アジアのパワービジネスウーマン2019:転職業界と美容業界から2人の経営者が選出

政府は最重要課題の一つとして「すべての女性が輝く社会づくり」を推進しており、女性の活躍を応援し実現するために様々な施策も講じています。

全国的なムーブメントが創出されている中、9月にフォーブス・アジア版オンラインで、アジアのパワービジネスウーマン25人がを発表されました。

管理職の女性が少ないと言われている日本から選出された2人のパワービジネスウーマンを紹介します。

フォーブス・アジア版が選ぶパワービジネスウーマン25人とは

毎年発表される「アジアのパワービジネスウーマン」は、起業家、投資家、企業の経営幹部などの中から、その実績や業績により影響力の高い女性を選出したものです。

2012年からスタートしたリストは、Women In The Mixと名前を変え、昨年はForbes Emergent 25として、その年に突出した活躍を見せた女性ビジネスウーマン25人を選出してきました。

そして今年は「Asia’s Power Businesswomen 2019(アジアのパワービジネスウーマン2019年版)」として、シンガポールから2人、中国(香港を含む)5人、韓国2人、タイ2人、ベトナム2人、マレーシア1人、インドネシア3人、フィリピン1人、インド4人、フィリピン1人、そして日本からは2名のビジネスウーマンが選出されています。

日本からは美容と転職業界の女性経営者が選出

日本から選出されたのは、ヤーマン株式会社代表取締役社長の山崎貴三代氏とウォンテッドリー株式会社代表取締役CEOの仲暁子氏です。

仲氏については、25人の中でも注目のビジネスウーマン4人として取り上げられ、個別記事でも紹介されています。

まずは、ヤーマン株式会社代表取締役社長の山崎氏の経歴を簡単に紹介します。

ヒット製品を送り出し成長を続けるヤーマンの社長山崎貴三代氏

山崎氏が率いるヤーマンは、化粧品、ボディーマッサージ器、その他の美容製品が中国の消費者の人気を得ており、過去3年間で記録的な収益を上げています。

2019年4月期の決算では、同社の純利益は前年比で4%増加し、収益は18%増加の270億円となっています。

1978年に彼女の父であり、現会長の山崎行輝が創業したヤーマンは、日本初の高周波による毛と毛根を除去する脱毛器をはじめ、多くの画期的な製品を開発してきました。

貴三代氏は上場した同社を1999年に社長として引継ぎ、需要を生み出す新商品の開発を続けています。

収益増加と国内にとどまらない製品の人気から今回の選出に至っています。

日本の転職市場に変革をもたらしたウォンテッドリーCEOの仲暁子氏


今回発表された25名のビジネスウーマンの中でも、大きく取り上げられたのがウォンテッドリーのCEO仲暁子氏です。

フォーブス・アジアでは、インタビューを交えた個別記事も公開し、彼女の経歴からWantedlyという転職サービスが日本の転職市場に与えた影響を開設しています。

正統派の経歴から生み出された型破りなサービスWantedly

日本トップレベルの京都大学からゴールドマン・サックスやFacebookでの勤務と、仲氏は経営者として正統派キャリアを重ねた後、転職サイトのウォンテッドリーのCEOとして、企業と転職者マッチさせる型破りなサイト開発しました。

サイトとアプリWantedly Visitでは、給与や福利厚生だけでなく、ジョブディスクリプションや企業理念と言った情報も提供しています。

その情報をもとに、求職者は求人を選び、企業と同意に至れば、面接と言ったフォーマルな顔合わせではなく、求職者と企業が双方を確認し合う、カジュアルな顔合わせを行います。

「すぐに結婚してしまうのではなく、お互いを知るためのお付き合いから始めるのです」
中氏は自社のサイトについてこう語っています。

日本ではこの流れが受け入れられるのに2年かかったものの、今ではデファクトスタンダードになったのだとも、説明しています。

ウォンテッドリーというサービスは、今の日本転職市場の核心を突きました。

日本では労働人口の減少により、過去10年の間で最も厳しい時期を迎えています。しかし、この流れは転職や転職関連会社にとっては、チャンスだと言えるでしょう。

矢野経済研究所によると、人材紹介業界は今後3年間で27%の拡大が見込まれ、5,000億円規模になると見られています。

LinkedInが転職関連のソーシャルメディアとして世界的に席巻する一方、日本ではサービス開始から短い期間で200万ユーザーを獲得したウォンテッドリーはLinkedInと肩を並べています。

2017年後半、東証マザーズに上場して以来、ウォンテッドリーの株価は3倍となり、同社の時価総額は2900億円に達しました。中氏は1億8900万円となる同社の株の71%を保有しています。

「やればできる」という姿勢が仲氏の成功をもたらした

彼女の起業家としての道は2005年に始まりました。京都大学で学びながら、サイバーエージェントに関する本に感銘を受け、キャンパスでフリーペーパーを立ち上げ、その広告欄を大学近隣の店やレストランに販売しました。

2008年に経済学の学位を取得し大学卒業後、東京のゴールドマン・サックスに入社して、機関投資家を顧客としたセールスを担当しました。

金融業界に自分の将来を見い出すことなく、同行を2年経たずに退社し、漫画家を目指しました。その後、2010年Facebookに入社したものの、わずか半年後には同社を辞め、ウォンテッドリーを創業しています。

WantedlyおよびWantedly Visitへの求人掲載料は月額4万円から20万円、求職者となる個人ユーザーは無料のサービスです。

Wantedlyは、既に35,000社の企業を顧客として抱え、その中には日産やソニーなどの大手企業も含まれています。

Wantedly Peopleと呼ばれる名刺スキャン、連絡先管理アプリも運営しており、香港やシンガポールへも進出しています。

仲氏の「やればできる」という姿勢が、仕事における女性観を形作っています。

「女性の視点にフォーカスしたインタビューはお断りしています。女性であることについて考えてはいません。私のキャリアに、それは問題ありませんでした」

デファクトスタンダードともいえるサービスを生み出した背景には、男女の差を意識しない仕事のやり方が影響をしているのかもしれません。

女性の管理職へのハードルはまだ高い

パワービジネスウーマンを紹介した今回の記事によると、帝国データバンクが最近実施した調査結果として、日本の管理職における女性の平均割合はたった7.7%という低い数字であることが述べられています。

今年4月に発表された国際労働機関(ILO)の調査でも、主要7カ国(G7)で最下位であることがわかりました。

女性がキャリアを積み重ね、管理職になるという選択は未だにハードルが高いことを示しています。

このような状況の日本から、今回選出された2人の女性に共通するのは、独自の製品・サービスをヒットに導いたこと、国外への事業展開でした。

仲氏のように、女性であることを意識せず働くことのできる「女性が輝く社会」への道のりは長いと思われる日本。

今後の政府の施策や女性自身の意識の変化により、社会がどう変わっていくのか、注目していきましょう。