければその職種につけない資格だけでなく、TOEICや簿記など特定の職種に限らず、転職市場における自らの市場価値を高める資格もあります。
実務経験がなければ、資格を取得しても意味ないとはよく言われますが、そんなことはありません。
もともと知識がある人とそうでない人とでは、新しい知識への吸収力に差がつくのです。
公務員を下げることは言わない
公務員の労働環境に不満があったとしても、公務員を下げることは言ってはいけません。
すぐに勤務先に不満を漏らすブラック人材だと捉えられるリスクがあるためです。
転職の成功率を高めるには、退職理由をポジティブに伝えるのが必須です。
例えば、やりがいがないと不満を感じているならば、「もっと個人がチャレンジできる環境に身を置きたいと考えた」などと言い換えられます。
公務員を辞めると決めた理由は、企業側が最も気にする質問のひとつでもあるので、ポジティブに答えあなたの印象をアップさせましょう。
公務員から企業へ転職は転職エージェントがおすすめ
転職エージェントとは、求職者の転職活動をさまざまな面からサポートする事業を営んでいる企業です。
公務員から企業への転職の際は、転職エージェントの利用がおすすめです。利用すべき理由を、下記に記します。
公務員から企業への転職を成功させるコツ
- メリット1. 応募書類の添削や面接対策が受けられる
- メリット2. 面接の日程調整を代行してくれる
- メリット3. 非公開求人に応募できる可能性がある
メリット1. 応募書類の添削や面接対策が受けられる
公務員に絞って就職活動を行っていた人にとっては、企業への就職活動でどうすべきかわからない人も多いでしょう。
転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーがつき、応募書類の添削や面接対策を受けることができます。
蓄積したノウハウがあるので、応募先に受かるためにどうすべきか具体的なアドバイスも期待できます。
メリット2. 面接の日程調整を代行してくれる
働きながら転職活動をする人にとって大きなメリットが、面接の日程調整をエージェントが代行してくれる点です。
働きながらだと企業と連絡を取れず、選考がなかなか前に進みません。
転職エージェントを利用すれば、面接の日程調整だけでなく、内定後の条件交渉など、企業の担当者とのやり取りはすべて代わりにやってくれます。
エージェントを通せば、日程変更や給与の交渉など面と向かって言いづらいことも伝えられます。
メリット3. 非公開求人に応募できる可能性がある
非公開求人に応募できる可能性があることも、エージェントを利用する大きなメリットです。
非公開求人とは、条件が合致しそうだと判断した求職者に対し、エージェント側から紹介を受けられる求人のことです。
公開すると応募が殺到してしまうためにあえて隠すケースが多く、条件が良い求人が多くあります。
公務員から企業への転職でおすすめの転職エージェント
転職エージェントにはさまざまな種類があるので、どれを利用すべきか悩む方も多いでしょう。
ここでは、公務員から企業への転職の際に利用すべき、おすすめの転職エージェントを紹介します。
公務員から企業への転職を成功させるコツ
- 転職を志す人ならとりあえず登録すべき「リクルートエージェント」
- 面接対策に不安があるなら「doda」
- 20代や第二新卒など若手へのサポートに定評「マイナビエージェント」
転職を志す人ならとりあえず登録すべき「リクルートエージェント」
リクルートエージェントは、求人数・内定数ともに圧倒的な数を誇るエージェント。
とりあえずリクルートエージェントに登録すれば、希望の仕事が見つかる可能性は高いです。
キャリアコンサルタントによるサポート体制にも定評があり、大手ならではの蓄積されたノウハウもあります。
転職がはじめての方ならぜひ利用すべきエージェントです。
面接対策に不安があるなら「doda(デューダ)」
dodaはキャリアコンサルタントの質の高さに定評あるエージェント。
特に、面接対策では応募企業に受かるための実践的なアドバイスを受けられると評判です。
公務員は筆記試験の配点が高いですから、面接対策を十分にしていない人も多いです。面接対策に不安を抱えがちですから、dodaはおすすめできます。
20代や第二新卒など若手へのサポートに定評「マイナビエージェント」
20代や第二新卒など若手向けの求人が多いのが「マイナビエージェント」。特にエンジニアなどIT系の職種を中心的に扱っています。
若手公務員の離職が増えているので、若手向けのエージェントとしておすすめしました。
キャリアアドバイザーが熱心にサポートしてくれるとの評判も得ているので、手厚いサポートを受けたい人にもおすすめです。
【FAQ】公務員から企業への転職で多い質問
公務員から企業への転職は、何かと不安なものです。最後に、公務員からの転職で抱きがちな質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
【FAQ】公務員から企業への転職で多い質問
- Q. 公務員から民間への転職は厳しいの?
- Q. 公務員からの転職で多い業界・職種は?」
- Q. 公務員の経験でアピールできる点はどこ?
Q. 公務員から民間への転職は厳しいの?
公務員から民間への転職は厳しいとよく言われます。これは、アピールできるスキルや経験に困ってしまうためです。
逆を言うと、うまくアピールできさえすれば、不利に働きません。
公務員だから転職はうまくいかないと決めつけず、自分の強みや意欲を効果的に伝えましょう。
Q. 公務員からの転職で多い業界・職種は?
転職のしやすさでいうと、営業職が一番に考えられます。営業はさまざまなスキルが身につく仕事でもあるので、おすすめです。
業界でいうと、将来性の高さからIT業界を目指す人が増えています。プログラミングを勉強し、公務員を辞め、SEやプログラマーとして活躍している人は少なくありません。
Q. 公務員の経験でアピールできる点はどこ?
公務員はスキルが身につきにくい仕事ではありますが、アピールできる点も存在します。
まず、文章を作成する機会が多いですから、資料作成能力はアピールできるでしょう。
書類を作る際はどのような工夫を行っていたのかも伝え、内容に説得力をもたせてください。
また、窓口業務など外部の人とコミュニケーションを取る業務をした経験があれば、コミュニケーション力もアピールしやすいです。
コミュニケーション力はどこの業界・企業でも求められる力なので、ぜひともアピールしたいスキルです。
公務員から企業への転職は転職エージェントで成功させよう!
公務員から企業への転職を成功させるための、さまざまなポイントを紹介してきました。
公務員からの転職は厳しいと思われがちですが、ポイントを意識して活動すれば、転職を成功させるのは十分可能です。
ぜひとも利用すべきなのが、転職エージェントです。日程調整を代行してくれたり、非公開求人を紹介してくれたり、選考対策をしてくれたりと多くのメリットがあります。
上記で紹介した、3つのおすすめエージェントを利用して、転職を成功に導きましょう。