働き方改革で変わった休みの取り方と残業の在り方

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「働き方改革」という言葉をここ数年でよく聞くようになりました。

残業や休日出勤など当たり前に行われていた労働環境も、現在、様々な方面で見直しが図られています。

働き方改革により具体的にどのような変化が起きているのか、今回はその内容についてご紹介します。

そもそも「働き方改革」とは?「働き方改革」が目指すもの

よく聞く言葉ではありますが実際に「働き方改革」はどのようなものなのか、意外と詳細を知らないという方も多いかもしれません。

まずは「働き方改革」の基本的な考え方を確認しておきましょう。

現在、我が国では少子高齢化や労働者のニュースの多様化などの問題があります。こうした課題を解決し、投資やイノベーションによる生産性向上、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境づくりの整備が課題となっています。

厚生労働省によるとこのような課題を受け、「働き方改革」を下記のように定義づけています。

「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す」

確かに、昨今の状況を見てみると、例えば出社の是非からの在宅ワークやテレワーク、残業軽減、休みの取り方、個人事業主としての働き方など、様々な面でこの働き方改革として目標とされる多様な働き方が推進されてきていると納得できるでしょう。

「働き方改革」のポイントは3つ

働き方改革全体の推進のポイントは3つあります。

多様な働き方を選択できるように、労働時間や雇用形態に関する見直しが推進されることになります。

「働き方改革」のポイント

ポイント①長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
働き方改革に係る基本的考え方を明示し、総合的かつ継続的に改革を推進するための「基本方針」です。

ポイント②:長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
過度の残業や休日出勤など「働き過ぎ」を防ぐことにより、働く方々の健康を守り、多様な「ワーク・ライフ・バランス」の実現を目指します。

また、働き過ぎを防ぎ、健康を守る措置をし、 自律的で創造的な働き方を希望する方々のために新たな制度を制定します。

ポイント③:雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
同一企業内における正社員と、非正規社員の間の不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても納得ができるような構造の構築を目指します。

これまでは業務内容は同じでも正規か非正規かの違いにようり基本給や賞与など、あらゆる待遇について不合理な待遇差が実際にあります。新たな制度では、それらを禁止し、「均衡待遇規定」「均等待遇規定」を法律に整備します。

「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」についての具体的なポイントとして、派遣社員の待遇を取り上げて以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

2020年から派遣社員も退職金支給|改正労働者派遣法のポイント解説

労働時間と休暇に関する労働基準法の改正

先ほど説明したポイントを推進するために関連法案の制定や見直しが実施されました。

関連法案には、主に以下のものが含まれます。

働き方改革に関連する法律

  • 雇用対策法(働き方改革の総合的かつ継続的な推進)
  • 労働基準法(長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等)
  • 労働安全衛生法(長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等)
  • 労働時間等設定改善法(長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等)
  • パートタイム労働法(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)
  • 労働契約法(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)
  • 労働者派遣法(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)

上記の中で労働時間や休暇取得に関連する法律としては労働基準法が該当します。

これから先は、働き方改革による労働基準法の改正で規定された内容を見ていきます。

時間外労働の上限規制

長時間労働は、健康の確保を困難にするとともに、仕事と家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因、女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む原因となっています。

長時間労働を是正することにより、ワーク・ライフ・バランスが改善し、女性や高齢者も仕事に就きやすくなり労働参加率の向上に結びくことができます。

このため、労働基準法が改正により、時間外労働の上限が法律に規定されることになりました。

では、具体的にどのように規定されているのか見ていきます。

労働基準法改正による時間外労働上限に関するポイント

ポイント1:時間外労働(休日労働は含まず)の上限
原則として、月45時間・年360時間、臨時的な事情、または特別の事情がなければ、これを超えることはできません。
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
時間外労働 ・・・年720時間以内
時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2~6か月平均80時間以内

ポイント2:原則である月45時間を超えることができるのは年間6か月まで。

ポイント3:法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断。

ポイント4:大企業への施行は今年2019年4月からですが、中小企業への適用は1年猶予され来年2020年4月から。

厚生労働省のサイトでも長時間労働削減に向けた取り組みを紹介していますので、参考にしてください。

時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

年次有給休暇の時季指定

年次有給休暇は、働く方の心身のリフレッシュを図ることを目的を原則として、労働者が請求する時季に与えることとされています。

しかし、同僚への気兼ねや請求することへのためらい等の理由から、取得率が低調な現状にあり、年次有給休暇の取得促進が課題となっています。

このため、働き方改革による労働基準法が改正より、先ほど説明した2019年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

