転職する際に20代のIT営業職が取っておくと有利な資格ベスト5

転職する際に20代のIT営業職が取っておくと有利な資格ベスト5

転職市場から見たIT業界は、未だ人材不足のため売り手市場が続いています。

業界的にも高収入が狙えるため、IT業界内でキャリアアップを狙う転職希望者も多いです。

IT業界の中でも営業職は、クライアントと技術者、そしてエンドユーザーをつなぐ重要な役割を担っています。

もはやインターネットやスマートフォンは私たちの生活に欠かせないものとなっていますし、インターネットだけではなく電化製品や、自動車、ゲーム、AI(人工知能)に至るまで最新のIT技術が使用されています。

IT業界の営業職とひとことで言っても、関わる業種の広がりによって、年々業態が複雑化しているのが特徴です。

そこで、これから転職を狙う20代のIT営業職が取っておくべき、業種を超えて有利に働く資格ベスト5をご紹介します。

20代と若い年齢ほど、意欲をアピールするツールとして資格を使いやすい傾向にあります。

ぜひ参考にしてください。

1位:プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャ資格は、経済産業省認定の国家資格である「情報処理技術者試験」の試験区分のひとつです。

システム開発プロジェクトにおける、マネジメントスキルを認定するための資格です。

プロジェクトマネージャ試験は、IPA 独立行政法人情報処理推進機構が試験を実施しており、公式サイトにおいて、対象者を以下のように記載しています。

営業は個人スキルよりもマネジメントスキルが大事

プロジェクト全体の意思決定を実行し、品質・コスト・納期に全責任をもち、前提・制約条件の中でプロジェクトを確実に成功に導き、プロジェクトメンバを成長させるマネージャを目指す方に最適です。

営業と言えば、個人で売上を上げていくことが大切ですし、それが自身の評価ポイントとなります。

IT業界においての営業は、さらに、クロージング後の対応が最も大事と言っても過言ではありません。

その後、長くクライアントとお付き合いしていけるのかどうかが、とても重要になってきます。

技術者と違い、クライアントと何かと顔を合わせる機会の多い営業は、立ち話などで、今後の新規案件に関わる細かい質問や相談などを数多く受けるでしょう。

そのたびに「持ち帰り」としていてはチャンスを失います。

ほんの少しのチャンスも拾い上げ受注に繋げるためには、個人のスキルよりも自分のチームの人員・得意分野・リソースなどを常に把握しておき、案件の技術的な側面とすり合わせ、どう動かしていくかというマネジメントスキルが必須です。

プロジェクトマネージャ資格は、大きい組織であればあるほど効果を発揮していくでしょう。

プロジェクトマネージャ試験の難易度と合格率

プロジェクトマネージャ試験は下記のとおり、1日で4つの筆記試験を受けます。

午前I 試験時間50分。マークシート四肢択一式で30問出題。満点の60%の得点で試験通過
午前II 試験時間40分。マークシート四肢択一式で25問出題。満点の60%の得点で試験通過
午後I 試験時間90分。記述式で3題出題された中の2題を選択して解答。基準点以上で試験通過
午後II 試験時間120分。論文課題形式で2題出題された中の1題を選択して解答。Aランク採点で合格

そして、各々の試験をパスしないと、次の試験に進めないようになっています。

出題内容は、

午前I 他の高度情報処理技術者試験と共通である、情報処理技術者試験制度スキルレベル3相当の問題
午前II プロジェクトマネジメント分野(スキルレベル4)が中心の問題。この他システム戦略や法務、セキュリティ分野に関する問題もあり
午後I コスト管理や品質管理、リスク管理などプロジェクトマネジメント業務のあらゆる領域からの問題
午後II 実務体験をもとに、概ね2000~3000文字程度の論文を提出する

