首都移転先が決定したインドネシアの雇用展望

日本人からは、バリ島など観光として人気もあるインドネシア。今月26日には、かねてより計画のあった首都移転の予定地が発表されました。

中国、インド、アメリカに次ぎ、人口では世界第4位のインドネシアは、経済成長も堅調で、東南アジア最大の経済大国となりました。

今回の記事では今週発表されたインドネシアの首都移転のニュースと雇用展望に関する記事を紹介していきます。

2050年には、GDP世界5位以内に入ると予測されているインドネシアでの転職に興味のある方は、参考にしてください。

首都予定地はカリマンタン島の東部、都市部に近い未開発の地域

ジョコ・ウィドド大統領はカリマンタン島の東部、クタイ・カルタネガラ県と北プナジャム・パスール県の間という、未開発の地域が予定移転先であることを26日に発表しました。

今回の移転では、政府機能がジャカルタから1,000km以上はなれた地域に移されることになります。

カリマンタン(ボルネオ)島は、インドネシアだけでなくマレーシアやブルネイの3カ国により分けられている島です。

首都移転はジャカルタの負担軽減のため

ジャカルタは首都移転後も、商業と経済の中心都市となり、1千万人に近い住民がこの都市に残ると見られています。

ウィドド大統領の発表によると、今回の首都移転はジャカルタとジャワ島の負担がかかりすぎているという、国内の不均衡への対応だと述べています。

現在のジャカルタは、ガバナンス、ビジネス、金融、貿易、およびサービスの中心であり、負担が大きいと言われています。ジャカルタのあるジャワ島が、国内人口の60%と経済活動の半分以上を抱えています。

さらに、環境負荷も大きく、ジャカルタのの大気汚染は過去数ヶ月で悪化し、6月にはデリーや北京などの都市よりも悪い数字を記録しました。

活動家や環境保護団体のグループが政府に行動を起こすよう訴え、先月はインドネシア政府を相手取り、訴訟を起こした住民も出ています。

また、世界経済フォーラムによると、ジャカルタは「世界で最も早く水没する都市」の1つにあげられています。

地下水の過剰な組み上げにより、驚くべき速さで水没すると予測されているのです。

こういった問題を抱えるジャカルタのあるジャワ島に比べ、カリマンタンは4倍ほどの大きさがあるものの、国内総生産に占める割合は10分の1未満です。

さらにインドネシアの1万を超える群島の中心部でもあります。

この地域を選んだのは、インドネシアの中心であり都市部に近接しているという、非常に戦略的な理由からだとも、大統領は説明しました。

移転費用は327億9000万ドル、2021年建設着手予定

首都移転という巨大なプロジェクトは、466兆ルピア(327億9000万ドル)もの資金を要する見通しであるものの、この投資に見合う移転になると見られています。

この額には、政府の新たな官庁や約150万人の公務員の住宅が含まれています。

議会の承認が得られれば、新首都の建設は4万ヘクタールの区画で2021年から着手される予定です。また、新首都の名前は未定です。

2024年頃までに政府機関の一部や議会の移転を開始したい意向です。

インドネシアの首都移転

  • インドネシアの新首都がカリマンタン島の未開発地域となることが決定
  • 首都移転後もジャカルタが商業と経済の中心で、政府機能が新首都へと移行
  • 2021年に建設着手、2024年に移行を開始する見込み

低い失業率と成長する経済。雇用は今後も伸びるとみられる

首都移転先が決定したインドネシア。

移転に向け、具体的に動きがでれば労働市場にも変化が現れるかもしれませんが、現時点での雇用展望を見ていきましょう。

明るい雇用展望のインドネシア

インドネシアは継続した安定性、中間層の成長、安定雇用、低失業率、景気の信頼感などを背景に、ビジネスにおける展望は明るいと予測されています。

半数以上の企業が事業拡大を検討していることからも、東南アジアの国において最も雇用展望が明るいと見られています。

IT、消費財、オンライン小売が躍進、マネジメント層で外国人材の需要あり

ITやデジタル、消費財、オンライン小売業などの分野は高い成長を見せています。

銀行、金融サービス、保険、製造業、日用品などの業界も堅実な成長を見せています。

年間を通じて、雇用が増える傾向があり、特に成長著しい業界ではこの傾向が顕著です。

eコマースやフィンテックなど含むテクノロジー全般、サプライチェーンやロジスティクス業の拡大は幅広い職種における人材の需要があります。

最も需要が高いのは、インドネシア語と英語のバイリンガルかつ確かな技術スキルと国際経験のある人材です。

また、インドネシアは有能な人材不足に苦しんでいます。

専門的な技術力を持ちマネジメント能力もある人材の採用が急務であり、外国人材がこの需要と供給のギャップを埋めるために求められています。

外国人材は他のエリアでも必要とされています。英語が母国語となる、アメリカ、イギリス、カナダ、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカからの人材が英語指導者として求められています。

政府は観光に力を入れており、さらなる外国人材の需要も見込まれています。

インドネシアの雇用展望

  • ITやデジタル、消費財、オンライン小売業が成長
  • 年間を通じて雇用が増加傾向
  • 技術スキルと国際経験のある人材の需要が高い
  • 英語力は強みに

首都移転に五輪招致とインドネシアは大きく変化する可能性も

今回の首都移転の発表から、ブラジルの首都ブラジリアやオーストラリアの首都キャンベラのように、首都機能の移転であること、今後もジャカルタが経済・金融の中心地であることが明らかになりました。

また、東南アジア最大の経済国であるインドネシアは近隣諸国同様、ITやデジタル分野やオンライン小売などの業界が成長しており、技術・エンジニア職の需要が高く、また英語が使えることが武器になることもわかりました。

さらに、2032年夏のオリンピック開催地として立候補したことが報じられています。

Indonesia submits bid to host 2032 Olympics

インドネシアでのオリンピック開催が決まれば、2020年の五輪開催した日本の経験が役に立つこともあるかもしれません。

首都移転にオリンピック招致と、今後のインドネシアはドラスティックな変化がありそうです。

いずれにしても、2021年に首都建設が開始されたら、雇用市場に大きな影響を与えるはずです。

東南アジアでの転職を考えているなら、インドネシアの今後の変化と成長に注目していきましょう。

参照記事
http://hrmasia.com/indonesia-is-building-a-new-capital-city-to-replace-congested-jakarta/
https://www.theguardian.com/world/2019/aug/27/why-is-indonesia-moving-its-capital-city-everything-you-need-to-know

Career Growth 編集部

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