子育てママの勤務形態は「バリキャリ」と「ゆるキャリ」

近年、政府が主導する女性活躍推進により、結婚・出産後の女性の働き方にも注目が集まっています。

経済的な理由だけでなく自身のキャリア形成をしたいという理由から子育てをしつつも就労意欲のある女性が増えています。しかし、子育てと家事、さらには仕事を両立するために、クリアしないといけないハードルがたくさん待ち構えています。

今回は子育て中の女性の二つの勤務形態である「バリキャリ」と「ゆるキャリ」について見ていきます。

「バリキャリ」と「ゆるキャリ」が生まれた背景

「バリキャリ」と「ゆるキャリ」という言葉は耳にしたことがある方も多いことでしょう。

「バリキャリ」とバリバリと働き、仕事こそ自己実現の手段と考え、プライベートの充実よりも仕事での成功やキャリアアップを望む女性の生き方や価値観を持っている女性のことを指します。

一方の「ゆるキャリ」は、ゆるやかなキャリアのことで、バリキャリ女子のように「仕事が大事!」という気持ちはなく、家庭や自分のプライベートを大切にしながらマイペースで働くことを目指しています。

「バリキャリ」という言葉が生まれた背景には、1985年に施行された男女雇用機会均等法があります。これを機に、残業もいとわず、男性と肩を並べてバリバリと働くバリキャリ女性が急速に増えました。

その後、2000年代以降は「改正育児・介護休業法」や「労働基準法改正」などを通じて、仕事と家庭などを両立させる「ワークライフバランス」の考え方が一般的になりました。

このような時代背景もあり、仕事は頑張りたいけれど、あんな風にはなれないと思った働く女性たちは少なくありませんでした。こういった女性たちが「バリキャリ」との対比の中で「ゆるキャリ」と呼ばれるようになりました。

今は子育てと仕事の両立支援も以前より整ってきているなかで、バリキャリとゆるキャリの2極化が進んでいるとも言えるでしょう。

そこで、バリキャリ、ゆるキャリのメリットとデメリットを見ていきましょう。

仕事が生きがい!バリキャリのメリット

バリキャリのメリット

  • 収入、社会保障が安定、生涯年収も高い
  • 仕事に対するやりがいを感じる
  • 定年まで安定した雇用

仕事が忙しくて、プライベートの時間が少なそうなバリキャリですが、多くのメリットもあります。

収入、社会保障が安定、生涯年収も高い

バリキャリの多くは正社員です。中には役職を持つ女性や、経営者もいます。バリキャリのメリットとしては、生涯年収が高いことです。

また、正社員であることで、社会保障が充実していたり、老後の年金が高くなることもメリットになります。

仕事に対するやりがいを感じることが多い

仕事に打ち込み、確かな成果を上げるバリキャリは、企業にとっても頼もしい存在です。その分、責任のある仕事を任せられることも多いのです。

評価が昇進や昇給となってあらわれると、さらにやりがいを感じることにつながるでしょう。

定年まで安定した雇用

今の日本では、育児などで一度仕事を辞めてブランクがあると、再就職に時間がかかったり、就職できても以前より待遇が悪くなることもあります。

子供が小さいうちは、フルタイムで時に残業や出張もこなしながら働くのは、精神的にも体力的にも本当に大変ではあるものの、
子供がある程度大きくなった時に、変わらない待遇で働き続けられる環境があるというのは、大きなメリットになります。

私生活は大丈夫?バリキャリのデメリット

一方、バリキャリならではのデメリットもありますので、見ていきましょう。

バリキャリのデメリット

  • 家族との時間が減少
  • 仕事以外に趣味や楽しみが減る
  • 子供の教育でマイナス面も

家族との時間が減少

バリキャリ女性は男性と同じように仕事に取り組んでいるため、時には残業や出張、休日出勤などもこなさなければいけません。

このため、どうしても家族と過ごす時間が少なくなってしまいます。特に小さい子供がいると、子供と過ごす時間が少ないことに罪悪感を抱く人も多いのが実情です。

育児と仕事の時間をどう両立するかは、バリキャリを続ける上で大きな課題となっています。

仕事以外に趣味や楽しみが減る

いつも忙しく働いているバリキャリ女性は、なかなか趣味などに時間を費やすことができません。

気が付くと普段は職場と家の往復のみ、なんてことも。休日は疲れを取るために寝るだけという生活に陥っている人もいます。

子供の教育でマイナス面も

バリキャリ女性の中には、子供に高い教育を受けさせたい、と望む人も多いでしょう。

しかし、フルタイムで働いていると、子供が幼稚園に入る時期には、幼稚園には入れられず、保育時間の長い保育園を選ばざるを得ない場合もあります。

また、幼稚園や小学校から私立に通わせたくても、親が送迎しなければならないところもあります。習い事も送迎が必要になるため、仕事のある日に自分の子供の望む学校や習い事に通わせることは難しいと感じることもあるでしょう。