このように、とても幅広い内容となっています。

特に午後IIの論文は、経験や実績がないと合格は難しいです。

合格率は、受験者の12%~14%で推移しており、かなり難易度の高い試験となっています。

試験勉強には、「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2019年版/三好康之著」という「みよちゃん本」と呼ばれる本があり、この書籍を使った勉強がかなり有効だと言われています。

プロジェクトマネージャ試験を受けた人の口コミ・体験談

実際に、プロジェクトマネージャ試験を受けた人の口コミや体験談をご紹介します。

「午後Iまでは何とか通ったんですけど、午後IIの論文の内容が、実務体験がちょっとしかなかったのでうまく書けませんでした。

その内容の薄さがネックとなりCランク。

不合格になってしまいました。」

「経験がそれほどなかったが、論文を書き込む練習を積んで試験に臨んだら20代半ばで合格できました。」

「論文の内容が試験のカギとなりますので、内容は濃いのはもちろん、ネタの膨らませ方も大事になってくるなと思いました。」

皆さん、揃って論文の難しさを挙げています。

他の選択式・筆記試験勉強は集中して早めに終わらせて、論文演習に注力するのが良さそうですね

【元転職エージェントの一言コメント】

この試験の合格率は12%~14%程度であり、そもそも理系国家資格のため、かなりの難関です。

正直、20代の転職に間に合うように取得するのはかなり厳しいはずです。

ですが、この試験の合格を視野に入れて勉強をしていること、勉強の過程で手に入れた知識をアピールすることでも充分プラスに働きます。

この先プロジェクトマネージャ資格を持った営業として入社後どのように動いていきたいのか、そしてそんな自分がいることのメリットを明確に伝えられれば、かなりの後押しになるでしょう。

2位:基本情報技術者試験

基本情報技術者試験

実績もないし、いきなりプロジェクトマネージャ試験はキツイ…あなたがそう思うのでしたら、プロジェクトマネージャ試験よりも難易度が低い、基本情報技術者試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。

レベル値で言うと、プロジェクトマネージャは情報処理技術者試験制度のスキルレベル4なのに対し、基本情報技術者試験はスキルレベル2です。

合格率は毎年22%~28%の間で推移しており、受験者は10代から70代までで、幅広い層に受験されているのが特徴です。

情報処理に関する意識の底上げが必要

IT業界にいても、「情報取扱者」としての自覚がない営業職が多く見受けられます。

営業職はパソコンを持って社外に出る事が多いですが、

  • 大勢の人がいるカフェや電車内で平気でパソコンを操作する
  • 暗号化されていないフリーWi-Fiを使ってメールのやり取りをする

上記のように、コンフィデンシャル情報を持ち歩いているとは思えない行動を目にすることがあります。

基本情報技術者試験のための勉強を始めることで、おのずと意識が変わってくるでしょう。

その意識の変化も大きなメリットとなります。

まずはITパスポート取得から

基本情報技術者試験を始めたら、試験勉強の一環としてITパスポート試験を受けることをお勧めします。

ITパスポートは情報処理技術者試験制度のスキルレベル1となっていて、合格率は50%ほどで、試験の雰囲気に慣れるためにも受けておくと良いでしょう。

ITパスポートは試験会場も数多く設置されていて、公式サイトで公開されています。

基本情報技術者試験に合格した人の口コミ・体験談

実際に、基本情報技術者試験に合格した人の口コミや体験談をご紹介します。

「情報系の実務がなくても、しっかり勉強すれば合格すると思います。」

「基本情報技術者試験に合格したことでネットワークやセキュリティに興味を持ち、営業からエンジニアへの道も考えるようになりました。」

「Webに過去問サイトがあるほか、過去問スマホアプリもあるので勉強しやすい。」

勉強のしやすさと、基本情報技術者試験を受けたことによって将来の可能性が増えてきたと感じる人が多いようですね。

【元転職エージェントの一言コメント】

基本情報技術者試験に合格したら、次は応用情報技術者試験に挑戦しましょう。

応用情報技術者試験に合格し、その後2年以内にプロジェクトマネージャ試験を受験すれば、午前Iの試験が免除になります。

基本情報技術者試験は難易度が低いものの、れっきとした国家資格ですし、合格率は3割以下と低いので、20代の転職者には十分に武器となります。

また、最近増えているスマホ決済システムのセキュリティに関する事故も、関係者が基本情報技術者試験レベルの知識を押さえていれば起こらなかったのでは?と言われており、これからさらに注目が集まる資格と言えそうです。

