会議や説明の要点まとめに役立つ図解メモの作り方事例集 図解メモで思考する

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仕事の現場でこそ役に立つ図解メモをその場で作れるようになる

文字だけでなくシンプルな図解を取り入れてメモを描くと、断然理解度がアップし物事の要点を掴みやすくなります。

図解メモとは? 6つの図解思考でスキルアップと時短を実現|キャリアップの情報整理術

この記事では、会議や現場担当者から聞く説明、営業スタッフのお悩み相談などを、図解メモを上手に使って効率よく要点をまとめる方法を紹介しています。

図解が入ることで一気に分かりやすくなる図解メモは、仕事の場でこそ活用したいスキルです。
ここで紹介する事例を見て、あなたも図解メモに挑戦してみてください。

営業スタッフの業務プロセスをフロー図にする

売上に関する悩みはどの企業でも尽きないものです。
特に、売上ノルマを背負った営業マンとなれば、売上目標を達成しなければならないというプレッシャーも相当なものでしょう。

ここでは、売上低迷とノルマ達成に悩む営業部門のスタッフから、何か改善方法がないか相談されたという前提で図解メモを作ります。

売上分析といっても経営上というよりは、営業マン個人の分析ですから、経営分析よりもプロセス管理のフレームワークが適しています。

最初に、営業マンの業務プロセスをフロー図にすることを想定しながら、悩みを聴いていきます。

そして、各業務プロセスにおいて、そのスタッフがうまくやれているか、得意なのかそれとも苦手なのかを確認していきましょう。

8月9日、営業のスタッフから売上低迷に関する悩みを相談された

(●:営業スタッフ 〇:あなた)
●「なかなか最近売上が伸びなくて、目標未達成が続いているんです。特に目標が上がったわけではないのですが、景気も悪いし、なかなか営業が厳しい状況です」

●「基本的には営業は好きだし、お客さんに会うのも苦ではありません。会えればしっかり商品を説明して、かなりの確率で商談が前進します。うちの商品自体は非常によいと思ってますし、実際、導入してもらったお客さんは喜んでいますから。ただし、案件が少ないのが現状です」

●「もっと見込みの客へのアポを増やさないといけないとは思っているんですが、お客さんに提出する書類などに時間がとられて、なかなかまとまった時間がとれなくて…。どうしたらよいでしょうか?」

営業部Aくんからの最初の相談内容図

※ここで図メモを見ながら、抜けている情報・疑問をヒアリングしましょう。

○「リストアップはどうなの? アポとりするためのリストがないからアポが効率的にとれないのか、それとも時間がなくてやっていないのか、どっちなんだい?」

●「リストは会社から支給されたものが大量にあるから困ってはいません。ただし、いろんな種類のリストがありますから各々、トークを変えないと駄目ですけど」

図を見ながら抜け情報を質問図

※ここでさらに疑問をぶつけてみます。

○「リストの抽出条件とセールストークはマッチングしているのかな?」

●「リストに合わせてトークは変えてますが、ケースバイケースです」

○「なるほど。セールストークはリストの種類に応じて、いくつかパターンを作り、獲得率をチェックして改善していったほうがいいね。それと提案書やデモを作成したりする時間がなくなれば、アポとりの時間は確保できるのかい?」

●「提案書などを作る時間が減れば、もちろんアポとりに割く時間はもっととれると思います。今は余った時間にやっている程度です」

○「アポとりの時間とそうでない時間を明確に分けたほうが効率的だと思うな。提案書やデモなんかはアシスタントに依頼して作ってもらうといい。効率を高めるためにも、提案書はテンプレート化しよう」

さらに疑問を質問する図

完成図

完成図

現場で説明を受けながら全貌を理解するための図解メモをその場で描く

図解メモはいつも机の上で落ち着いて考えながら描ける訳ではありません。
現場で担当者に話を聞きながら、移動をしながらメモを取るような場面もあるかもしれません。

ここからは、工場の生産ラインの話を現場担当者から聞きながら図解メモを作る方法を説明していきます。

工場の生産ラインをフロー図で描く

皆さんも小さいころに社会見学として、学校の近くの工場などを見に行ったことがあると思います。

また、仕事柄、メーカーとつき合いがある場合には、実際の生産ラインを視察したり、係員から説明を受けたりすることもあるでしょう。

工場の設備や操業に関する資料がない場合は、説明を受けながら、その場で手帳に図解メモを書き込む必要があります。

工場の生産ラインは基本的にはフロー図で描かれます。
それでは早速、担当者にヒアリングを行い、図解メモに描き出してみましょう。

5月25日、赤坂工場の運用責任者から生産ラインの説明を受ける

(●工場責任者 〇あなた)
●「こちらの工場では、「原材料から完成まで大体4日かかってるんです。月に20万台くらいをこの工場から出荷しています。うちのグループの中では、2番目に大きな工場ですよ」

