子育てと転職を両立させたい女性の転職先のおすすめな探し方

子どもが大きくなり復職を考えるときや、子育て女性が条件を求めて転職するときは、仕事と育児を両立できる転職先を探す必要があります。
時間などの条件面で制約が多くなるため、家庭を優先できる仕事に就くためには、注意点を押さえて効率良く転職活動しなければなりません。
今回は子育てと転職を両立させたい人のために、効果的な転職先の探し方を紹介します。
子育てと転職を両立させたい女性の転職先のおすすめな探し方
- 時短勤務や在宅ワークなど、新しい働き方が増えている
- 子育てと仕事を両立する「くるみん認定企業」が増えている
- 女性に特化した転職サービスを使うのがおすすめ
子育てしながら働いている女性は増えている
厚生労働省の平成29年「国民生活基礎調査の概況」内における「末子の母の仕事の状況の年次推移」によると、子育てしながら働いている女性は増加傾向にあります。
2004年時点で子育てをしている女性がいる世帯は約710万9,000世帯(全体の56.7%)ですが、2017年には約809万8,000世帯(全体の70.8%)に増えています。
この内、正規の職員・従業員は2004年の約211万5,000世帯(全体の16.9%)から2017年には約282万9,000世帯(24.7%)に増加しているのです。
時が経つにつれて子育てしながら働いている女性の割合が増えているのは、少子高齢化による影響も関係しています。
児童(18歳未満で未婚の子)のいる世帯の総数は、2004年の約1,254万2,000世帯から2017年の約1,143万2,000世帯に減少しています。
それにも関わらず、子育てしながら働いている女性の人数は多くなっているといえます。
このような背景から、人材を採用する企業側も子育てをサポートする体制を整えるなどの取り組みが活発になっています。
子育てと転職を両立させたいときの注意点
子育てしながら働いている女性は多いですが、両立するのは難しいのが現実です。
できるだけ自身の希望を叶えるためにも、子育てと転職を両立させたいときの注意点を紹介します。
子育てと転職を両立させたいときの注意点
- ライフスタイルを明確にする
- 子育てに理解がある企業を選ぶ
- 面接で気になる条件を質問しておく
ライフスタイルを明確にする
まずは転職活動をする前に、自身のライフスタイルを明確にするのがポイントです。
ライフスタイルが明確になれば、仕事を探すときの条件を絞りやすくなります。
子育てとの両立する場合、時短勤務ができる職場や保育園・自宅から近い職場など希望条件が増えます。
条件を全て叶える仕事を見つけるのは非常に難しいため、条件に優先順位を付けることも大切です。
一般的な転職活動でも自己分析は重要ですが、子育てと両立するためにはより入念に行う必要があります。
子育てに理解がある企業を選ぶ
現在では、子育てを支援する企業が増えているため、以前よりも仕事と子育ての両立を図れるようになってきました。
例えば、厚生労働省が運営している、仕事と家庭の両立の取り組みを支援する情報サイト『両立支援のひろば』では、企業の事例を紹介しています。
子どもの年齢に応じて時短勤務できる制度や在宅勤務の制度などを導入している企業があるので、参考にしてみると良いでしょう。
面接で気になる条件を質問しておく
転職の面接ではその企業が行っているサポート体制など、気になることがあれば質問しておくのが大切です。
確かに「余計な質問をすることで採用されなくなってしまう。」と不安になる人も多くいます。
しかし、実際に働いてから条件面で不満が出る方が影響は大きく、場合によっては多くの人に迷惑がかかってしまいます。
自分が希望した条件で本当に働けるのか、質問して確認することが大切です。
例えば、実際に子育てしながら働いている社員がいるかどうかを聞けば、働いてみたときのことをイメージできます。
転職と子育てを両立させるポイント
仕事と子育てを両立させるためには、良い条件の仕事を探す必要があります。
いくつかのポイントを押さえるだけでも、希望の条件を満たす仕事に出会えるようになるので意識することが大切です。
転職と子育てを両立させるポイント
- 時短勤務や在宅ワークできる職場を探す
- 1日のスケジュールを決めておく
- 家族に家事を協力してもらう
- 慣れている仕事の方が良い条件を見つられる
時短勤務や在宅ワークできる職場を探す
まず、子どもがまだ小さいときは、幼稚園の送迎などを考えて時短勤務が可能な職場を探すのがおすすめです。
近年では子育て支援の一環として、正社員の時短勤務制度を導入する企業は増えています。
他にも、在宅勤務などリモートワークを採用して、人材確保やコスト削減を図る企業も多くあります。
これは働き方改革の影響もあり、積極的に新しい働き方を導入する企業も存在します。
新しい働き方を導入する企業は増えているので、意識して探してみるのがおすすめです。
1日のスケジュールを決めておく
時間の使い方は仕事と子育ての両立で最も難しいポイントになります。
1日のスケジュールが定まっていないと、転職時の条件を定めることが難しくなるので、時間の使い方などスケジュールを決めてしまうのがおすすめです。
スケジュールを決めてしまえば、仕事が可能な時間をフル活用できる求人を探します。
子どもの年齢や成長に合わせて、1日のスケジュールが変化することも考える必要があります。
家族に家事を協力してもらう