3位:TOEIC650点以上

TOEIC650点以上

TOEICとは「国際コミュニケーション英語能力テスト」と言います。

ここまでご紹介した情報系国家資格とは異なり民間資格となりますが、英語能力の判断材料として認知度が高いため人気があります。

今後のマーケット拡大には海外進出が必須

今後、人口減少が進むと思われる日本。

そうなると避けられないのがグローバル化で、マーケットの拡大の需要もあって多くの日本企業が海外に進出しています。

一部上場企業とその関連会社は、その50%以上が海外拠点を持っています。

IT企業の多くも海外拠点を持ち始めている中、ビジネス英語を操れる能力は必要不可欠となっていくでしょう。

TOEICの試験は年10回ほど行われており、下記の試験構成で行われています。

聞き取り(リスニングセクション) 合計100問/所要時間は45分間
  • 写真描写問題 (Photographs)
  • 応答問題 (Question-Response)
  • 会話問題 (Short Conversations)
  • 説明文問題 (Short Talks)
読解(リーディングセクション) 合計100問/所要時間は75分間
  • 短文穴埋め問題 (Incomplete Sentences)
  • 長文穴埋め問題 (Text Completion)
  • 読解問題 (Reading Comprehension)

TOEIC650点以下は履歴書NG

Wikipediaには、下記のように記載されています。

TOEIC650点以上はレベルC(470点~725点)。日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる

「限定された範囲内で発揮できる英語能力」とされるため、650程度では履歴書に書いてもあまり効力はなさそうです。

650の壁を越えたら、次は800点以上を目指してチャレンジを続けてください。

TOEIC650点以上を取った人の口コミ・体験談

実際に、TOEIC650点以上を取った人の口コミや体験談をご紹介します。

「試験にスピーキングがないため、毎日の勉強を習慣づければ誰でもTOEIC650点は行けると思いますよ。」

「運転免許の試験のように、過去問をじっくり攻めれば点数は取れます。」

「対策をまったくしないで受けたら500点台でした…。」

上記のように、英語力を上げたら即高得点とはいかないようです。

TOEICで高得点を取ることにまず注力したほうが良さそうですね。

【元転職エージェントの一言コメント】

TOEIC650点以上は難易度が高い割に評価が低いですが、今後のステップアップのためには必要な資格と言えます。

この資格をきっかけに、英語力をさらに磨く第一歩として取得してみてください。

4位:日商簿記2級・3級

日商簿記検定とは、日本商工会議所および各地商工会議所が実施する、簿記に関する技能を検定するものを指します。

国家資格のように思われがちですが、商工会議所主催の公的資格です。

2級と3級は、年に3回試験が実施されています。

Wikipediaによる2級と3級の違いは以下の通りです。

3級:個人企業における経理担当者または経理補助者として必要な商業簿記に関する知識を有している。経理関連書類の読み取りができ、取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになる。営業、管理部門に必要な知識として評価する企業が増えている。簿記初学者が学習をはじめるのは多くの場合、この級からである。

2級:商企業および工企業における経理担当者および経理事務員として必要な高校程度の商業簿記および工業簿記(初歩的な原価計算を含む)に関する知識を有している。財務諸表を読む力がつき、企業の経営状況を把握できる。相手の経営状況もわかるので、株式会社の経営管理に役立つ。中小企業の簿記に相当する。