送迎などで外部のサービスを利用することも可能ですが、経済的に負担がかかる事になります。

仕事以外の生活も大切にしたい。ゆるキャリのメリット

ゆるキャリのメリット

  • 自分のペースで仕事を継続
  • 家族とゆとりある生活
  • プライベートが充実

仕事より私生活に重きをおき、無理のない範囲で働くゆるキャリ女性。

パートやアルバイト、派遣社員や契約社員など、不安定な雇用の人も多いですが、ゆるキャリならではのメリットもあります。

自分のペースで仕事を継続

共働きが多くなった昨今、女性が専業主婦として育児や家事だけを担うことが少なくなってきました。

それでも、育児や家事をしながらフルタイムで働き、残業や出張までこなすことに体力的に限界を感じて、仕事を辞めてしまう女性も多くいます。

ゆるキャリ女性の場合、時間的にも体力的にも余裕を持てるのがメリットです。

特に子供が小さいうちは、体調を崩すことも多いので、ある程度融通がきく働き方が大切になります。

家族とゆとりある生活

家族の時間を大切にするゆるキャリ女性。子供との関係や幼稚園・保育園などの誕生会などのイベントも、仕事の都合を付けて参加する人も多くいます

また、私生活に支障のない範囲で働いているゆるキャリ女性なら、家族との時間もしっかり持て、家庭と仕事のバランスをうまく保つことも可能です。

プライベートが充実

ゆるキャリ女性はできるだけ残業はせず、オンとオフを分けてプライベートの時間を大切にしている人が多いです。

そのため、趣味や習い事に費やせる時間も長く、仕事以外の私生活を充実させることもできます。

キャリア形成に弊害、ゆるキャリのデメリット

一方、ゆとりある働き方をしているゆるキャリ女性にもデメリットはあります。以下にまとめました。

ゆるキャリのデメリット

  • 仕事の評価に影響する
  • キャリアに差
  • 再就職へのリスク

仕事の評価がイマイチ

ゆるキャリ女性だからといって、仕事を手抜きしている訳ではありません。

しかし、職制や雇用形態の違いから、頑張ってもバリキャリのように給料やポストが上がらず、悔しい思いをすることもあるでしょう。

あまり戦力として見なされないことにも、不公平感を覚えることもあるかもしれません。

キャリアに差

「ガツガツ」した働き方を選んでいないゆるキャリ女性は、出世や昇進も限定的で、最終的に高いポストまで上り詰める人は少ないのが実情です。

同じ年月だけ働いても、生涯年収もバリキャリに比べ、低くなる傾向があります。

再就職へのリスク

その時々のライフステージに合わせて、働き方を選ぶゆるキャリ女性は、出産や育児を機に正社員を辞め、パートやアルバイトなどゆるやかな働き方に変える人も多いのではないでしょうか。

しかし、今の日本では、いったん正社員を辞めて長いブランクができてしまうと、いざフルタイムで働きたいと思った時に、再就職につながらなかったり、新たな就職先が見つかっても、待遇面や条件面が著しく落ちることも珍しくありません。

子育てが落ち着いた後、それなりの待遇で働きたいと考えているならば、正社員を辞めずに時短勤務を会社側に申し出るか、ブランクに左右されない資格や技能を取得しておいた方が長期的なキャリ形成を考えた場合はプラスに働く場合があります。

「バリ」「ゆる」キャリアは自由に選択

少子高齢化の影響で労働力人口の減少が懸念される中、女性労働力への期待は高まっています。

しかし、現状は子育てと仕事の両立がしやすい社会であるとは言えず、悩みや心配事を抱えながら働いているママたちも多いかもしれません。

「ゆるキャリ派vsバリキャリ派」など、対立構図で語られることも多くありました。

同じ働く女性の間でも、バリキャリ派から見るとゆるキャリは甘く見えたり、ゆるキャリ派から見ると、バリキャリは家庭をないがしろにしているように見えるなど、相容れないものもあるようです。

子育て中の女性がいきいきと働ける社会を実現するためには、「多様な働き方」を可能にすることが不可欠です。

今回お伝えした「バリキャリ」や「ゆるキャリ」という働き方以外にも、今後もっとさまざまな働き方の選択肢が出てくるかもしれません。

自分に合った働き方を選択できる環境が整備されることが、女性が自分の望む生き方にもつながるでしょう。

子育て中の女性の働き方に関しては以下の記事も参考にしてください。

社員の子育てを支援する「くるみん認定企業」で仕事と育児を両立

女性の活躍を推進する「えるぼし認定企業」とは?

子育て中の女性が転職活動を始めるタイミングはいつが最適?