仕事と子育てを両立させようとすると「通勤時間以外は理想と合致する」というような、求人が出てきます。
どうしてもゆずれない条件が出てきたきは、可能な限り家族の協力を求めるようにするのがおすすめです。
例えば、子どもを保育園や幼稚園に送る時間やお弁当を作る時間などをカットできれば、時間に余裕が生まれて条件に合致する求人が増えます。
家事を分担制にするなどの少しの工夫で、世帯年収を増えせるような条件が良い求人が見つかれば、家族にとって大きなプラスになります。
慣れている仕事の方が良い条件を見つられる
仕事と子育てを両立できる仕事はある程度決まっていますが、出産前の仕事で培った知識や技術など、自身が持つキャリアを活かすことで、好条件の求人を見つけられる場合もあります。
企業にとっても即戦力となるを採用する方がメリットは大きいです。
企業は広告費用などの関係から、現場で必要としている人材のすべてを募集していない場合があります。
柔軟な働き方ができる・子育てサポート企業などの魅力的な企業で、自身が希望する職種を募集していないときは、採用担当者に質問してみるのも有効です。
しっかりとしたキャリアがあるのであれば、採用担当との交渉で自分の希望する職種や条件を叶えられる可能性もあります。
うまくいく可能性は高くないですが、担当者と話してみる価値はあるといえるでしょう。
子育てと転職を両立させられる職種
子育てと転職を両立させたいときには、適した職種を選ぶのがおすすめです。
育児、子育てのために仕事から離れて、ブランクがある人は参考にしてください。
あらかじめ職種の情報を把握していれば、面接時に効率良くアピールできます。
子育てと転職を両立させられる職種
- 販売・接客
- 一般事務・受付
- オペレーター・コールセンター
- 医療・介護事務
販売・接客
販売や接客業の場合、基本的に固定の時間を働くことになりますが、シフト制であることが多いので予定に変更あれば、柔軟にスケジュールを調整できます。
子育てしながら働いている女性が比較的多い職種なので、子育てに対する理解がある職場が多い傾向があります。
接客スキルなどコミュニケーション能力が求められます。
それだけでなく、売上管理などの事務作業や売上を改善する企画などの仕事を行うこともあります。
一般事務・受付
一般事務や受付も子育てと両立しやすい職種です。
オフィス内で書類作成やデータ整理などの事務作業を中心に行いますが、最近では出社せず在宅勤務として仕事できる企業が増えています。
他にも電話対応などを行うため、基本的なビジネススキルは必須です。
比較的平日勤務で土日休みの仕事が多く、決まった時間に働きたい人におすすめです。
オペレーター・コールセンター
コールセンターの仕事も時間が決まっており、時給が高く条件に合致するものが多くあります。
特別なスキルは必要なく、商品やサービスの知識が求められるため、入社してから努力する割合が多いです。
シフト制や時短勤務などにも柔軟に対応している仕事が多いため、子育てと両立する仕事を選べます。
以前働いていた仕事と同じ業界を選べば、過去の経験を活かして案内することもできます。
医療・介護事務
病院やクリニックなどの受付や会計などの事務作業を行う医療事務は、子育てしている人が多く働いている職種です。
医療事務と同様に、介護施設で事務を行う介護事務もおすすめです。
医療事務・介護事務は資格がなくても働けますが、有資格者の方が就職は有利になる傾向があります。
資格手当がある仕事もあるので、給与アップできる求人も多くあります。
子育てと両立する「くるみん認定企業」を狙う
くるみん認定企業とは、厚生労働大臣に「子育てサポート企業」として認定されて企業であり、「くるみんマーク」という証を受けられます。
さらに、くるみんマークを持つ企業が、さらに高い水準の両立支援制度を導入・利用し、評価されることで「プラチナくるみん認定」を受けられるようになりました。
「プラチナくるみん認定」は継続的な取り組みを促進するために作られた認定制度です。
各マークは広告などに表示して高い水準の取り組みを行っている企業であることをアピールできます。
くるみん認定を得るためには以下の基準を満たす必要があります。
くるみん認定基準
- 雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動計画を策定したこと。
- 行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。
- 行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。
- 行動計画を公表し、労働者への周知を適切に行っていること。
- 男性の育児休業等取得について、次の①又は②を満たすこと。
①計画期間において、男性労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者に占める育児休業等を取得した者の割合が7%以上
②計画期間において、男性労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者に占める育児休業等を取得した者及び育児休業等に類似した企業独自の休暇制度を利用した者の割合が15%以上、かつ、育児休業等をした者の数が1人以上いること
引用:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて」より
