技術・専門職公務員の種類と応募資格 | スキルを活かして安定就業

安定した環境に魅力を感じ、公務員へ転職したいと考える方は少なくありません。ひとくちに公務員といっても、一般行政職から警察官などの公安職まで、その職種は様々です。

今回は、そんな数ある公務員の職種の中でも、技術・専門職公務員の種類と応募資格についてご紹介していきます。技術・専門職公務員への転職では、あなたが現時点で保有している資格やスキルが役に立つかもしれませんよ!

この記事で学べること

  • 技術・専門職公務員への転職のポイントが分かる
  • 技術・専門職公務員の面接で聞かれる質問が分かる
  • 技術系公務員と専門職公務員の募集要件の違いが分かる

技術系公務員に転職するためのポイントを紹介

市役所の窓口業務やデスクワークなどの仕事を行う事務・行政系の公務員は一括で採用され、採用後は様々な部署で働くことになります。対して、技術系公務員では採用時点でそれぞれの専門分野に応じて試験区分が分かれています。

そして、採用後は専門分野を管轄する部署で継続して働くことになります。

技術系公務員の種類

技術系公務員には「土木」「建築」「機械」「電気・電子・情報」「農学」「化学」などの種類があります。

「土木職」では、国家公務員の場合、国土交通省や地方整備局に入省し、河川や道路、港湾、空港、公園などの社会資本の整備・管理を行います。

地方自治体では、道路や公園などの工事発注のための書類作成や業者との調整などの業務を行います。また、道路や公園などの維持や管理、再開発など町づくりに関する施策にも携わります。

「建築職」では、国家公務員の場合、国土交通省に入省し、耐震性能やユニバーサルデザインなどの技術的基準を策定し、地方に普及させる業務などを担当します。

地方公務員の建築職の場合、都市計画を担う部署や道路などの交通を管轄する部署に配属されます。そして、都市計画の策定や、公営施設などの建設において計画から設計、施工まで一連の業務に携わることになります。

「機械職」では、国家公務員の場合、国土交通省の運輸支局や車検場において、車や原動機付自転車などの型式認定検査などに携わったり、自動車の安全基準や環境基準の策定の業務に携わったりすることもあります。

また、地方整備局では信号機の設置に携わったり、警察庁では材料工学や制御工学に関する知識を新たな通信施設や通信システムの開発に役立てることもできます。自治体では、機械設備の計画から施工、工事管理、維持管理まで一連の業務に携わります。

「電気・電子・情報職」では、経済産業省において、その専門的知識を活用し法律の改正や技術支援、国際交渉など様々な業務に携わることができます。

また、総務省では情報通信社会の実現のため、様々な制度の構築や技術開発などに取り組みます。

「科学職」では、国家公務員の場合、財務省税関で輸出入貨物の科学的な分析や不正薬物の鑑定などの業務に携わります。

自治体では、環境保全関係の部署や上下水道管轄の部署に配属され、地球温暖化対策や循環型社会の実現など環境問題に関連する幅広い業務に携わることになります。

「農学職」では、国家公務員の場合、農林水産省や地方農政局に入省し、食の安全や食育の推進や農家の経営サポートなどに関連する施策や取り組みに携わります。自治体では、地方の特産物を全国に普及させる企画などに携わったり、実際にイベントを運営したりする業務に携わることになります。

技術系公務員は資格がなくても応募可能

公務員の技術職に転職するためには専門分野の資格が必要となるのでは?と考えている方は多いですが、実は、技術系公務員は事務系・行政系公務員と同様、資格が無くても応募可能です。

基本的には年齢要件を満たしていれば日本人ならどなたでも受験ができる仕組みとなっています。

合否を決めるのは、筆記試験と面接試験の総合評価のみですので、資格を保有していなくても試験で高得点を獲得すれば、合格することももちろん可能です。

そのため、あまり資格取得にこだわらなくても大丈夫です。ただ、資格を取得しても意味がないというわけでもありません。

例えば試験の評価が全く同じである受験生が2人いる場合、片方が資格無しでもう片方が資格有りでどちらか1人しか採用できないという状況だったとしましょう。

このようなケースなら資格取得者が優先して採用されるケースは十分考えられます。技術系公務員は、事務・行政系公務員と比べ、採用人数が少ないので上記のようなケースもあり得ないわけではありません。

採用に有利になる資格を紹介

上述した通り、技術系公務員への転職では、資格を持っていれば採用に有利に働く可能性があります。もちろん、どのような資格でもいいわけではなく「業務に関連した資格」である必要があります。

具体的に、どのような資格が採用に有利になるのかという点ですが、例えば、地方自治体で電気系の職務を担当する公務員になりたいなら、有利になる可能性が高いのが「電気主任技術者」です。電気主任技術者になれば、一定以上の電圧を使用する電気設備・施設を保安・監督することができます。