●「うちの工場では、大きく分けて5つの工程があるんですよ。まず、仕入れた部品のチェック、それからそれを生産ラインにセットします。次にアセンブリ(組み立てライン)に送って、最後に出来上がりを検品するんです。検品で問題なければ、ここで出荷準備に回します」

●「部品のチェックと仕入れはプリプロダクション、検品と出荷準備をポストプロダクションと社内で呼んでいます。ちなみに組み立てラインで働いている人のうち、今では4割が外国人ですよ」

●「この生産ラインもいろいろ改善を積み重ねてまして、操業時に比べて5割近く生産性がアップしているんです。すごいでしょ?」

●「ただし、最近急に大きなオーダーが入っちゃったりして、部品調達が間に合わないようなトラブルもちらほら出ているんですよ。もう、少し早めに需要がわかるといいんですが……」

赤坂工場生産プロセスの図解1

ここで図メモを見ながら、抜けている情報・疑問について追加でヒアリング

赤坂工場生産ラインの図解2

(●工場責任者 〇あなた)
○「2点ほど質問させてください。組み立てラインが特に外国人が多いということなのでしょうか?ほかの工程ではいかがでしょうか? また、部品の調達と出荷先はどのようにオペレーションしてらっしゃるのですか?」

●「組み立てラインはどうしても人手が多く必要なので、外国人比率も高いのですが、他の工程はそれほどでもないのです。結構、システムが出来上がっているので、古参の社員が数名でオペレーションしています」

●「部品は近くにある6つの協力工場からまかなっています。出荷は、千葉の倉庫へ全量納入し、そこから各営業所へ配送されています」

追加でヒアリングした内容を図解メモに追記する

赤坂工場生産ラインの図解3

完成図

赤坂工場生産ラインの図解4

他社について話を聞きながら深く理解する

顧客やパートナー企業、仕入先企業など、仕事を行う中で他社について理解する必要があることも多いかと思います。
ここからは、他社の全貌を、話を聞きながら図解メモにして深く理解する方法を解説しています。

この方法は、競合他社や顧客になるかもしれない会社を理解するのにも役立ちます。
この記事を読んで、いつでも図解メモを使って会社の全貌を理解できるようになっておきましょう。

図解メモを通して商品の購入を検討する

あなたの会社にも様々な業種の営業担当者からアプローチが入ると思います。
そして、営業担当者が紹介する商品や会社に興味を持った場合は、時間を取ってさらに詳しい話を聴くでしょう。

ここでは、アポイントメントを取ってやって来た営業担当者の商品に関する話の内容から図解メモを作成します。

あなたはあらかじめ電話で、営業担当者の会社が携帯電話のマーケティングに特化した企業であることは聴いています。

相手の企業がどんなサービスを行なっている企業なのか? 
何が強みなのか? 自分の会社にどのようなメリットを期待できるのか? 

あらかじめ、質問を考えてからヒアリングし図解メモに展開していきましょう。

7月25日に商品説明のために来社したS社の営業担当者の説明を聴く

(●営業担当者 〇あなた)
●「弊社は携帯に特化したマーケティング支援会社です。ご存知かもしれませんが、携帯サイトの市場は非常に高まっているのです。現在、国内のCMSサイトが700万サイトほどあるのですが、携帯サイトはまだ150万くらい。まだまだ伸び盛りのマーケットなんです」

●「弊社はそこで、携帯サイトを自動的に管理運営できるソフトウェアを提供しています。弊社はどちらかというと、商社のようなもので、実際の開発は4社ほどのパートナー企業が制作しています。非常にコストパフォーマンスに優れたソフトウェアを作る、開発力のある企業ばかりです」