このくるみんマークを取得した企業は、厚生労働省のホームページで一覧が公開されています。
子育てをサポートするという企業を見つけやすくする目的もあるため、仕事選びの1つの要素として押さえておくことが大切です。
各企業のホームページで探すよりも、有効な転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントであれば、希望する企業について相談できるので、くるみんマークを取得している企業を迅速に見つけられます。
子育て世代におすすめの転職サービス
今まで説明してきたように、子育てが落ち着いたための仕事復帰や子育て中の転職は、ポイントを押さえて行うことが大切です。
そのため、子育て女性に強い転職サービスを利用するのがおすすめです。
大手の転職エージェントも、女性の転職に特化したサービスを行っています。
以下の記事でも、子育て中の女性に向けたサービスて提供する転職エージェント、転職サイトを紹介しています。
育児を支援してくれる企業の求人を探すポイントとオススメな探し方
ここでは、時短勤務や在宅ワークなども含み、特色のある求人を紹介してくれるサービスを紹介します。
ママの求人
ママの求人は名前の通り、ママのための求人サイトであり、安心して仕事を探せる体制を整えています。
在宅ワーク特集など、子育て中の女性でも働ける求人が豊富で仕事を効果的に探せます。
在宅ワークや主婦向けの求人なら【ママの求人】 | ママの求人
特徴
ママの求人では、オフィスワークや企画・マーケティングの仕事、在宅ワーク特集など職種で絞り求人を探せます。
子育て中でも効果的に仕事を探せるような、お役立ちコンテンツが豊富なことも大きな魅力です。
さらに、ママの求人では主婦・ママのための転職サポートサービスを行っています。
子育てしながらの転職活動に不安を感じている人やブランクが長く自信がない人などに適しています。
子育てしている女性を支援した実績があるキャリアアドバイザーが、正社員や時短勤務の仕事など、利用者に合った求人を紹介してくれます。
この転職支援サービスは無料で利用できるので、納得した求人を探せます。
LiBz CAREER(リブズキャリア)
リブズキャリアは女性のための転職マッチングサービスで、キャリアアップ・育児からの復帰を目指す人に適しています。
自分のライフステージに合わせて納得できる求人を見つけられるので、子育て中の女性でも効果的に転職活動できます。
キャリア女性のための転職サービス | LiBzCAREER(リブズキャリア)
特徴
フレックス制や時短勤務、リモート勤務など働き方や帰宅時間など、細かいこだわり条件で絞り込み、求人を探せます。
企業から直接スカウトメールが届くので、直接やり取りができスムーズに転職活動を行えます。
希望の条件を登録しておけば求人紹介のメールが届きます。
育児の合間にメールで求人をチェックするだけで、効率良く転職活動を行えます。
女性に特化した求人情報が充実しており、バリバリ働きたい人から家庭を優先したい人まで、幅広い利用者に対応しています。
QOOLキャリア
QOOLキャリアは時短で正社員の転職を希望する人におすすめの転職サービスです。
女性に特化した転職サービスは多いですが、その中でもQOOLキャリアは子育て女性が活躍している企業に特化しています。
時短正社員、週4日以下勤務など、子育てと仕事を両立したい人に最適な条件の求人が豊富です。
特徴
スカウト機能があるので希望した条件の企業から直接情報が届くので、時間がない人でも効率良く転職活動できます。
子どもが小さい人でも、在宅ワークの仕事やオンライン面談などに対応している企業など、子育てに理解がある企業が集まっています。
時短などの希望する条件だけでなく、入社する企業のサポート体制も重視する人はQOOLキャリアの利用がおすすめです。
Mamateras(ママテラス)
ママテラスは柔軟な働き方を希望する子育て中の女性などの人材と、人材を確保したい企業を引き合わせるマッチングサービスです。
マネージャーなどの経験があるキャリア人材・ハイクラス向けの求人サイトです。
特徴
子育てなど家庭の制約がある人でも、今までの経験・キャリアを活かしコアメンバーとして働ける求人を厳選しているため、条件が良い仕事と出会えます。
週3・4日勤務、週1日・2日の在宅勤務が可能といった、柔軟な働き方ができる求人を紹介しているので、子育てしている女性でも条件に合う仕事が見つかります。
利用者はマネジメント職に関わっていた人などが中心なので、少し敷居は高いですが条件が良い求人を求めている人におすすめです。
一定の経験を積んでいる35歳から44歳の女性の成約が多いのも特徴で、正社員として採用されている割合は8割にもなります。
子育てを両立させるポイントを押さえて転職を成功させよう
子育てと転職を両立させるポイント
- ライフスタイルを明確にしておく
- 子育てに理解がある企業を選ぶ
- 時短勤務や在宅ワークできる職場を探す
- 1日のスケジュールを決めておく
- 子育てと両立する「くるみん認定企業」を狙う
子育てと仕事を両立させるのは難しいですが、効率良く転職活動をすれば希望条件に合致した求人を見つけられます。
近年では、厚生労働省が認定している「子育てサポート企業」が増えているため、転職はしやすくなっています。
また、時短勤務や在宅勤務など新しい働き方も増えているので、選択肢は広いです。
仕事探しのポイントを押さえて、育児と両立できる転職先を見つけるのがおすすめです。