まずは3級を取り、その後2級を目指すのが一般的です。

決算書を読める営業になる

決算書とは財務諸表のことです。

例えば、貸借対照表や損益計算書などがあります。

これを読めるようになると、自社のお金の流れが良くわかるようになり、見積もりを作る時にも、利益率を読んで営業利益のシミュレーションを上司に提案する…といったこともできるようになります。

経営的視点でものを見る目を養う

20代でも、クライアントによっては社長はじめ経営陣と顔を合わせることも多いです。

キャッシュフローを理解していれば、経営陣の何気ない一言から、それに隠された要望などがキャッチアップできるようになり、それがビジネスチャンスを生むことにもつながっていくでしょう。

日商簿記2級・3級を取った人の口コミ・体験談

実際に、日商簿記2級・3級を取った人の口コミや体験談をご紹介します。

「3級は商業簿記のみですぐ受かりましたが、2級は工業簿記と商業簿記の2教科があり、工業簿記の理解に苦しみましたので、短期スクールに通いました。」

「2級は工業簿記を理解できるかが合格のカギですね。」

2級の工業簿記や原価計算になじみがなく、皆さん苦戦されているようですね。

【元転職エージェントの一言コメント】

来たる30代に備え、取っておきたいのが日商簿記。

30代になると管理職が見えてきます。

管理職として取締役会に出て行くこともあるかもしれません。

その時慌てても遅いです。

損益計算書や貸借対照表を読むには慣れが必要。

今から準備しておくことが大切です。

5位:ビジネス法務検定2級

ビジネス実務法務検定試験は、東京商工会議所が主催している法律分野の検定試験です。

資格ではなく検定試験となっています。

ビジネスにはコンプライアンス・法令遵守能力が不可欠となります。

この資格は、これらの基礎となる実践的な法律知識を、体系的かつ効率的に会得することを目的としており、実務に活かせるのは2級以上となります。

試験は年2回、7月の第1日曜日と12月の第2日曜日に行われます。

契約書作成にメリットあり

営業が担当する仕事として、受注から契約となった際に契約書を作成するというものがあります。

実際に作成するのは法務部だとしても、営業に知識があることで不備がないか事前に読み進めておくことができますし、お互い不利益のないよう自分で話を詰めていくこともできます。

企業が扱う法務領域はかなり広い

IT企業とひとことに言っても、業種によって複雑化していること最初にお話ししました。

営業経験者として転職をしても、転職先の業務内容によって扱うものも様々です。

例えば海外企業との商品取引がある場合ですと、商標権・意匠権がかなり厳しく、予防法務(将来契約者同士で法的に争いが生じないようにすること)が大事になります。

そして、営業が法務知識を持っているだけで、やり取りを少なく済ませられます。

やり取りが少ないということは、コストを下げることにもつながります。

ビジネス法務検定2級を取った人の口コミ・体験談

実際に、ビジネス法務検定2級を取った人の口コミや体験談をご紹介します。

「大学院在学中に、行政書士とビジネス法務検定2級を取得しました。

それがとても役に立っています。」

「働きながら3ヵ月集中して勉強し、合格することができました。」

「この検定取得後、商談中にトラブルの種を先回りして摘み取ることができました。」

短い勉強期間で合格でき、商談にも役立っているようです。

やはり営業にも必須の資格ですね。

【元転職エージェントの一言コメント】

商社系IT企業に入る場合は法務知識が必須になってきます。

もし商社系IT企業への転職も視野に入れている場合は、ぜひ検定に合格しておきましょう。

おわりに

豊富な知識と資格は営業活動の差別化に繋がります。

20代の営業職はプレイヤーとして独り立ちすることが最優先課題です。

今回ご紹介した資格と、それを得るために得た知識は、ちょっとした雑談時や営業トーク時にあなたを差別化します。

スキマ時間などを活用し、できるだけ資格を取っていきましょう。

そして今後、IT業界で長く生き残り高収入を狙うには、個人スキルも大事ですがチームを組織化していくマネジメントスキルが必須です。

将来的にはプレイヤーからマネージャーを目指していくことをアピールしましょう。

参考図書