また、使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存の必要があります。

原則として、労働者が請求する時季に与えられます。しかし、職場によっては同僚への気兼ねや請求することへのためらいもあるはずです。

実際、取得率が低調な現状があります。そこで、年次有給休暇の取得促進が課題となっていました。

働き方改革による労働基準法の改正により、全ての企業を対象に、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者へ、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることを義務となりました。

また、使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存の必要があります。

具体的な内容を見ていきます。

年次有給休暇の時季指定のポイント

ポイント1:年5日の時季指定義務
使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させる義務があります。

ポイント2:時季指定の方法
使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取する必要があります。また、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めます。

ポイント3:時季指定を要しない場合
既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はありません。

ポイント4:就業規則への規定
休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)より、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載する必要があります。

ポイント5:罰則
ポイント4について違反した場合、罰則が科せられることがあります。

年5日の年次有給休暇の確実な取得について詳しくは、厚生労働省が公開する資料からもご確認いただけます。

年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることができる制度です。すでに制度を採用している、という企業も多いかもしれません。

フレックスタイム制は生活と業務との調和を図り、効率的に働くことができます。

今回の労働基準法の改正により、労働時間の調整を行うことができる期間が延長され、さらに柔軟な働き方の選択が可能となりました。

フレックスタイム制のもとでは、あらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めた上で、日々の出退勤時刻や働く長さを労働者が自由に決定することができます。

労働者にとっては、日々の都合に合わせて、時間という限られた資源をプライベートと仕事に自由に配分することができるため、プライベートと仕事とのバランスがとりやすくなります。

ただ、現在フレックスタイム制を採用している企業も自分だけがフレックス制を使うのも気が引ける、と思わている方も多く、名ばかりのフレックスタイム制、となっている企業も多いのが現状です。

この課題の解決が必要となります。

厚生労働省が公開する以下の資料も参考にしてください。

フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

「働き方改革」に合わせた企業独自の動き

働き方・休み方の改善に当たり、各企業も独自の動き見せています。

例えば社内の推進体制づくりや、制度・ルールの導入、情報提供、仕事の進め方の改善など、さまざまな取り組みがあります。

ここでは実例を2つご紹介いたします。

加賀発条株式会社の実例

実施企業の概要と目的

所在地 :石川県
業種 :製造業
社員数 :21人
目的  :加賀発条株式会社は、工作機械や産業機械などに取り込まれるバネを製造しています。20 年前から業務を見直し、2012 年に残業時間ゼロを達成し、現在まで継続中。働き方改革をさらに進め、労働時間を短縮することに成功しています。

●長時間労働の解消に向けた取り組み
大量受注をやめ、多様な種類を少量受注・製造する方向(多品種・少量・短納期生産)へシフトしました。

工程ごとのチームとしての残業の事前申告制を導入し、社員の多能工化も進め、残業時間ゼロを達成しています。

●年次有給休暇の取得促進の取り組み
全社員が年間 20 日の年次有給休暇を取得し休むよう勧奨しています。

●生産性向上への取り組み
設備投資を積極的に実施し、社員の所定労働時間の短縮に寄与。

●大量受注から少量多品種生産に切り替え
技術、社会的責任、労働環境の客観的な評価を得るため、品質保証「ISO9001」、環境対策「ISO14001」、安全衛生「ISO45001」等を取得しました。

●女性活躍推進の取り組み
残業ゼロを達成したところ、若い女性工員が増加し職場に活気が生まれ、取引先が訪問した際も「今後も安定した部品供給の継続が可能」というイメージを定着することができました。

●ワークライフバランスへの取り組み
全社員がフルタイム労働者ですが、育児休業を積極的に取得し、復帰後も育児短時間勤務(1日6 時間30分)を活用するなど、育児と仕事の両立が図られています。

●従業員の健康づくり
定期健康診断の結果に基づき、所見が認められた社員は個別に健康改善の目標を具体的に立て、健康管理に意識を向けるようにしています。

今後の課題と取り組みの効果

<今後の課題・取り組み>
さらなる休日の増加と所定労働時間の短縮、社員への利益の分配を増やすため、継続的な業務の見直しや外部への理解・協力を求めるように努めています。

<現状とこれまでの取り組みの効果>
残業ゼロを達成するために受注方針の見直しをしたところ、売上げは横ばいでしたが、利益率を上げることに成功しました。つまり企業業績は伸びているといえます。さらに、多様な働き方・休み方が可能となり、社員の士気の向上・人材の確保にも役立っています。