また、「土木職」の公務員に転職したいなら「土木施工管理技士」の資格を取っておけば有利に働く可能性があります。土木施工管理技士になれば、土木工事の現場で監理技術者や主任技術者の選任を受けることが可能になります。

土木施工管理技士は、資格を取得するために一定の実務経験が必要となるので、スキルや経験の証明にもなります。

このほかにも、危険物を取り扱う業務を行うなら「危険物取扱主任者」、建築系の業務を行うなら「建築士」の資格などが役に立つ可能性がある資格です。

専門職公務員に転職するためのポイントを紹介

専門職公務員とは、簡単に言えば、各専門分野のスペシャリストとして働く公務員のことです。

専門職公務員の種類

専門職公務員には、例えば「保育士」「薬剤師」「獣医師」「栄養士」「司書」「看護師」などの職種があります。これらの職種は地方公務員で募集され、別名「資格免許職」といいます。

また、心理職や福祉職の公務員も、広い意味では専門職公務員ということができます。心理職・福祉系の公務員とは、各種相談所で心理判定の業務に携わる公務員のことです。例えば、児童相談所で働く「相談員」、法務省専門職員の一つである「保護観察官」などの職種があります。

それぞれの業務に関連する資格の取得が必須

専門職公務員では応募するにあたって、それぞれの業務に関連する資格を保有していることが条件になります。例えば、地方公務員で保育士として働きたいなら、事前に国家資格の「保育士」の資格を取得しておく必要があります。

また、教員採用試験を受けたければ「教員免許」が必要です。このように専門職公務員では資格が必要となるため「資格免許職」と呼ばれるわけです。

基本的には専門職公務員の募集は欠員が出たら補充をかけるというスタンスなので、採用人数が少ないです。年度によっては募集していない職種もあるので、受験したい官庁や自治体の募集要項を必ず確認してください。

身体要件が必須となる職種もある

警察官や消防士など、公安系の職種も公務員の中に含まれますが、こうした職種を受験するには「身体要件」が必要です。犯罪や災害から住民を守るのが仕事ですから、一定の水準以上の体力が必要となるためです。

身体要件の具体的な水準は各自治体によって異なってきますが、例えば、男性であれば、腕立て伏せを30秒間で27回以上、20mシャトルランを50回以上といった条件が付されることがあります。

技術系・専門職公務員の面接で聞かれる質問

応募条件が分かったら、試験対策のことを考えなければなりません。筆記試験の勉強ももちろん大切ですが、2次試験で実施される面接対策も行う必要があります。ここでは、技術系・専門職公務員の面接で聞かれる質問について代表的なものをご紹介します。

過去学んできた事柄

大学や大学院などで学んできた内容について問われます。この質問をする理由は、応募する職種の専門的知識を現時点であなたがどれくらい持っているのか、把握するためです。

質問の仕方としては「大学時代、研究していた内容は何ですか?」「その研究で工夫したことは?」「その知識を業務でどのように活かすことができるか?」などです。

自分のスキル・経験をアピールできる絶好の質問ですから、出来る限り具体的に説明するようにしましょう。

説明の際は、事務系の職員が面接官をしていることも考えられますから、素人でも内容が理解できるよう、専門用語を使わず説明できたらグッドです!

転職後の技術系・専門職公務員の働き方

入庁してからの仕事内容について、詳しく聞かれる可能性は高いです。転職の場合、即戦力として働いてもらいたいと考えていますから、入庁後の業務についてどの程度把握しているのかという点に関しては、合否を分かつ重要なポイントだといえます。

「当自治体の電気に関する施策を知っているか?」という質問がされることも考えられますから、業務内容だけでなく受ける自治体の応募職種に関連する施策に関しても詳細にリサーチしておくよう注意してください。

技術系公務員と専門系公務員の募集要件の違い


技術系公務員と専門系公務員の募集要件の大きな違いは、「資格が必要となるかそうでないか」という点です。

技術系公務員なら資格が応募する職種に関連する資格がなくても応募は可能ですが、専門系公務員の場合、応募する職種に関連する資格を持っていることが応募条件となります。

つまり、専門系公務員の場合、資格を持っていなければスタート地点にも立てないというわけです。

また、技術系・専門職公務員の面接で聞かれる質問についてもご紹介しました。事務・行政系の公務員の面接では、自己PRや志望動機など「人柄」や「熱意」に関する質問が多いですが、技術系・専門職公務員の面接では「知識」や「業務内容」に関する質問が多いことをふまえて応募に臨んでください。

この記事のポイント

  • 技術系公務員は資格不要だが採用に有利になる資格は要チェック
  • 専門職公務員は「資格免許職」とも呼ばれ、応募の際は各職務に対応する国家資格の所持(見込み)が必須
  • 面接では、専門分野に関する知識や業務内容について聞かれがちなのでしっかり準備しておこう