●「御社のようなIT企業での実績もあります。例えば、大手のN社やM社の通販サイトでご利用いただいてます。実は、弊社の社長が元M社出身でして、業界に土地勘があるというか・・・」

7月25日に商品説明のために来社したS社の営業担当者の説明を聴く図
7月25日に商品説明のために来社したS社の営業担当者の説明を聴く図(続)

一旦描いた図解メモを俯瞰しながら、抜けている情報・疑問をヒアリングする

描いた図解メモを俯瞰した上で足りない情報や疑問をヒアリングする図

(●営業担当者 〇あなた)
○「それだけ有望なマーケットであれば、多くの企業が同様のサービスを提供していると思いますが、競合はどのような企業なのでしょうか?」

●「もちろん、スマホサイト構築のサービスを提供している企業は多いのですが、競合としてはB社やC社になるでしょうね。弊社の強みは低価格ということです。こちらが機能比較表です。ほとんど他社のサービスと変わりませんが、価格は約3分の1です」

○「そうなんですか、でも他社が価格を下げてきたら困りませんか?」

●「弊社はこの分野においては老舗でして、すでに1000社での導入実績があります。競合他社にはまだまだ負けないだけの実績と経験があります」

○「そんなに実績があるんですか。それは安心ですね。ぜひ、うちと同業の導入効果などの事例があれば教えてください」

追加ヒアリング内容をメモに書き加える図1

追加ヒアリング内容をメモに書き加える図2

完成図

ここでは、活用頻度の高い「3C分析」と「競合比較表」を使って図解メモを描きました。
開発パートナーは3C分析には入っていませんが、ほとんどの企業は自社だけではまかないきれない商品やサービスを補完してくれるパートナーの存在が不可欠です。

戦略上でも重要な要素なので、3C分析は補完者とセットで考えるとよいでしょう。

完成図

会議の内容を図解メモとしてまとめる

議事録というと通常は、文章のみでまとめられた少々読みにくい文書を思い浮かべるかもしれません。
でも、図解メモをつかって議事録を作ると、ぐんと分かりやすく、要点がまとまりやすく、そして課題も見付けやすくなります。

ここからは、経営会議の議事録を図解メモで作成する方法を解説していきます。

経営会議の議事録として図解メモを作成する

企業にとって経営会議とは、取締役や執行役員などが集い事業の進捗確認や経営戦略の見直しを行なう最も重要なミーティングです。

通常、こうした会議では、財務担当が事業における予実(期初に立てた予算と実績の数値)を報告します。
そして、課題があれば、それを解消する具体的な施策を検討するのが通例です。

ここでは、経営企画室が説明する会社の現状および課題、課題に対し社長が発案する営業提携のプランを1つの図解として記録します。

そして後からメンバーに説明できるように資料として仕上げます。
それでは、早速挑戦してみましょう。

5月20日に財務担当が今年度予算の報告を行い、社長が他社との提携を発案

(●:財務担当役員 〇:社長)
●「予算と実績について報告します。今年度30億円の売上目標、3億円の利益を目標としていますが、半期がちょうど終了した時点で、売上は12億円、利益は1億円と通期に対して80%程度で推移しています」

●「売上構成比は、受託開発事業が3億円、会計ソフト事業が4億円、技術者派遣事業が5億円となっており、主力の会計ソフト事業で3億円予算よりショートしています」

○「皆さんもお聴きのとおり、この事業の早急な立て直しが必要です。そこで、この営業支援策として、△△販売との営業提携を行う計画を進めています。△△販売は、非常に強い法人販売チャネルを持っており、うちの会計ソフトのような商材を探していました」

○「また、△△販売が日本総代理店となっている広告管理ソフトは、うちの既存顧客へ案内することもできると思います。今回の営業提携は、お互いの商品を相手方の販売チャネルを使ってクロスセルすることを目的としたものです」

経営会議図1

経営会議2

経営会議図3

完成図

余実管理はビジネスの基本プロセスの1つ。
グラフを効果的に使って目標と実績のギャップを示せるようにしておきましょう。
今回登場した「クロスセル」以外にも売上拡大の戦略として同一の顧客に対してさらに高単価製品を販売する「アップセル」も覚えておくとよいでしょう。

経営会議図4