トヨタファイナンス株式会社の実例

実施企業の概要と目的

所在地 :愛知県
業種 :金融業,保険業
社員数 :2,070人
目的 :「働き方改革」により、仕事を効率的に進めることにより、創出した時間を新たなチャレンジやプライベートの充実、創造的な仕事に振り、個人と組織の成長、さらには、お客様への付加価値提供へつなげていくことを目的としています。

●働き方改革で目指す姿
働き方改革のゴールは、社内で過ごす時間の充実、そして仕事への達成感、自分が成長できるような働き方ができ、それぞれのライフイベントと充実した仕事を両立できること。

そして個人の充実が会社・組織の成長につながり、個人に還元され、社内環境を社員全員で考え、作り上げていくことを目指しています。

●働き方改革に向けての3STEP
《STEP1》生産性向上と多様な働き方により、時間を創出します。

《STEP2》前STEPで創出した時間を活用し、以下を実施し、健康づくり、余暇、趣味等に充てることにより、多様な個人が成長できる環境をつくります。

  1. 仕事上の新たな課題へのチャレンジ
  2. 自己研鑽や社内外との人的交流
  3. 育児や介護などライフイベントや家族とのふれあい

《STEP3》一連の取り組みを通じて「お客様への付加価値提供」につなげていくことを目指している。

●働き方改革としてのテレワーク導入の経緯
在宅勤務に対するニーズも上がっています。モバイル環境で働ける全社的なプラットフォームを現在では構築することができます。

以上のことから、2017 年1月にテレワークを含めた働き方改革実現に向けた専任組織として「BR 働き方改革室」を設立しました。

2017 年は、まず職場意識改革から着手。全マネージャーを対象に働き方改革の必要性や目的についての説明会を開催し、会社全体で進めること、職場が主体となって進めることなど意見交換を重ねました。

●トライアルとしてのテレワーク実施
「社内モバイルワーク」、「社外モバイルワーク」、「在宅勤務」の3つの区分で 2018 年4月にテレワーク制度を導入しました。

4~9月までの上半期は、対象部署を絞りトライアルという位置付けでスタートしています。

働き方改革を行うことにより、売り上げや利益の減少があり、また新たな問題が発生してしまいます。

しかし、このように大手から中小企業まで、様々な工夫をこらせば「働き方改革」の実現は可能と言えるでしょう。

今現在、独自の取り組みは多くの企業で行われています。

「働き方改革」=「休み方改革」につながる

働き方が変われば当然「休み方」にも変化を見ることができます。例えば以下のような取り組みも行われています。

休み方改善取り組み事例集

こちらの事例集は厚生労働省が定めた、年次有給休暇取得等の「休み方」に焦点を置き、休み方に関する現状と課題、企業の取り組み状況、企業の取り組み事例からみる休み方の改善ポイントを紹介しています。

ご覧になってみてください。

休み方改善取組事例集

キッズウィークの導入

「キッズウィーク」とは、地域ごとに学校の夏休みなどの長期休業日を分散化することにより、大人と子どもが一緒にまとまった休日を過ごせる機会を創出する取り組みで、平成30年度からスタートしました。

キッズウィークの推進は、休み方改革の推進とも言えます。

厚生労働省では、労働時間等設定改善法に基づく指針を改正し、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるよう、事業主に配慮を求めています。

「働き方・休み方改善ポータルサイト」

こちらの「働き方・休み方改善ポータルサイト」では、「働き方・休み方改善指標」の診断ができるほか、多くの企業の休み方に関する事例や、セミナー情報、各地域の取り組み、課題別の対策など、これまでに発行された事例集を閲覧することができます。

また、休み方だけでなく、働き方・休み方改善の全体的な施策の検討をしたい場合には、働き方・休み方改善ポータルサイトも活用してみてはいかがでしょうか。

働き方・休み方改善ポータルサイト

今後もますます推進される「働き方改革」

今回は働き方改革に関する労働時間と休暇に関する部分について説明をしてきました。推進に当たっては、厚生労働省が定めた新たな制度をはじめ、多くの企業が様々な切り口で取り組んでいます。

また、2013年に注目を集めた「ブラック企業」と言う言葉は、働き方改革が叫ばれるようになり改めて注目された言葉といえるでしょう。

今、仕事とライフワークのバランス、休みの取り方は大きな局面を迎えています。

当たり前のように行われていた残業、休日出勤、労働環境の問題も大企業から中小企業まで、すべての企業で注目されています。

まだ始まったばかりの段階だと言える「働き方改革」。今後の推進が期待されます。

厚生労働省「働き方改革」の実現に向けて